燃える雨、白燐弾 

-米軍による白燐弾使用の実態についてのまとめサイト-



本サイトでは、米軍がイラク侵攻に際してファルージャにて使用したとされる「白燐弾」の使用とそれにまつわる報道や議論についてまとめました。
本サイトに掲載されていない情報や意見などありましたら、ぜひともご連絡ください。


 

項目



1.モントットーネ村からの手紙



2.報道番組「隠された虐殺」の告発


◇番組映像(伊語・英語)
完全日本語訳


3.白燐弾とはどのようなものか?



4.白燐弾をめぐる報道


アメリカ、イラクで白燐弾を使用(BBC)
戦争犯罪が白燐の煙の背後に(Guardian)
米軍はファルージャ攻撃に「化学兵器を使った」
ファルージャに対して用いられた兵器
英国も白燐を使用「用途は煙幕」
ビルマ軍による白燐弾の使用
国会での質疑(麻生外相答弁)


5.白燐弾をめぐる議論

白燐弾は通常兵器か?
白燐弾をめぐるその後の論争(イラク情勢watch)
燐兵器について(チェルシー・ブラウン&益岡賢)
焼夷弾は化学兵器か通常兵器か(模型ダイアリー)
白燐弾報道とは(模型ダイアリー)
白燐(WP)の使用  (Falluja, April 2004 )

ウィキペディア「白燐弾」の偏向した記述


0.燃える雨(FWF)-白燐弾について
(1)モントットーネ村からの手紙
(2)「ファルージャ  隠された大虐殺」ほぼ完全日本語訳前半
(3)「ファルージャ 隠された大虐殺」ほぼ完全日本語訳後半

(4)白燐弾は「化学兵器」ではなく「通常兵器」であるとの主張について
(5)白燐弾-「極めて卑劣な兵器」  byグローバル・セキュリティ
(6)アメリカ軍が違法性を認識:白燐の煙の向こう側で起きたこと

(7)その雨を見たかい?(白燐弾についての否定見解の正体)

(8)参考:白燐弾についてのまとめ

(9)追加情報:大岡昇平「レイテ戦記」


参考サイト&資料

模型ダイアリー(白燐弾)
益岡賢のページ
Falluja, April 2004-the book
イラク情勢Watch
駄文
オルタナティブ運動メーリングリスト

週刊オブイェクト「白燐弾」
Wikipedia「白燐弾」

特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)
焼夷兵器の使用の禁止又は制限に関する議定書(議定書III)
ナパーム弾・クラスター爆弾




以下、このサイトでは、自分のブログ"FWF"上で掲載した内容を編集・補足したものを再構成したものを掲載いたします。

最初に自分は以下の飯田氏からの情報により白燐弾の実態を知り、飯田氏が伝えたその番組を見た友人が番組をそのまま翻訳してくれました。



以降、その報道を追いながら、白燐弾とはどのようなものなのか知識を少しずつ得ていき、さらに白燐弾報道に触れたブログの読者などとのやりとりの中で、様々な考えを知りました。

よって、以下の章立ては、この流れそのままにしてあります。



※もし白燐関連の情報のソースのみをチェックしたいという方は、左のリンク先をチェックしてください。



1.モントットーネ村からの手紙


日本の皆さまへ、
ご無沙汰しております。イタリアの飯田亮介です。
今日は、イタリアのRainews24テレビ局が製作したドキュメンタリーをご紹介いたします。ひどく心を揺さぶれたので、皆さまにも紹介したくなりました。

2004年の11月に行われた米軍によるファルージャ攻撃。その際に化学兵器(白 リン弾)およびナパーム弾が使用されたのではないかという憶測が以前から様 々なメディアで取り上げられてきましたが、米国政府は「白リンはあくまで照明弾として使用されてきた」と弁解してきました。

昨日(11月9日)イタリアのニューステレビ局Rainews24が放送したドキュメン タリー映像は、化学兵器とナパーム弾がファルージャ攻撃にやはり使用されていたこと、しかも、攻撃の対象には一般市民も含まれていたことを、各種記録映像と参戦した元米兵などの証言から立証し、その事実を告訴しました。

非常に衝撃的な映像です。


生々しく、胸が悪くなるような死体の数々。自分もまた同じ人間であることがとてつもなく悲しくなるような「人々の残骸」が黙ってわたしたちを見つめてきます。

イタリア語・英語・アラビア語版のビデオ映像がネット上で公開されていま
す。三つの言語のいずれも解されない方でも、一見されることをおすすめしま
(ショッキングな映像が含まれていますので、ご注意下さい)


これがわたしたちの政府が支持する戦争の一面です。


飯田亮介氏のwebサイト


※本文はAML -Alternative Information for People's Movements Mailing Listより転載いたしました

2.イタリアのTV局による白燐弾使用実態の告発

隠された大虐殺 (原題:La strage nascosta)

作者:ジークフリード・ラヌッチ 原文:Rainews24 http://www.rainews24.rai.it/ran24/inchiesta/body.asp


「ファルージャ爆撃に白リン弾が使用されるから注意しろという命令をわたしは耳にしました。
軍隊用語ではウィリー・ピートと呼ばれています。白燐 は体を焼き、溶かしてしまうことすらあります」。

これが、イラク戦争のベテラン兵士、ジェフ・エングルハートの身の毛のよだつような証言だ。

元合衆国兵士はさらにこう言った、「女性や子供たちの焼 け焦げた死体をわたしは見ました。白リン弾は爆発すると雲をつくりだし、そ の半径150メートル以内にいたらおしまいです」。

そこにいた人々が目にしたのは「物を燃やす物質からなる様々な色の雨で、雨を浴びた者は焼かれ、雨に触れていない者も呼吸困難をおこした」と、ファルージャ人権研究所の所長モハマッド・タレク・アルデラジは語った。(了)



非常にショッキングな映像が含まれていますので、ご注意下 さい。



◇イタリア語版・映像(wmv形式、35.9MB) http://www.rainews24.rai.it/ran24/inchiesta/video/fallujah_ITA.wmv

◇英語版(wmv形式、35.9MB) http://www.rainews24.rai.it/ran24/inchiesta/video/fallujah_ING.wmv

なお、ASF・REAL形式のファイル、アラビア語版は以下のページの右側、 "VIDEO"と記された場所からストリーミングおよびダウンロードできます。 http://www.rainews24.rai.it/ran24/inchiesta/body.asp



3.白燐弾とはどのようなものか?


以下、軍事関連の専門サイトであり多数のメディアからも情報源とされているGlobalSecurity.orgの日本語訳



◆白燐弾-White Phosphorus (WP)

白燐弾(WP)は、ウィリー・ピートという名前で知られ、標的サイン用、視界遮蔽用、または焼夷目的で使われる。白燐弾は、敵の設備を破壊したり、視界を遮断するのにも使うこともできる。対車両、石油施設、弾薬保管庫、敵の偵察施設などに使われる。標的の場所をナビゲートするために使われることもある。通例、爆発物によって拡散するもので、時限信管により空中にて爆発するようにしてある。第二次大戦中には、軍の教典では、煙幕、マーカー弾、焼夷用、手榴弾、煙によるマーキング、発煙筒、曳光弾としてしばしば取り扱われていた。

ファルージャ戦は2004年11月8日から20日まで行われた。最後の武器攻撃は11月17日とされている。戦闘は、陸軍、海兵隊、イラク軍混成の海兵隊第一派遣軍(IMEF)によって戦われた。

ファルージャ戦において、アメリカ軍は、白燐弾が有用な兵器であることに気づいた。
「白燐弾は効果的で多用途に使える兵器であることが証明された。われわれは交差路での視界遮断作戦、その後の戦闘では、強力な心理的な兵器として使用した。前線や塹壕の武装勢力に対して、爆発では得られない効果をこれによって得ることができる。われわれは"shake and bake"(驚かせて焼く)作戦によって武装勢力を攻撃した。白燐弾によって敵を驚かせ、爆発によってそこから出てくるようにするのだ。HC煙幕がもっと効果的だとされていたので、白燐弾を最後まで保有していたため、この煙幕作戦に改良された白燐弾を使用したのだ。」

白燐弾は、アメリカが批准しているどの条約でも禁止されていない。煙幕や視界遮蔽の兵器は、直接的な化学兵器としては扱われていない。アメリカは、焼夷兵器を使用する可能性を留保し続けている。(略)  白燐弾や燃料の空中爆破は特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の議定書Ⅱ(過度に傷害をもたらす、あるいは無差別の効果があるとみなされうるような特定通常兵器の使用もしくは禁止に関する議定書)では禁止も制限もされていない。


◆白燐-焼夷性

白燐は、無色で黄色の半透明なワックス状の物質で、刺激の強いニンニクのような匂いをもつ。高い可燃性をもち酸素に触れると発火する。白燐は自然発火性物質であり、そのままで発火するものだ。

空気に触れると、自然に発火し、酸化して白燐五酸化物となる。酸化することにより熱を出し、黄色の炎と白く濃い煙を出す。また暗闇では照明効果があるため、曳光弾に使われることとなる。この化学効果は、この物質が消費されるか酸素がなくなるまで続く。皮膚が非露出しまだ燃えていない白燐が大気に触れれば、15%以上の白燐が炭化した破片に残っていると、再び発火する。

白燐は化学性の燃焼によって苦痛の大きい傷害となる。壊死部分は黄色くなり特徴的なにんにく臭がするのがこの燃焼がもたらす特徴的な症状だ。脂質溶解性があるとされているため、破片が皮質に入ると皮膚に浸透しやすいといわれている。この皮膚への浸透性により、傷害の治癒効果が非常に遅くなるとされている。これについてはまだ研究が進んでおらず、それゆえに、白燐は科学的な燃焼効果としてはまだ認められておらず、治癒回復が遅いという典型的な効果が残るとされているだけなのである。

白燐の白熱性の破片の燃焼効果は持続し、皮膚の下で燃え続け苦痛を与えるとともに、堅い瘡蓋をつくり小水疱を形成する。燃焼はたいていの場合は複合的になり、深く多様に焼く。確かな事実は重度の傷害をもたらすということである。破片は酸素が少ないときでも燃焼する。破片と破片が触れ合ったときに部分的に燃焼するのだ。
この兵器は極めて卑劣な兵器である。なぜなら、白燐はその物質がなくなるまで燃え続けるものだからだ。当事者が白燐の破片を受ければ骨に達するまで燃えるものなのである。燃焼は皮膚の露出した部分に普通限定される(上肢や顔など)。燃焼は白燐の脂溶性と発火性により第2級または第3級に値する程度になる。

もし白燐を衣服に浴びたり付着したりした時は、白燐が浸透した衣服を皮膚に達して燃えるまでに脱ぎましょう。白燐に汚染された衣服をすばやく脱ぎ、皮膚に燃焼が達するのを防ぎましょう。それが不可能であれば、白燐を浴びた皮膚や衣服を冷たい水の中につけるか、消化するため、または燃焼から守るために水をかけましょう。それから、冷たくした重曹(重炭酸ナトリウム)または冷水につけてください。皮膚を水につけ、白燐が見えるところを(できれば水の中で)ナイフの背のようなとがったものかピンセットで除去してください。指で白燐には触れないように!除去した白燐や白燐が付着した衣服は水の中か燃えても大丈夫な場所に捨ててください。白燐の燃焼はぬれたもので包み、再び燃えないようにしてください。白燐で火傷した患者は食塩水に浸した服を着せることが必要です。そうしないと再び発火することになります。

白燐弾White Phosphorus (WP)の解説原文

4.白燐弾をめぐる報道

アメリカ、イラクで白燐弾を使用(BBC)

アメリカ軍は白燐弾をひとつの兵器としてファルージャにて使用したとアメリカ関係当局は語った。
「敵兵に対する焼夷兵器として使われました。」バリー・ベナブル中佐はBBCに「民間人に使われたものではない」としながらも認めた。
アメリカは最初この皮膚を焼け爛れさせる物質を単なる照明弾だとしていた。

BBCの軍事記者のPaul Woodは、このアメリカ当局による(白燐弾の焼夷兵器としての使用を)否定した事実を撤回したことは、アメリカへの世論の風当たりを強めることになろうと語る。

白燐弾が、燃焼する化学兵器ではない、とベナブル中佐は否定する。
アメリカは民間人に対するSubstance(薬物・物質)の使用を制限する条約に調印していない。アメリカ当局は最初白燐弾は、ファルージャで、照明の目的で限定的に使われていたと語っていた。

ベナブル中佐はこの発表について、情報が少なかったため、と理由を述べている。

焼夷弾
バクダッドの西部にあるスンニ派勢力の拠点であるファルージャへのアメリカ主導の攻撃は、30万人の住民を強制退去させ、残された建物の多数は破壊された。
「アメリカ陸軍は白燐弾をターゲット用のものとして主に使っていた」
ベナブル中佐はBBCのラジオ番組で語る。
「しかし、それ(白燐弾)は焼夷兵器であり、敵兵に対して使われたかも知れない。」

そして彼はそれがファルージャで使われていたことを認めるが、「それは通常兵器であって、化学兵器ではない。」とも語った。「禁止されているものでも、非合法なものでもない。」
アメリカ軍は、白燐弾を敵の兵を威嚇して隠れていたところが引き出すために使っていたと彼は語る。
(中略)


極めて残酷な兵器
白燐は引火しやすい物質で、酸素に触れると発火する。この物質が皮膚に付着すれば、酸素がなくなるまで燃え続ける。
軍事関連サイトであるGlobalsecurity.orgは次のように語る。
「白燐は皮膚の深くまで苦痛を伴い燃え続ける・・・。これらの兵器はきわめて残酷な兵器である。なぜなら、白燐はそれが燃え尽きるまで燃焼するからだ・・・まさに骨まで達するのだ。」

イギリス国防省のスポークスマンは、白燐弾が戦場では一般人がその標的エリアにいないときに許される、と語る。
しかしブラッドフォード大学の平和研究所のポールロジャース教授は、故意に一般人に使われるのであれば、化学兵器として認定されるべきだと主張している。「通常使用される限り化学兵器条約に抵触しないとしても、それは法的に微妙な問題だ。白燐弾が対人兵器として使われるのであれば、化学兵器に分類されてもおかしくないだろう。」

イタリアのドキュメンタリー番組(「ファルージャ隠された悲劇」)がイラクにおける白燐弾の使用を暴露したことにより、イタリアの反戦の機運を劇的に盛り上げ、ローマにあるアメリカ大使館にデモが行われている。

原文



戦争犯罪の中の戦争犯罪が白燐の煙の背後に(Gurdian)

メディアは白燐の問題について勘違いをしていたわけではなかった。
新しいニュースに入る前に、私はこのファルージャにおける問題について、事実関係を整理しておきたいと思う。
白燐が民間人に対して使用されたという明確な証拠はない。これは、イタリアのRAIによって、「ファルージャ、隠された虐殺」と題された番組によって主張されたものだ。

この番組では映像とともに次のように説明している。『奇妙な負傷が見られる。あるものは骨まで焼け、あるものは皮膚が剥がれ落ちている・・・
顔は完全に溶けおちてしまい、体の一部分のようになってしまっている。服は奇妙にも無傷である。』これらの主張は、生物学の学位をもった人権擁護家達によってなされたという。

私自身も生物学の学位をもっており、心臓切開手術をするのと同じぐらいに、人の死の原因を判断する資格がある。そこでシェフィールド大学法病理学教授のChris Milroy氏に映像を見てもらうように依頼したところ、「特に死体に燃えたような形跡は見られない」、死体が黒くなり皮膚がないのは「腐敗によるもの」と答えてくれた。これらの人々がどのように死んだのかは今のところまだわかっていないのである。


しかし、白燐がファルージャで兵士に対する兵器として配備された明確な証拠は存在する。
このコラムでは先週の火曜日、歩兵将校が武装勢力に対して威嚇目的で使われていたことを告白したことをレポートした。そして、ペンタゴンのスポークスマンは、BBCに「白燐は焼夷兵器として敵の戦闘員に使われた」と語ってもいる。ただし「それは化学兵器ではなく、非合法なものではない」とも注釈している。
このスポークスマンによる否定は、メディアのほとんどが受け入れた。タイムズ誌は、国連の条約では「民間人への使用は禁じられているが、兵士には禁じられていない」としている。しかし、この「民間人」という制限は、化学兵器条約には記載されていない。毒性の化学物質を兵器として使うことは、誰をターゲットにするとしても違法なのである。

ペンタゴンは、白燐は中毒させるというよりは、燃焼効果があり、これらはアメリカが批准していない焼夷兵器に関する条約で規制されているものである、と主張する。しかし、白燐には焼夷性と中毒性の2つの効果がある。白燐のガスは、目や肺の粘膜に作用する。化学兵器禁止機関のピーター・カイザー氏が先週BBCに語ったように、「もし・・・白燐の毒性物質、また腐食性物質が明確に兵器として使われるのであれば、もちろん禁止されるべきだ。なぜならば・・・人間や動物に対して使われる化学物質が毒性により死や疾病をもたらすものであれば、化学兵器としてみなされるべきだ。」

アメリカ軍は違法だと知っていながらこの兵器を使用している。
特派員David Traynier は、カンサス州フォートワース アメリカ指揮幕僚官校 US Command and General Staff College が発行した戦術書に、白燐の対人使用は陸戦法に反すると記述されていることを発見した。

また、昨晩、ブロガーであるGabriele Zamparini氏は、1991年4月に機密解除された国防省の書類から、「白燐化学物質  phosphorus chemicalの使用の可能性」と題されたものを発見している。※1
『クルド人の反乱に対する残酷な弾圧行為において、サダム・フセインに忠誠を誓うイラク軍は、白燐化学兵器 white phosphorus (WP) chemical weaponsをクルド反乱者とErbilの民衆に使い・・・イラクのDohuk県でも使っていた可能性がある。白燐化学物質は、火砲とヘリコプターにより打ち込まれた・・・・白燐科学兵器による攻撃の情報は、すばやく広まった・・・数十万人のクルド人がこの2つの地域から脱出した。』
ペンタゴンは間違いなく、白燐が違法な化学兵器として認識していたのである。

武装勢力は、もちろん他の兵器によって殺されたのかも知れない。他の火器とあわせて使われたから、このことはどうでもいい問題なのだろうか?それは問題なのである。第一次世界大戦の追悼礼拝において目が見えなくなった退役軍人のならんだ姿の写真を見たものは、国際法の重要性とそれがないがしろになってしまうことの危険性を知るはずである。

しかし我々は決して忘れてはならない。化学兵器の使用は、戦争犯罪の中でももっとも重い戦争犯罪であることを。イラク侵攻とファルージャへの攻撃はともに違法な侵略行為であることを。ファルージャを攻撃する前に、海兵隊は「戦闘可能な年齢」の男子を町から逃げることを許可しなかった。さらにたくさんの女性と子供がフィルージャに残っていたことを。ガーディアンの特派員は3万人から5万人の市民が残されていたと推定している。海兵隊はフィルージャの住民が戦闘員であるかのように扱った。彼らは町の建物という建物を廃塵にし、イラクの赤十字の救援を拒否し、国連の特派員によれば、『食料と水の剥奪を一般市民に対しても強要した』という。

原文


※1
10年前のペンタゴンは、ファルージャで使用された白燐弾が化学兵器だと認めていた?
機密解除文書の原文





米軍はファルージャ攻撃に「化学兵器を使った」
-Falluja, Apil 2004-the bookより


2004年11月、米軍がファルージャを攻撃した際に白燐兵器を大量に投下したという有力な証拠が新たに昨日あきらかになった。米軍は、この兵器でゲリラと民間人を殺し、遺体にはこの兵器を使ったことを示す恐ろしい焼け跡が残された。

この攻撃----西側ジャーナリストはまったく報道しなかった----のときから、米軍がファルージャに化学兵器を使ったという噂は広まっていた。

昨2004年11月10日、イスラム・オンラインのウェブサイトには、次のようにある:「米軍兵士たちはイラク人抵抗の拠点であるファルージャに対する大規模な攻撃の中で化学兵器と毒ガスを使ったことが報じられている。1988年にサダム・フセインがクルド人に毒ガスを使ったとされる事件を思い起こさせる忌まわしい行為である」。

2004年4月と11月にファルージャに対して用いられた兵器
-Falluja, Apil 2004-the bookより

国際法によれば、人間または動物を傷つけたり殺したりするために用いられる化学物質はいかなるものであれ、化学兵器であるとみなされる。化学兵器禁止機関(Organization for the Prohibition of Chemical Weapons)のピーター・カイザー氏(Peter Kaiser)の言葉を借りれば:

「人間に向けて、あるいは動物に向けて使用され、その毒性によって危害を加えたりもしくは死をもたらす化学物質はいかなるものであれ、化学兵器であるとみなされる。そして、危害を加えることが目的である限りは、禁止行為である。」


英国も白燐を使用――「用途は煙幕」(16日BBC)
-Falluja, Apil 2004-the bookより

英軍が、イラクにおいて、白燐を使用していた――ただし煙幕を作るためだけに限られる。ジョン・リード国防大臣が明らかにした。

白燐は物議をかもす物質であり、米軍が以前は否定していたのを翻し、ファルージャで白燐を使用したと認めたことで、英国会下院議員たちは懸念を募らせていた。

白燐は肉を焼くことができ、下院議員の一部は、白燐の使用は、イラクの反乱勢力にプロパガンダ上の勝利を手渡すことになると述べている


ビルマ軍による白燐弾の使用
-blog「駄文」より

95年2月、ビルマ軍はタイとビルマの国境にあったカレン民族同盟(KNU)の要塞ワンカー(コームラ)基地を攻撃したことがある。ビルマ軍は最初のうちは通常火器を使用して攻撃していたが、要塞が堅固でビクともしなかった。困り果てたビルマ軍は中国人教官たちに応援を頼み、白燐弾など数種の化学兵器を投入して攻撃に転じた。カレン軍兵士たちは、これら化学兵器によって皮膚が焼けただれ、目を開けることもできずに塹壕から這い出して基地を放棄するしかなかった。その時、カレン軍が持っていたウォーキー・トーキーが「点火できないぞ、早く中国人を呼べ」など、大勢の中国軍人が関与していたことを示すおびただしい交信を傍受している。


国会での質疑(麻生外相答弁)
-blog「駄文」より

仁比氏は、昨年十一月の米軍によるイラク・ファルージャでの「掃討作戦」で二千五百度もの高温で百五十メートルの範囲で人も動物も焼き尽くす「白リン弾」の使用が最近明らかになったことを指摘。「白リン弾は迫撃砲で市内に撃ち込まれ、住民は炎の雨が降ってきたと証言している。このような攻撃を行えば多数の民間人が犠牲になるのは明らかだ。ジュネーブ条約で禁じられた無差別攻撃にほかならない」と指摘しました。

 麻生太郎外相は「米国政府は民間人を攻撃の対象としたことはないと説明している。白リン弾は通常の武器で非合法ではない」「掃討作戦は治安維持のために必要だ」などと答弁。仁比氏は、乳児が犠牲になった写真を掲げながら、「実際に罪のない民間人が犠牲になっている。日本政府は検証もせずに米国政府発表の言うがままだ」と批判しました。

 

 

5.白燐弾をめぐる議論

以上のような報道を受けて、日本のネット上でも様々な議論が交わされた。

その中で、白燐は「化学兵器」ではなく、単なる照明弾であり煙幕として使用されてきた一般兵器である、との見解が広がった。特に一部の匿名ブログや匿名掲示板などでは、白燐弾に対する報道や問題視した主張をデマとしているようである。

これに対して白燐の使用に異議を呈する人から数多くあがっている。

以下にこれに対する見解のまとめをあげるとともに、これ以上に的確に白燐の非人道性や違法性を指摘するサイトを紹介しておきます。




白燐弾は通常兵器か?



白燐弾をめぐるその後の論争(イラク情勢watch)

燐兵器について(チェルシー・ブラウン&益岡賢)

焼夷兵器-焼夷弾は化学兵器か通常兵器か(模型ダイアリー)

白燐弾報道とは(模型ダイアリー)


さらに、以下のブログはいち早く日本で白燐兵器の使用について指摘し、その後も有効な情報をあげてきています。

白燐(WP)の使用  (Falluja, April 2004 )



また一部の偏向した白燐弾解釈については、下記のような指摘があります。
フリー百科事典ウィキペディア「白燐弾」の項の偏向した記述











本サイトでは、できる限り残虐な画像を掲載しないようにしてきました。
RAIの動画含め、多くの海外のwebサイトは、これらの実態について報道しております。
もし、本当にその状態を正視することができる人であれば、googleの画像検索などで"white phosphorous"でお確かめください。




「雨を見たかい?」
"Have you ever seen the rain"
-Creedence Clearwater Revival-

誰かが昔言っていた、嵐の前に静けさがあるって
僕は知っている、それがいつの日にかやってくるということを
静けさの後に、みんな言うだろう、晴れた日に雨が降る
僕は知っている、水のように光り輝いてふりそぞくことを

僕は知りたいんだ、その雨を見たことがあるかい?
僕は知りたいんだ、その雨が晴れた日に降り注ぐのを見たことがあるかい?

昨日、そしておととい、太陽は冷たく、雨は激しかった
人生なんていつもそんなもので
永遠にゆっくりとそして早くめぐっていく
僕は知っている、それは止めることはできない、なぜだろう?


◇サウンドライブラリー
「晴れた日に降る雨を見たかい・・・」この曲は、ナパーム弾をとりあげた歌として、米国で放送禁止にもなっています。

 

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※ただし、 引用元に対するものはこれに該当いたしません。

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