老人ホーム大手が10億円前後の所得隠し

　有料老人ホーム運営の大手「ベストライフ」（東京）が東京国税局の税務調査を受け、株式投資の損失計上をめぐり、２００８年８月期までの数年間に１０億円前後の所得隠しを指摘されていたことが６日、分かった。追徴税額は４億円前後とみられ、同社はすでに修正申告したもようだ。

　関係者によると、ベストライフはＩＴ企業などへの株式投資で１０億円前後の損失が出たと申告していたが、国税局はこれらの株式が同社創業者（６４）の名義で購入、取引されていたとして、実際は創業者個人の投資だったと指摘したもようだ。

　国税局は投資で生じた損失を肩代わりするため、ベストライフが自社取引と装ったと判断。損失計上で所得を圧縮したとして、仮装や隠ぺいを伴う所得隠しと認定したとみられる。創業者は株式購入の資金も同社から借金していたという。

　民間信用調査会社によると、同社は２００１年１２月に設立。全国で有料老人ホームやデイケアセンターを展開しており、０９年８月期の売上高は約２３５億円だった。（共同）

　［2010年7月6日9時27分］