キューバのカストロ前国家評議会議長は12日、国営テレビ局の番組に3年ぶりに出演し、韓国の哨戒艦沈没事件に触れてアメリカを批判するなど、4年前の手術後の療養によって、健康がある程度回復しつつあることをうかがわせました。
2年前、健康状態を理由に議長の座を退いたキューバのカストロ前議長は、4年前に腹部の手術を受けて以来、公の場にほとんど姿を見せず、療養を続けていましたが、12日、キューバ国営テレビの時事番組に出演しました。1時間余りにわたって放送された番組の中で、カストロ前議長は韓国の哨戒艦沈没事件について触れ、北朝鮮に対立するアメリカに事件の責任があるとしたうえで、北朝鮮などへの攻撃は世界的な戦争につながるおそれがあると述べました。番組が生中継か収録されたものかは明らかにされていませんが、カストロ前議長は濃い青色の私服を着て、顔色はよさそうで、ゆっくりとした口調で司会者の質問に答えていました。療養中のカストロ前議長の様子がテレビなどで公開されることはこれまでもありましたが、長時間のテレビ出演は3年ぶりで、健康がある程度回復しつつあることをうかがわせ、健在ぶりを内外にアピールするねらいもあるとみられています。