「マジコンを合法化して未成年者はゲームを無料で遊べるようにすべきです」

 ――そんな質問が、Q&Aサイト「Yahoo!知恵袋」に寄せられ話題を呼んでいます。

 質問者は生活保護を受給する母子家庭の母親で、子供がマジコンを持っていないことから「友達グループから仲間はずれにされかけています」とのこと。質問者は月1〜2本ほど子供にゲームソフトを買い与えているそうですが、友達グループ内で流行っているゲームすべてを買い与えるにはとてもお金が足りず、また外食や自分の趣味などに使うお金も考えると今の生活保護は少なすぎると主張。“ゲームを作っている人たちもそれでお金を稼いでいるのだろうし、マジコンのようなものが法律で認められないのは理解できる”としながらも、「貧しい家庭の子供がいじめを受けて、将来が閉ざされたらどうしてくれるのか」と、子供の未来のためにもマジコンを合法化し、未成年者はゲームを無料で遊べるようにするとともに、生活保護の家庭には無料でマジコンを支給すべきだと書いています。

 これに対し回答欄では、「生活保護にしてはぜいたくしすぎ」「こういう親がいるから子どもが駄目になる」など、当然ながら厳しい意見が多数寄せられる形に。「気にせずガキにマジコン買ってやりな」などの賛同意見もわずかにありますが、大半は投稿者のあまりに身勝手で一方的な考えに「どうせ釣りだろう」などとあきれている様子でした。

 この連載でも何度か紹介しているとおり、マジコンは違法コピーの温床として以前から問題視されており、過去にはゲームメーカー側による販売差し止め訴訟なども行われています。確かに今やゲーム機は子供たちにとって重要なコミュニケーションツールになっており、「ゲーム機がないと子供が仲間はずれにされる」という意見もよく耳にしますが、いくらなんでもそのために「マジコンを合法化し、さらに無料で支給すべき」という主張は短絡的すぎるのではないでしょうか。

 そもそもマジコンを合法化するなどと考える以前に、まず「マジコンを当然のように持っている周囲の子供たち」の方を疑問視するべきだと思うのですが……。多くの回答者がコメントしているとおり、この質問が投稿者による「釣り」であることを祈るばかりです。みなさんはこの質問について、どのような感想を抱きましたか?【池谷勇人】

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