26歳医師　数々の“不可解”
26歳医師　数々の“不可解” 07/12 19:57

福岡県大牟田市の旅館で、経営者の女性が殺害された事件で、宮城県の26歳の医師がきょう、送検されました。

男は事件の2週間前に、突然、失踪していていてなぜ、大牟田市に来たのかなどなぞは深まるばかりとなっています。

きょう送検された仙台市の国立病院機構「仙台医療センター」の医師・乾稚宏容疑者。

今年5月、宿泊していた福岡県大牟田市の旅館の客室で経営者の江��京子さんの首を絞めて殺害した疑いが持たれています。

警察が逮捕状を取り行方を追っていたところ、先月、山口県内で車を盗んだとして逮捕されました。

●夫・江崎敏春さん
「少しは、家内も今までの無念が晴れたと思う。今まで悲しみ、悩み、そして痛恨の極みで毎日毎日暮らしていました」

殺害現場の客室には乾容疑者の指紋が残されていましたが、取り調べに対し現在も別人の名をかたり、容疑についても「知りません」と否認しているということです。

ところで、乾容疑者の行動には不可解な点が数多くあります。

事件のおよそ2週間前、病院に出勤しないまま突然、失踪した乾容疑者。

住んでいた寮の部屋に鍵はかかっておらず、財布や携帯電話のほか、お湯が入ったままのカップラーメンも残されていたということです。

また、玄関付近には直径30センチほどの血痕がありました。

乾容疑者本人の血痕と特定した宮城県警は、何らかの事件に巻き込まれた可能性があるとみて捜査していました。

●仙台医療センター・久保瀧哉事務部長「一生懸命勉強している先生だと。いなくなったこと自体もそうだし、こういう事件を起こしたということ自体も、想像さえできない」

また、失踪する数時間前まで交際相手の女性と一緒に過ごしていましたが、特段、変わった様子はなかったということです。

●仙台医療センター関係者
「仕事はまじめだし、先生たちや看護師たちからの信頼も厚い先生だったと思う。『彼は優秀だ、仕事が出来る』という話は聞きました」

将来を嘱望されていた若い医師はなぜ、突然、姿を消し、遠く離れた大牟田市の旅館でいったい何があったのか。

警察は、どうして乾容疑者が大牟田市を訪れたのかを含めて、これから始まる本格的な取り調べで解明する方針です。