カメ大捜査線「遺失物」池へ…飼い主激怒

　飼い主から遺失届の出ていたペットとみられるミドリガメが見つかったにもかかわらず、兵庫県警長田署が確認を怠り「野生のカメ」として公園の池に放していたことが２９日、分かった。同署は飼い主に謝罪し、２日間かけて池の“大捜索”を実施したが発見に至っていない。

　長田署によると、２３日午前、神戸市長田区の飼い主から「カメがいなくなった」という届け出があった。同日夜、住民が路上でカメを発見。近くの交番に持ち込んだが警察官が不在だったため、通り掛かったパトカーの同署員が対応した。

　連絡を受けた長田署は遺失届の確認をしないまま「希少種ではなく野生のカメ」と判断、住民に対し適当な場所で逃がすよう頼んだ。体長約２０センチのミドリガメ。特徴などから、遺失届の出ていたカメとみられる。

　しかし２５日夜、この住民が、行方不明のカメを捜す張り紙を付近で見て飼い主に連絡。事態を知った飼い主は、長田署に対し「調べもせずに逃がしていいんか？」と激怒したという。池の捜索では、透明度が低く、カメが５匹以上生息していることなどから、特定し捕獲することができなかった。同署は池の水を全部抜くことなどを検討しているが、頭を抱えている。「確認を怠った。発見に努めたい」としている。

　［2010年6月30日9時30分　紙面から］