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2→1人区の群馬は現職サバイバル

<参院選・激戦区ルポ>

 群馬で現職議員のどちらかが必ず落選する厳しい選挙戦が展開されている。07年から定数が1つ減って1人区になったためだ。5期連続当選を期す自民党の中曽根弘文氏(64)と2期目を目指す民主党の富岡由紀夫氏(46)の決戦。内閣総理大臣を戦後4人も輩出した自民党王国で、中曽根陣営は自民支持票の取りまとめへ万全の体制を敷く。富岡陣営は04年トップ当選の実績をかなぐり捨てて無党派層へのアピールを重ねている。全国唯一のサバイバル戦だ。

 中曽根氏は今回の選挙戦にかける思いをこう表現していた。「現職が落ちる厳しい選挙になります。今回は2位じゃダメなんです。金メダルでないとダメなんです」。6月30日、橋本聖子参議院議員の応援を受けた渋川市内での遊説。08年の外相時代、副大臣としてコンビを組んだ“五輪メダリスト”と並んで、議席死守、5期連続当選を誓っていた。

 「自民党王国・群馬」は、故福田赳夫氏と中曽根氏の父康弘氏の2人の首相経験者の強力なライバル関係でつくり上げられてきた。過去の国政選挙で両陣営は最多得票を競い合うように真っ向対決を繰り返してきた。その力が2世たちに引き継がれている。しかし、そんな“伝統”も今回は崩れ去った。中曽根陣営に、故福田氏の長男、福田康夫元首相が選対本部長として加わり、全面バックアップ。さらに故小渕恵三元首相の次女、小渕優子衆院議員も選対幹部に名を連ね、過去に例のない「福中小」の協力体制が出来上がった。陣営関係者は「何とか当選させたい。みんなで一緒になって、戦っている」と力を込めた。

 2人区だった04年参院選、中曽根氏と福田派の上野公成氏の現職2人が立候補した。自民支持票は当然真っ二つに割れて中曽根氏が27万6000票、上野氏26万8000票。その間げきを突く形で年金問題、自衛隊イラク問題などで追い風を受けた民主党の富岡氏が31万票を集めてトップ当選し、約8000票差で上野氏が落選している。参院選で初めて民主党に議席を明け渡した苦い過去を振り払うためにも、自民党は絶対に負けられない。6年前に2分された票を合計すれば54万票。中曽根氏が自民支持層を一本化さえすれば優位とみえる。しかし、陣営は「民主党の動きがまったく見えない。地域を限定しているようだが予断を許さない」と緊張を緩めない。自民党支持層の高齢化と無党派層の増加が「票読み」を難しくしている。

 一方、富岡陣営も必死の選挙戦を展開する。同幹部は「自民の牙城はまだ固い。こちらもまだ1期目なので知名度もそんなにない。だから駅での朝、夕、夜立ちを主な活動にしている」と無党派層の取り込みに力を入れる。都市部を中心とした自転車遊説も取り入れた。

 富岡氏は「相手は福田、小渕、中曽根の連合艦隊。しかも2代目ということで世襲制との戦いでもある。自民党の高い壁を乗り越える気持ちで、群馬県を政権交代する」と、苦闘の末の王国攻略を宣言している。【荒木俊晴】

 [2010年7月6日14時51分 紙面から]


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