進次郎氏が自民ＨＰのＣＭ、ＴＶも検討

　自民党が、参院選の政党ＣＭ第２弾に人気の小泉進次郎衆院議員（２９）を起用することが分かった。総裁以外に、新人議員が選挙ＣＭ登場するのは異例で、全国放送も検討されているという。選挙戦でも、応援要請が党ＮＯ・１の進次郎氏。２９日は、静岡県、大阪府で公示後初めての地方遊説を行い、「選挙の顔」としてフル回転している。

　「ほどほどの努力では、ほどほどの幸せもつかめない。一生懸命頑張って、豊かな１番の国をつくりましょう」「今必要なのは、皆さん１人１人の力です」。真正面を向いて、力強く呼び掛ける進次郎氏の姿から始まる自民党の新しい３０秒ＣＭ。進次郎氏は、日本を良くするため政治家頼みでない国民の参加が必要だと、強調する。父小泉純一郎元首相の選挙ポスターを連想させる、左側から横顔をアップで映した表情も織り込まれた。

　自民党はすでに、谷垣禎一総裁の党ＣＭを放送している。今回の進次郎バージョンは、丸川珠代参院議員バージョンとともに２６日、党のＨＰに「ネットＣＭ」として登場した。２９日までに１万６０００回近く再生されるなど注目度は高く、関係者によると、テレビＣＭとしての放送も検討されているという。知名度は全国区の進次郎氏。選挙戦後半に向けた、党アピールの貴重な戦力としてとらえられているようだ。

　自民党が、過去の国政選挙ＣＭで前面に押し出してきたのは、党総裁だった。進次郎氏のような新人が起用されるのは極めて異例だ。野党になって、若手にもチャンスが生まれたという変化を強調する狙いがあるようだが、強力な「党の顔」が見当たらず、人気の進次郎氏に頼らざるを得ない苦しさものぞく。

　進次郎氏は、党ＣＭ出演だけでなく、全国からの応援要請も相次いでいる。参院選序盤は地元神奈川での活動がメーンだったが、今後は激戦区を中心に全国を回る予定で、フル回転の活動になりそうだ。【中山知子】

　［2010年6月30日9時24分　紙面から］