タクシー暴走、はねる　ミナミで７人けが

　８日午前１時半ごろ、大阪市中央区宗右衛門町の歓楽街で、「鳩タクシー」（本社・堺市）のタクシー＝牧野元一運転手（７３）＝が道頓堀川に架かる歩行者専用の橋などを暴走、通行人の男性２人と女性３人を次々とはねた後、近くにあるビル１階の飲食店案内所に突っ込んだ。乗客の女性２人を含む７人が病院に運ばれ、いずれも打撲などの軽傷。

　現場は飲食店などが集中する大阪・ミナミの中心地。南署によると、牧野運転手は「橋の手前からエンジンがうなって急加速した。ブレーキも利かなくなったので車を欄干にぶつけて止めようと思った」と話している。

　鳩タクシーによると、牧野運転手が車のエンジンの回転数が下がらないと訴えたため、３日に修理。牧野運転手は７日午後６時～８日午前４時の予定で勤務についていた。出車前にエンジンなどを点検したが異常はなかったという。鳩タクシーは、関西ハイタク事業協同組合に所属している。

　南署は自動車運転過失傷害容疑で牧野運転手から事情を聴いているほか、実況見分するなどして事故の原因や詳しい状況を調べている。

　南署によると、けがをした７人は２１～４８歳。牧野運転手は現場近くで客５人を乗せ北から南へ向かって走行、歩行者専用の「太左衛門橋」手前の十字路で左折しようとしたが、そのまま直進して橋を渡った。

　橋の幅は約４メートル。はねられた通行人５人は橋の手前から飲食店案内所までの約８０メートルの間に点々と倒れるなどしていた。

　現場となった太左衛門橋は観光名所として知られる「戎橋」の東約１５０メートル。タクシーは車体がほとんど飲食店案内所の中に入った状態で停車し、周辺には多くの人が集まるなど騒然となった。（共同）

　［2010年7月8日15時7分］