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自民対自民 東京は“線引き戦略”

<参院選・激戦区ルポ>

 改選5議席に24人が立候補している東京選挙区。2候補を擁立した民主、自民ともに、党内で議席を争う選挙戦だ。特に自民党は前回07年選挙で、新人が滑り込み、ベテランが議席を失う想定外の事態に直面。再び同じ構図となった今回、現職中川雅治氏(63)が組織、新人東海由紀子氏(42)が無党派を狙う、票のすみ分けという名の“線引き戦略”を徹底してきた。2人が顔をそろえることもない。同じ党でも、身内は敵の1人だった。

 中川、東海両氏の微妙な関係が3日、東京・原宿で見られた。中川氏は小泉進次郎衆院議員の応援を受けた後、党演説カーから別の車に乗り換え、次の会場に向かった。進次郎氏を乗せた演説カーは、少し離れた場所まで走って停車。そこに東海氏が乗り込み、東京ドームに向かった。翌4日、都内を回った谷垣禎一総裁も、銀座では「東京で中川さんを」、渋谷では「東京で東海さんを」と呼び掛けた。2人の選挙戦は徹底して線引きされている。

 両候補は、訴えや経歴も対照的。中川氏は旧大蔵省出身だが、77年の全日空機ハイジャック事件では犯人を取り押さえた武勇伝を持つ。2期目を目指し「引き続き国のため仕事をさせてほしい」と継続性を強調する。キャスター出身で、米GE(ゼネラル・エレクトリック)日本法人渉外部長だった新人東海氏は「若い世代の政治家として頑張ってほしいと声を受けている」と、若さを打ち出す。

 線引き戦略の理由は、3年前の「悪夢」だ。自民党は、ベテラン保坂三蔵氏と、無党派対策で新人丸川珠代氏を擁立。「組織を固めてまず保坂氏が勝ち、丸川氏が滑り込む」(関係者)はずが、出遅れた丸川氏に組織票の一部を回そうとして逆に両氏の組織票争いが発生。ふたをあければ丸川氏が当選、保坂氏は涙をのむ想定外の結果になった。

 党東京都連は当初、中川氏一本化を求め、東海氏擁立には反発もあった。混乱を避けようと、東海氏の選挙とは一線を画す。丸川氏に敗れ今回比例代表に立候補した保坂氏も、街頭では中川氏支援を呼び掛ける。

 東海氏陣営は「知名度もなく厳しいが、都連は1年前から現体制でやってきた。緩めることはできないだろう」。6月19日、やっと活動を始めた東海氏は「ようやく街頭で声をかけてもらえるようになった。なかなかできないが、東京、自民党の1番を目指すつもりで頑張る」と話す。

 党調査で、東海氏は「最重点候補の1人になった」(陣営)。繁華街に張り付き、無党派へのアピールに必死だ。中川氏は「自分の考えをしっかり訴え、1人でも多くの人に支持をいただく努力をするのみ」。すみ分けリベンジは成功するのか。【中山知子】

 [2010年7月7日8時26分 紙面から]


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