広島のマツダ本社工場に乗用車が突入し12人が死傷した事件で、広島県警捜査本部は12日、亡くなった浜田博志さん(39)に対する殺人容疑で、広島市安佐南区上安2、元同社期間社員、引寺(ひきじ)利明容疑者(42)を再逮捕した。捜査関係者によると、乗用車からは被害者のものとみられる毛髪や血痕を多数検出。DNA鑑定の結果、浜田さんが破損の激しいフロントガラス付近に強くたたきつけられたことが確認できたという。
逮捕容疑は、6月22日午前7時40分ごろ、同市南区のマツダ本社工場敷地内で、歩道帯を歩いていた同社社員の浜田さんを背後から乗用車ではね飛ばし、延髄断裂で死亡させた、としている。
引寺容疑者は容疑を認め、「大変申し訳ないことをした」などと被害者に謝罪の言葉を述べているという。広島地検は今後、精神鑑定のため引寺容疑者の鑑定留置を広島地裁に請求する。
また、広島地検は12日、最初の逮捕容疑となった負傷者2人への殺人未遂容疑などを処分保留とした。他の負傷者9人への殺人未遂容疑については追送検する。【中里顕】
毎日新聞 2010年7月12日 20時17分