~~~時の庭園~~~
「どうして、こうなってしまったのかしら?」
「いったいリニスはどういう風に育てたのかしら?
せっかくアリシアの記憶をあげたのに似ているのは見ためだけ。フェイトは私を慰みに使う人形のはずなのに・・」
一人、緑の髪をした紫がイメージカラーのの魔女、プレシア・テスタロッサは一人呟いた。
「アルフー!!この庭園にもお花が咲いたよ。ほら、そこ!きれいなタンポポ」
「いやーほんとだねぇ。フェイトの思いがお花にも伝わったんだよ。」
えへへ~とフェイトは笑顔でアルフに抱きつく
『庭園をお花で満開にしたら、きっと母さんが笑ってくれる』
これは一か月前にフェイトのいった言葉だ。
一輪の花を咲かせるのに一か月もかかってしまった。
フェイトは必死になって、栄養価の高い土や、天然水を取りに行った。
そしてようやく咲いた一輪の花。ここから色々な生命が生まれていくことだろう
そんな二人に突然声がかかる。
「フェイトはいるかしら?」
紫の魔女プレシアが中庭にやってきた。
「母さん!このお花、初めて庭園で咲いたお花なんだ。これ母さんのために育てたからもらってくれませんか??」
フェイトは興奮しながらプレシアにいう。
「くだらないわね」
プレシアはタンポポを踏みつけながら一蹴する。
「あなたには、やることができたのよ、フェイト」
「なんですか?私なんでも咲かしますから」
と、パァッと笑顔を咲かせる。
「今から海鳴というところにいって、ジュエルシードを集めてもらうわ。ジュエルシードの資料はこのレポートに全部書いてあるから
すべて読んだらすぐに海鳴に向かいなさい。」
「わかりました。今すぐ向かいます!!ほら、アルフ行くよ。転送!!あ、場所わからない」
フェイトは全力でレポートに目を通し、高速で読み終えて、転送していった。
「まったく・・・あの子はわかってないわね。わたしは菜の花畑が好きなのよ。」
魔女は誰もいなくなった庭園には独り言をいいながら、しおれたタンポポに水をあげるのであった。
~~~海鳴~~~
「着いたよ、アルフ。ここはきれいな世界だね」
「そうだねぇ。庭園とは大違いだねぇ。」
極めてのんきに会話をしながら、フェイトとアルフはジュエルシードを探すのであった。
そんな感じで1時間が過ぎた。
「これが海なんだ。青くてきれいだ。空の色が反射しているのかな?」
「・・・フェイト?歩いているだけではジュエルシードは見つからないよぉー。」
「歩いている時しか見つからないものだってたくさんあるんだよ。走ってばっかりじゃ、疲れるし、
それに、潮風が本当に気持ちいい。ほら・・・・アルフあれ見て!!」
「タンポポだー。確かに走ってたら見つけられないよ~ってちがうよ。」
「ほら!そっちにはジュエルシード!!」
「嘘!?」
「アルフは私のこと疑うんだ。わたし、アルフのことは信じてるつもりなんだけどな・・」
フェイトのは肩を落としながら、バルディッシュをシーリングモードにする。
「封印っと。ほらね、アルフいったでしょ。歩いていなくちゃ、見つけられないものもあるって」
「・・・・ごめん、フェイト。私が間違ってたよ。」
こうして、早々に一つ目のジュエルシードを確保したフェイト達だった。
~~~翌朝~~~
「ケーキっていうのを食べてみたい。」
朝食にワッフルをかじりながら、さらに食べ物の話をするのはフェイトである。
「あたしは食べられないけど、フェイトがどうしてもっていうなら行ってもいいけどさ~」
「ありがとう。アルフ」
パァッとフェイトは笑顔でアルフをなでる。
だからフェイトそれは反則だって
今日はジュエルシードを探しながらケーキ屋を探すことになりました。
~~~お外~~~
「今日もお日様がやさしいね」
「優しいかどうかはわからないけど、確かにいい天気だねぇ。」
昨日同様、フェイトはご機嫌である。
「そういえば、庭園のお花、ほったらかしで来ちゃったけど、ファワー(タンポポの名前)大丈夫かな?」
「どうだろうねぇ?それよりもプレシア!踏みつけるなんてありえないって!!」
「だめだよ、母さんの悪口いったら。それにきっと母さんはお花が少なかったから優しい気持ちになれなかったんだよ。
今度は、もっといっぱい咲かせようね。だから、また手伝ってね!」
「フェイトぉ・・・」
アルフはフェイトの優しさに包まれる
てくてくと二人は歩いていく。
きれいなお花はいっぱい見つかったけど、ジュエルシードは全然見つからない。
でも、ケーキ屋っぽいものは見つかった。
~~~お店~~~
「・・・・漢字が難しくて読めないけど、多分このお店は知る人ぞしる名店だ」
フェイトの直観は99パーセントくらいで当たる
「こんにちわー」
元気よく、フェイトはドアを開く
「「いらっしゃいませー」」
お店の中には若く見えるが、どこか母性を感じる女性と、男の中の漢って感じの店長らしき人が出迎えてくれた。
「ケーキってありますか?」
「あらあら、かわいいお客さんね。どんなケーキが好きなのかな?」
「私、ケーキ食べたことないから・・わからない」
「じゃあ、今日一番よくできたこのモンブランはいかがかしら?」
「それでお願いします!あと、ホットミルク二つください」
「はい。かしこまりました」
モグモグ・・・「おいしい」
「そぉかい。なぜか、このホットミルクもいつものよりうまいし、このお店は不思議だねぇ」
モグモグ・・・
モグモグ・・・
「すみません!このお店はなんて読むんですか?」
唐突に店主っぽい漢の人に話しかける。
「あぁ、きっさ『みどりや』だよ」
「ありがとうございます。みどりやさん。また来ますね」
「・・?まぁいいか。またいつでもいらっしゃい」
ごちそうさまでした~!おいしかったですーー
ブンブンと手を振りながら、フェイトとアルフは翠屋をあとにしました。
~~~お外~~~
「風って不思議だよね。時にはひどい雨も降らすけど、こうゆったりと吹くと気持ちが安らぐ」
あたしは、フェイトのその顔が一番安らぐんだけど・・アルフはそんなことを考えながら、フェイトにそろそろ、
広域探査してもいいんじゃないか?と提案したところ、
「そうだねー。おいしいケーキ屋さんをもっと見つけるのもありだね。バルディッシュ!Set up!!」
≪Get Set(準備できています、お嬢様)≫
「広域探索・・ルンララ~っと。」
広域探索魔法『ルンララ~(仮)』によると、ジュエルシードは森の方に、ケーキ屋は町のほうにあるらしい。
「行くよ!バルディッシュ!!ソニックムーブ!!」
「なんで?」魔力の無駄遣いすぎる
メリハリのしっかりしすぎているフェイトに完全に追いていかれるアルフであった。
~~~森~~~
フェイトは、電信柱の上に止まり、なんかでっかい生き物がいることに気付いた。
「猫だ!しかも、めちゃくちゃ大型。・・・・かわいい。バルディッシュ。行くよ」
≪Yes Sir≫
Side ユーノ&なのは
「あ、、あれは?」
「あの猫の大きくなりたいって夢が正しくかなえられたのかと。」
「ははは・・」
「でもあのサイズだともとに戻さないとだね!!」
「レイジングハートセットアップ!!」
≪Set Up≫
なのははバリアジャケットに着替え、猫を見る。
すると、猫の背中に金色のうごめく物体が見えた。
金色の少女は猫の背中に抱きつきながら相棒と思われるデバイス?に話しかけていた
「ねぇ、バルディッシュ」
≪Sir?≫
「大きい猫ってバルディッシュはなんていうの」
≪Big Cat≫
「びっぐ、きゃっと・・か。ちょっと長いね。ビット・・この響きはかわいらしい。よし、この子の名前はこれから『ビット』だから」
≪Yes Sir≫
と、なにやら楽しそうでユーノとなのはに気付く様子もない。
「なのは?あの子知り合いだったりしない。」
「残念ながら。知らない子なの。」
あははと二人は顔を合わせ笑い合う。
「でもなのは、ジュエルシードを封印しなくちゃ」
「そうだね。でもまずはあの子を引き離さないと。」
「それは僕がやる、なのはは封印に集中して!」
「わかった。ユーノ君いちおう気をつけてね、ってえ!?」
なのはとユーノが話している間にすでに猫は小さくなっていて、金色の少女の手の中にすっぽりと収まっていた。
ジュエルシードも当然封印されていた。
「よしよし、ビットは小さくてもかわいいから、お前はお前のままでいいんだよ。」
「みゃあ!」
「いい子」
なでなで。執拗になでなでしているが、ビットとよばれる猫も一切嫌がっている様子はない。
「なのは、どうしようか?」
「たしかにジュエルシードは集めなくちゃいけないけど、今、あの子からあのジュエルシードを横取りするのは無理かな・・なんて」
会話しているうちに少女は消えてしまって、気がつけば目の前には猫が一匹いるだけだった。
Side Out
~~~フェイト帰り道~~~
(アルフ迷子になったの?)すぐ近くにいるのに念話で呼び掛ける
(だって、フェイトが置いていっちゃうんだもん)アルフはすねている
そっか、ごめんね。とアルフの上にフェイトは手を載せる。
すると、アルフは気づいた。
「フェイト!!なんでフェイトからほかの子(獣)の匂いがするのだぃ?」
「友達になったんだ。ビットっていうんだよ。象より大きかった猫だよ。」
「??」たまに、フェイトはわけのわからないことをいうなぁと思うアルフだった。
~~~少し日がたった連休~~~
基本的にここ最近はフェイトは同じような日常だった。
起きる→顔を洗う→観葉植物にお水をあげる→柱頭を染める朝日にウインクする→朝食にメープルシロップをかけたワッフルを食べて
翠屋でケーキを食べてから探索魔法なしでまったり探索だった。成果はゼロ。でも、きれいなお花はいっぱい見つけた。最近結構種も集まってきて、
庭園お花計画にも現実味が出てきた。
そんな毎日を過ごし、翠屋の常連になりつつあるフェイトは「みどりやさん(士郎さん)」に話を聞いた。
みどりやさんはこの連休に温泉に行くといっていた。
みどりやさんが行くところなので、きっと素晴らしい所なんだろうということで、フェイトはアルフとともに、温泉に行くこととなった。
行く道でフェイトは思った。
【温泉ってなんだろう??】
そんなこんなで温泉行きのバスに乗り込むフェイトだった。
~~~温泉~~~
「飛んでいった方が早かったねぇ。」
「木もいいな。でも、針葉樹よりも広葉樹のほうが季節感も・・いいね。」
フェイトの庭園花屋敷計画を着々と組みあがっている。
「ところでアルフ?温泉って何?」
「まさか・・・知らないで来たのかぃ?」
「そうだよ」
「お風呂だよ。美肌、健康にもいいんだってさ」
「楽しみだねっ!!」
「たのもー!!」
フェイトとアルフは温泉に殴りこむ。
あっという間に全裸になったフェイトはソニックムーブで温泉に入る。
「あつぃ!!駄目!とける!!」
フェイトはソニックムーブで帰ってきた
「アルフ・・・温泉って手ごわいね。でも、平気、わたし強いから。」
再びソニックムーブで温泉へと舞い戻った。
「ふひゃああああ!!!」
お湯の熱さに悲鳴を上げるフェイトだった。
こんな感じでフェイトは温泉を満喫しました。
~~~お宿~~~
着替えなど持ってきていないフェイトは備え付けの寝巻(着物みたいなの)を着て、縁側で涼んでいた。
すると、正面に『みどりやさん』がいました。
フェイトは、あいさつにいくことにしました。
「みどりやさん。ごきげんよう」
「おや、フェイトちゃんじゃないか?こんにちわ」
「今日、みどりやさんが温泉にいくって行ってたので、私も気になったので来てみました。
でも、温泉っていうのは、手ごわいですね?」
「・・?手ごわい??まぁいいや。フェイトちゃん。実は今家族と友人の家族でここに来ていてね、以前話をしていた
フェイトちゃんと同い年の娘がいるんだが、一度あってみないか?」
「あたらしい『みどりやさん』ですか?楽しみです。」
とフェイトはワクワクしている。
「おーい、なのは、なのは、以前話していたよく、喫茶店に来てくれる女の子がいるからーー」
という声が聞こえ、ちょこちょこと女の子が3人フェイトの目の前にやってきた。
なぜか、そのうちの一人、栗色の少女はフェイトを見るや否や、挙動がおかしくなっている。
~念話タイム
(ユーノ君)
(間違いない。猫の子だ)
(どうしよう??)
(うーーーん)~
「なのは?なにしてるのよ。挨拶しなさい」リーダー格っぽい女の子がいう。
栗色の髪の少女が自己紹介する。
「わわわ・・わたし、高町なのは。私立せーしょー大ふぞく小学校に通う高町なのは小学三年生」
つづいて、きつめの感じのブロンド色?の髪の少女があいさつする
「アリサ・バニングスよ。よろしくね」
最後に地味にかわいい少女があいさつをする。
「月村すずか えっと、すずかでいいよ。」
三人の自己紹介が終わり、フェイトも自己紹介する。
「わたし、フェイト、フェイト・テスタロッサ!!
よろしくね、なのは、アリバニ、すずか!!で、だれがみどりやさん??」
「「「・・」」」三人のうち、二人は笑いを、一人は怒りをこらえる。
「多分、なのはちゃんじゃないかな?」とすずかがファインプレーで切り返す。
「そっか。よろしくね。みどりやさん!!」
三人はなんだかもうよくわからない。というより、作者もわからない。
「アリバニ!!」
「なに?それと、わたしはアリサよ。なんで、他の二人は名前で呼ぶのに私だけ、変な名前で呼ぶのよ!」
「アリバニ、温泉の近くって地面もあったかいんだね。」
フェイトは地面に手をあて、自然を感じている。
庭園にも温泉があれば、母さんもやさしい気持ちにされるかもしれない・・とかフェイトは考える。
また、アリサは、性格的にもうフェイトには勝てないことを悟った。
~~そのころのアルフさん~~
『極楽だねぇ』
一人、まだ温泉にいた。
~~フェイト視点~~
私は新みどりやさん(なのは)に呼び出された。
新みどりやさん。ながいね、しん、み、どり や よし、決めた
「どうしたのシンドリー??」
「えっと……わたしのことだよね。」
(多分)なんか念話が聞こえる。
「えっとね、フェイトちゃん、フェイトちゃんはどうしてジュエルシードを集めてるの?」
単刀直入にシンドリーに聞かれた。
「きれいなお花を咲かせたいんだ。たった一輪の花なんだけど、全然咲いてくれなくて。
でもね、ジュエルシードを集めたら、そのお花は咲くらしいんだ。」
~~戻ります~~
(ユーノ君?わかった?)
(ごめん、さっぱりわからない。)
(よねーー)
「フェイトちゃん、ジュエルシードはユーノ君の落としたもので、もともとはユーノ君のものだから、帰してくれたらうれしいの」
(なのは、それはちょっと強引じゃないか?)
「ごめん、シンドリー。それはできない。だって、母さんはジュエルシードを楽しみにしているんだから。」
(お花?母さん?わかったぞ、なのは!!ユーノはひらめいた。)
(フェイトは、お母さんのためにジュエルシードを集めて、お母さんの笑顔を咲かせたいんだ。)
(ユーノ君この話きかなければよかったね)
(・・・・・ごめん)
(ユーノ君が謝ることはないよ。)
(でも、どうしよう??)
~~~夜~~~
ジュエルシードが発動する。
なのはとユーノは現地へ向かう。しかし、一足遅かったようでフェイトはすでに封印を完了し、よもぎを集めていた。
「フェイトちゃん!ジュエルシードは危ないものだから、私たちに渡して!」
「それはさっきお断りしたはずだよ」とフェイトは食べられるキノコを集める。
「話し合ってもわからないようだから、悪魔らしいやり方で聞いてもらうから。
レイジングハート セーットアップ!!」
≪Set Up≫
フェイトは両手に山菜など採ったものを持って、バルディッシュを口ではさむ。
「ふぉにっふ・ふーふ」
≪Sonic Move≫
<フェイトは逃げ出した>。
「ま、まって!!」
「だめだ、なのは、フェイトは僕たちの中でも最速だ。追いつけないよ。」
「広域探索魔法で洗い出す。」
「なのは落ち着いて!!」
「レイジングハート」
≪All Right≫
なんと、フェイトは3M先にいた。しかし、なぜか、とても慎重に動いている
突然フェイトがすばやく動いた。
フェイトの手には見慣れないものがあった。
そう、蜂の巣だ。
「ふぉにっふ・ふーふ」
≪Sonic Move≫
<再びフェイトは逃げ出した。>
なのはとユーノは蜂に見つかった。
<なのはたちは逃げ出した。だが回り込まれてしまった>
ユーノが結界をはってやりすごす。
こんな感じでなのは達と、フェイトのいたちごっこは朝まで続いた。
~~~翌朝~~~
フェイトは朝食にワッフル(持参)にはちみつ(採れたて)をかけて食べていた。
「はちさん、ありがとう」どんなときにでも、自然への感謝は忘れてはいけないというのが
リニスの教えの一つだった。
これを機に、朝食にはちみつワッフルもレギュラー入りすることになった。
「フェイトちゃん!」
「あ、シンドリー。どうしたの?ワッフル食べる?」
「ありがとう・・おいしぃ。。。ってちがうよ!ジュエルシード!!」
「ちゃんと封印したよ」
「ふぅ・・・なら安心したの・・・ってちがうよ!」
「これ、新作のはちみつ味。太陽の味がするよ。」
「本当だ!!ってコノはちみつワ!?」
「昨日シンドリー。と別れてからとったんだ。」
「もう・・・いやーーー!!!」
≪Put Out≫レイジングハートからジュエルシードがひとつポンっと出る。
≪Capture Mode≫バルディッシュはそれを収集する。
「なんでレイジングハート??」
≪You lose≫
「負けてないもん。まだ戦ってないもん。」
「きっと、主人思いのいい子なんだ。」
「わけわかんないのーーー!!!でも、今度はしっかり勝負して貰うから。」
「いいよ。でも場所とルールは私が決める。それでいい?」
「わかった。どんな勝負でも絶対まけないからね」
~~~森~~~
勝負をするために移動し、フェイトは説明を始める。
「決闘は1対2、私は、ルールまで決めたから一人。制限時間は10分。10分でより多くポイントを取れたほうが勝ち。負けた方が勝った方にジュエルシードを一個渡す。いいね?」
「なんか、釈然としないけど、いいよ。わたしはユーノ君と出る。ユーノ君サポートよろしくね。」
ということで、アルフが審判をつとめ勝負は始まった。
ユーノは探索魔法を展開し、なのはに的確に指示を出す。スクライアの一族に探し物においてはトップクラスである。
一方フェイトはというと、串のようなものを一心不乱に地面に投げ、撃ちつけていた。
「5分経過」アルフは告げる。
ユーノとなのはは、場所を移動し、先ほどと同じく的確な指示の元なのはが目的を探しだした。
一方フェイトは飽きたのか、きれいなちょうちょを追いかけていた。
「終了ーー!!」アルフが号令をかける
「すごいよ!ユーノ君。これは絶対わたしたちの勝ちだよ!!」
なのははすごくよろこんでいるが、それも2秒ももたなかった。
「うんにゃぁ、余裕でフェイトの勝ちだね。さて、なのはとやら、ジュエルシードを渡しな」
「嘘!!しっかり確認してみて!こんなに集めたのに私たちが負けるはずないよ!!」
なのはは何か吠えているが、アルフは冷静に言い返した。
「その言葉、そっくりそのまま返すよん。」
「本当だ。この針の真下、全部四つ葉のクローバーだ。フェイトは飽きたから遊んでたんじゃなくて、やることがなくなったから遊んでたんだ!」
ユーノの声に従い、なのははフェイトのほうをみると、そこは針山と化していた。
しかも、その一つ一つのしたには四つ葉のクローバーがあり、優になのは達を上回っていた。
「フェイト、どんな探索魔法使ったの?」とユーノが聞く。
「使ってないよ。普通に探したら、四つばのクローバーは見つかるよ」
フェイトはごく当たり前のように答える
「「「????」」」
これにはさすがに、なのは、ユーノ、アルフの三人とも首をかしげるのであった。
≪Put Out≫
≪Capture Mode≫バルディッシュは収集する。
だれも何も言っていないのにレイジングハートは勝手にジュエルシードを一個出す。
実にレイハさんは硬派である。
こうして、おにごっこ、と四つばのクローバー探しによって、
ジュエルシードは。なのは4。フェイト5となりました。
~~~それから数日後~~~
顔を洗い、観葉植物にお水をあげる。
上る朝日を5秒みつめ、朝食にはちみつをかけたワッフルを食べる。
いったて普通のフェイトの日常である。
いつもと違うとすれば、このあとフェイトは翠屋に行かなかった。
家の中で、バルディッシュの手入れをしている。
今日は何か大きなことを起こすのだろうと、アルフは一人考えていた。
~~~夜中~~~
フェイトは町中に行き、ジュエルシードの強制発動をかけることにした。
「フェイト!?突然やる気になってどうしたんだぃ?」
「もう、普通にやっていたら、ジュエルシードは出てこない…そんな気がするんだ。早く終わらせて、お花畑作らないと、母さんを笑顔にできないから・・」
フェイトはめずらしく大まじめに言う。
「行くよ」
この強制発動に、近くにいたユーノがいち早く気づき、全域に結界を張った。
「あそこだ。いくよアルフ。」
近づいていくと、そこには白色の服をきた少女がいた。
「待っていたよ!フェイトちゃん。さぁ、今度は、どんな形で決着をつけようか?」
なのはが、ジュエルシードの目の前で待ち受ける。
勝負したくてうずうずしているようだ。よっぽど前回の敗北がゆるせなかったのだろう。
しかし、フェイトは考えることがなのはろはちがったようだ。
「先に取られちゃった、どうしよう?」
「決まってるじゃないか!この子から奪うんだよ!!」
アルフがなのはに飛びかかる。
なのはが、それをガードで防いだところで、天から雷が落ちる。
「アルフ!人のものはとったらだめなんだよ、覚えておいて」
フェイトは本気で怒った。
「だから、今日は引くよ。またね。シンドリー!」
フェイトは転送呪文で帰って行った。
なのは「フェイトちゃん・・・よくわからないの。。」
誰もいなくなった町でつぶやくなのはだった
ジュエルシードは。なのは5。フェイト5となりました。
~~~翌日~~~
ジュエルシードの保管が不安になってきたフェイトは
一度、プレシアに預けることにした。
「じゃあ、わたし、庭園行ってくるから、アルフは、この家でお留守番しててね」
「けど、それじゃぁ、フェイトが不安だよぉ」心配ではなく不安らしい。
「大丈夫、母さんああ見えても、本当は優しいから。わたし、わかるんだ。」
フェイトは、いままで育てていた、植物から出来るだけたくさんのお花をとり、花束にし、、
いつものワッフルなど、かばんを持って、転送魔法を唱えた。
「じゃあ、行ってきます。ご飯しっかり食べるんだよ!」
~~~時の庭園~~~
「やっぱり、ここの雰囲気は暗い。お花を植えるべきだ。」
着くや否や、フェイトはかばんから種をとりだした。
それを入口付近にたくさんまいていく。
「ここの土はあんまり栄養なくて大変だけど頑張るんだよ。ビスケ!」
花に名前を付けたらしく、ビスケというらしい。
「母さんは、いつものところかな」
フェイトは前植えたタンポポのことも気になったが、早めにプレシアのところへ行くことにした。
「母さん、フェイトです。入ります」
「待っていたわ、フェイト。」
扉を閉めていたフェイトは手足をバインドで縛られる。
「っつ!!」
「あなたが悪いのよ。フェイト。」
「ごめんなさい。母さんがお気に入りだった服を雑巾にしたことですね」
「ちがうわ。」
「この前母さんに作ったスクランブルエッグの卵、消費期限が1カ月まえのだったことですか?」
「それもちがうわ」
「リニスに毎朝ご飯を食べろっていわれていたのに、ワッフルを食べていることですか?」
「もういいわ、フェイト!あなたは本当に馬鹿で使えない。」
「ごめんなさい。でも、わたしのかばんの中見てもらってもいいですか?」
プレシアはフェイトからかばんを乱暴に受け取る。
「たったの5つ。あなたがプレシアテスタロッサの娘ならば、全部集めてから私に意見しなさい!」
プレシアはフェイトは鞭で叩く。
「ごめんなさ、ぅ・・」
謝りながら、鞭で叩かれるフェイト。
しかし、一発で終わった。
「もういいわ。下がりなさい。そして、早くジュエルシードを集めてきなさい」
「わかりました。でも、次はしっかりやってみせますから。」
こんな状況でも、笑顔を満開にして帰っていくフェイトだった。
フェイトが去った直後
「くだらない・・・わ・・。」
かばんの中にあった、包装された花束を投げ捨てる、紫色の魔女であった。。
~~~ところ戻って海鳴~~~
「ただいまー。アルフかえったよー」
「フェイト、なにもされなかったかぃ?」
「ちょっと鞭で叩かれたけど、バリアジャケット着てたし、痛くなかったよ。」
「あの女次会ったら、ぶんなぐってやるよ!」
「ぶんなぐっちゃ、駄目。話したらわかってくれるよ。」
などとだいたいいつも通りの、会話をしていたとき、ジュエルシードが発動した、
「海の方だ。先に行く。全部とるって母さんと約束したから。」
≪Sonic Move≫
バルディッシュが一言発すると、フェイトはもう見えなくなってしまった。
~~~海沿い~~~
フェイトが到着すると同時になのはも到着した。
「ごめん。今日からはなにがなんでもジュエルシードを全部集めなくちゃいけないんだ。」
「それはこっちも同じなの。勝負に勝った方がジュエルシードを取る。それでいいよね?」
「うん。そうだね」
フェイトはなのはに切りかかろうと、全速力で突進する。
そこに黒髪の少年が割り込む
「そこまdぶぎゅす!!」
フェイトとなのはの間に少年が入り込んできたが、フェイトは突進していたので、止まり切れず、少年も止め切れず、フェイトは少年に突撃した。
それだけでは、止まらず、フェイトと少年はなのはにも突撃し、3人は地面に落ちた。
今、なのはが一番下であおむけに、少年が真ん中に挟まれ、フェイトが少年の上に馬乗りになっている。
*イメージ
フ
ェ
ィ
ト
少年クロノ
なのは
=============地面
なのはは、2人に乗られ動けないし、少年クロノは女の子に挟まれ、口をパクパクしている。
こんな状況であるが、
「あ、!!」
とフェイトは地面にアリの行列を発見したらしく、もっと近づいてみようとする。
フェイトが地面に近づこうとモゾモゾと動き、顔が、クロノと接近する。
フェイトのバリアジャケットの生地は薄く、体温が直に伝わる。
クロノ少年は気を失った。
気を失った人間の体重というのはめちゃくちゃ重い。
なのはは、うごけないまま何やら叫んでいたが、フェイトには聞こえないらしく、そのまま5分が過ぎた。
「あんまし、何も変化しない。合体でもするかと思ったのに」
フェイトはアリがいっぱいいるので、劇的なことが起きると思っていたらしく、残念そうだ。
フェイトはようやく、2人の上から下り、ジュエルシードのほうに一直線で向かった。
途中よく見覚えのある犬と、見たことあるようなフェレットが対戦していたような気もするが、フェイトはあんまり興味がなかったのでスルーした。
「ジュエルシード、封印」
少し遅れてなのはが来る。
「ったくもう!!苦しかったんだから!!。フェイトちゃんは何してたの?」
「合体すると思ってたんだ。」
【合体!?わたしとあの男の子が・・?やっぱりフェイトちゃんはよく意味がわかんないよ!!】心の中でなのはがさけぶ。
変な言葉に聞こえないこともないが、なのはもまだ、その辺は子供だったらしく、誤解せずに済んだ。
「時空管理局 クロノ・ハラノウンだ。これ以上、ここでの戦闘行為はきけんすぎr・・・ってあれ?」
いつの間にか金髪の少女が視界から消えている。
「またなの。フェイトちゃんは一瞬目を離したらいなくなっちゃうの。。」
「なんで?いつ?僕が目の前にいたのにあの子はなにか幻影とか特別な魔法でも使えるのか?」
「わかんないけど、多分、違うと思う。」
「まぁ、とりあえず、君と、そこのフェレットにはアースラに来てもらおうか。」
「あ、はい、わかりました。」と3人はアースラに向かった。
~~~フェイトの家~~~
「やったねぇーーフェイト。これでジュエルシード6つじゃないか?」
アルフは舞い上がっているが、その主は若干落ち込んでいる。
「絶対、合体すると思ってたのに・・・・・・・。」
「合体?何のことだかわからないけど、フェイト元気だしなよ」
「そうだね、世の中には不思議がいっぱいだから、また面白いこともあるかな」
普段どおり、フェイトとアルフの時間は流れるのであった。
~~~数日後~~~
ここ最近数日間ジュエルシードを探したが、見つからなかったので、海にあるんじゃないだろうかと
思い、海を探すことにした。
この前町で強制発動させた時は、なのはにとられてしまったので、強制発動はさせずに、自力で探すことにした。
というわけで、今のフェイトはダイバースーツに身を包んで足にはひれのようなものが付いている。
ちなみにダイバースーツはバリアジャケットの応用らしい。
そうして、フェイトは意気揚々と海に飛び込んだ。
しかし、5秒でおぼれた。
アルフは助けたいが、水は苦手なので、ご主人様の危機とはいえ飛びこむのに躊躇している。
~~~フェイト視点~~~
苦しい。海って行き出来ないんだ。そうか、水の中では息できないのと一緒なんだね。
どうしよう。息できなきゃしんじゃうかもしれない。って、そうか。一回海の外に顔を出せばいいんだ。
そうとわかれば、って動きにくい。こんなに水の中って動くにくいんだ。知らなかった。
息したいな。そろそろやばい。
なんで、動きにくいんだろう?波?波だ。波がどっちに行けばさえわかれば・・・
心を研ぎすまそう。
右、右、左、斜め右、左、ストレート。ここだ!!
~~~視点アウト~~~
フェイトは海面に顔をだした。
「はぁはぁ、海は手ごわいね。」
「ごめん。フェイト、あたし、水はだめなんだ。」
「大丈夫、アルフ、もう慣れたから。」
フェイト、は波を完全に掴み、海底に向かってまっすぐ進む。
30年海女さんをやってる人くらいの速さでグングンと進み、
あっという間にフェイトは海底までいって思った。
「きれい。海の中ってこんな世界が広がっていたんだね。でも、海のお花は地味だね、基本的に緑色なんだ。」
地面に手をつけ、海底に魔力を注ぎ込み、ジュエルシードは発動させないように、魔力で探査する。
「6個かな??
とりあえず、ここのは封印しておこう。」
一つ目を封印し、息継ぎをしに一度、海面まで行く。
「どうだい?フェイト?」
「ふぅ・・ひとつ封印した。残りは5つ。」
「さっすがあたしのご主人様さ。」
アルフと少し会話し、また海底しにフェイトは向かった。
繰り返すこと3回。
残り海底にあるジュエルシードは2つになった。
フェイトは肉体的に相当疲れてきた。
でも、あと二つなので、もう今日中にやってしまうことにした。
「あった、あった、これを封印して、残りはラストひとつ。頑張ろう」
と、ラストスパートをかけようとしたが、そこに、アルフから通信が入った。
【管理局に気づかれた。相手は、昨日の黒いこと、白い子と、フェレットの3人。ちょっとこの相手はつらいかなぁ】
フェイトは全速力で海から出て、バリアジャケットを変形しながら空へ上がる
「アルフ、まだ引けない。あとひとつ封印できていない。」
「フェイト!だめなんだよぉー、相手は3人だし、フェイトは疲れてるし、いったんひいて、回復しよう。」
「すまないが、それは許さない。」
黒色の少年がアルフに向かって早い魔法弾を放つ。
アルフはシールドをはり、なんとかそれを防ぐが、そこに、緑色のバインドがかけられた。
「ごめんね。こんなやり方になっちゃったけど、一度フェイトちゃんとはお話をしなくちゃいけないよね。レイジングハート≪ディバインバスター≫行くよ。」
≪All Right≫
レイジングハートが答え、アルフに向かって、一直線に砲撃が放たれる。
そこにフェイトが割り込み、片手でシールドを張る。
フェイトの防御している右腕のバリアジャケットはぼろぼろにやぶけるが、なんとか防ぎ切り、左手で作っていた転送魔法で、アルフを庭園までぶっ飛ばす。
フェイトはいつものように逃げようとはせず、格上の魔導師を含む3人と向かいあう。
「今ならば、弁論の余地はある。いますぐに投降しろ。フェイト・テスタロッサ」
「そうだよ。フェイトちゃん。時空管理局の人は悪い人たちばっかりじゃないから今なら、まだ・・・なんとかなるよ」
「君にどんな理由があるのかは知らないけど、君が悪いひとにはみえない。だから、ちゃんと話をしよう」
目の前の3人は、フェイトに従うように言う。
「お断りします。わたしは、守らなくちゃいけないものがあるから。」
フェイトはバルディッシュに魔力を込めていく。
「そうか、なら仕方ない。手荒い方法になるが、ってヘブシっ!!」
クロノの話の途中にフェイトは切りかかる。
情けない声をあげながら、クロノが防ぎ、なのはが横から、魔法弾を撃つ。
フェイトは紙一重でそれをかわし、なのはに接近する。
しかし、そこにフェレットもどきが入り込み、シールドを張る。
体制を立て直したクロノの速い魔法弾がフェイトを襲う。
フェイトはよけきれず、足から血が出るが、それでもフェイトは次々と相手を変えては切りかかっていく。
攻め続けることによって、フェイトは決定打を浴びないようにしていたが、相手を変えて切りかかるごとに、傷が増えていく。
「このままじゃ駄目だ。一発では仕留められない。・・・強い技じゃないと」
フェイトは、ひたすら攻めて、かわしながら、大技を撃つ機会を待つ。
しかし、相手は三人。しかも格上の魔導師までいる。詠唱の時間なんて、与えてくれるはずもない。
ひたすら、その隙を待ち、フェイトは傷を増やしていく。
そのたびにフェイトは、あとひとつその海のジュエルシードを集めるだけ母さんは笑ってくれると自分を励ます。。
一向に相手には隙を見せない。
すでにフェイトのバリアジャケットはほとんど破けていて、破けていない部分は赤く血に染まっている。
全身に力がうまくはいらず、バルディッシュを持つ手が緩む。
「あっ!!」フェイトの手からバルディッシュが一瞬離れる。
執務官はそのすきを見逃さない。バルディッシュを空中に弾き、フェイトをデバイスで叩きつける。
「ぐっ!!」
フェイトは意識を失い、海に自由落下していった
一度手放した意識も、海に落ちたことで回復した。
「っつ、ってこの感触海・・バリアジャケットチェンジ!!」
ほとんど破けてしまっているバリアジャケットの形状をダイバースーツモードに変え、高速で泳ぎ、その勢いのまま空高くまで上昇する。
空高くに弾き飛ばされていたバルディッシュをキャッチし、フェイトは構える。
フェイトは言った。
「ここで、引くわけにもいかない。逃げればいいってわけじゃもっとない。
そうだよね?バルディッシュ。ずっと私のそばにいてくれたんだもんね。お前もこのまま終わるのなんていやだよね?」
≪Yes Sir≫
「広域魔法、サンダーレイジいける?」
≪Of Corse Sir≫
「いい子。」
≪Thunder Rage≫
バルディッシュが言う。
今、フェイトの足は完全に止まっている。
フェイトが復活したことに気付き、撃ってきたクロノの魔法弾にあたり、ユーノのバインド縛られるが、耐え、バルディッシュを振りおろすだけ。
「サンダーレイジー!!」
暗雲が立ち込め、無数の雷が落ちる。
しかし、その下から、極太の魔砲が襲来する。
「受けてみて、これが私の全力全開!スターライトブレイカー!!」
お願い。母さんの笑顔が見たいだけなんだ。絶対に負けられない!!
フェイトは思いを魔力に乗せる
しかし、それもむなしく、サンダーレイジは霧散し、完全に撃ち負ける。
フェイトの目の前には桜色の魔力の塊が迫っている
瞬間、なのはのスターライトブレイカーよりさらに極太の砲撃が空よりさらに上から訪れる。
スターライトブレイカーを一瞬で打ち負かし、なのは、ユーノ、クロノに直撃する。
「母さん!?」
いち早く気づいたフェイトが叫ぶ。
すると、転送してきたアルフがフェイトに抱きついた。
「フェイト!!こんなに傷だらけではやく治療しないと!」
しかし、フェイトはアルフに目もくれずに
ここにいるはずもないのに、今目の前にいる、紫の魔女、プレシアテスタロッサを見つめていた。
「フェイト。やっぱりあなたは使えないわ。サンダーレイジは本来これくらいの威力がないといけないのよ」
「えと、母さん。ごめんなさい」
「いえ、フェイト、謝るのは私の方だわ。引くわけにもいかない。逃げればいいってわけじゃもっとない。
いい言葉ね、フェイト。」
「??」
「わたしも逃げるのはもうやめにするわ。現実逃避にはもう疲れたもの。こんなくだらない世界でも救いというものはあるものよね?フェイト。」
といいながら、プレシアが笑った。
フェイトは笑うプレシアに抱きついた。
「あら、血まみれじゃないの。フェイト。それに泣くのはまだ早いわよ。」
プレシアはフェイトを引き離し、2人、時の庭園へと転送した。
~~~時の庭園~~~
「さぁ、ここだわ。」
プレシアが中庭への扉を開く。
そこは一面の菜の花畑が広がっていた。
「どう?きれいでしょう、フェイト。」
「・・・・・・・・・・」
フェイトは涙のあまり、声が出ない。
「せっかくだから、真ん中へ行きましょうか。」
泣いていて前の見えないフェイトは、何度も転びながらも、プレシアの後を追う。
中庭の真ん中には、石の建物が建った。
石にはアリシア・テスタロッサと名前が書いてある。
「フェイト。お前には姉がいたのよ。けれども、その姉は、5歳の時に事故で亡くなってしまったわ。
その子はとても、やさしく笑ってくれた。わたしは、その子が何よりも大切だったわ。だから、生き返らそうと考えたわ。
でもね、全然駄目だった。あの子は生き返らないし、方法もよくわからない。
だから、あなたと、ジュエルシードを利用してでも、あの子をよみがえらせたかったわ。
でも、フェイトはいい子に育つし、あなたがいなくなると思ったら、不思議と助けていたわ。
だから、もう終わりにするわ。
だって、私は、今も菜の花のほうが好きだけど、これからはタンポポも好きになれる気がするわ。」
と、プレシアが墓の手前を指さす。
指の先は、初めて庭園に咲いたタンポポがあった。
よく見れば、墓に供えられている花は、フェイトがプレシアに持っていたもので、供えられている食べ物は、いつものワッフルである。
フェイトは再び、プレシアに抱きつき、泣いた。
今度は、プレシアも笑顔で抱きしめ返した。
「母さん、ひとつわかったことがあるんだ」
「なにかしら?」
「母さんが笑うと、わたしもうれしいんだ。」
「それはわたしもよ。フェイト。あなたはずっと私をまっすぐ見てくれてたのに。」
「ううん。いい・・・。母さん。その・・・大好きですから」
「ええ。愛してるわ。フェイト」
血まみれの、まっすぐに立ち向かった娘と、
いびつに曲がりくねっていながらも、愛の形を思い出した母の二人は抱きしめ、笑い合うのだった。
アルフ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
なのは「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
クロノ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ユーノ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
リンディ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
アルフはプレシアの命令により、雷に打たれ、意識を失った。なのは、クロノ、ユーノを助けたあと、
艦の責任者であった、リンディを時の庭園に連れてきたが、5人は出れる雰囲気ではないため、非常に困っていた。
リンディ「あの人たちに害はないでしょうから、ここは一旦ひきあげましょうか??」
と、アルフは一応人質として、5人とも一時アースラに引き上げることとなった。
~~~その後~~~
翌日、プレシアテスタロッサと、フェイトテスタロッサは自首した。。
法にかかったのはロストロギアの不法所持ということだけで、事情が事情だから仕方がないだどということで、
その他もろもろはアースラ局員が全力でもみ消した。
プレシアは、魔法を使えないように制限され、監視を厳重につけられ、時の庭園に長期軟禁、
フェイトは、嘱託魔導師になることを条件として、特におとがめなしで終わった。
その後、フェイトは、執務官として、色々な意味で有名になる。
魔導師のくせに、魔法は移動にしか使わないとか。
事件解決後、いつの間にかいなくなるところから、クールビューティだとか。
エース・オブ・エースを口先一つで倒すとか。
ワッフルが主食であるとか。
人魚のように海を泳ぐとか。
そして、なにより、彼女のいったところにはお花畑があるらしい。
その中には、必ず一輪のタンポポが咲いているのだとか・・。
~魔法少女メルヘンフェイト 完~
~~~後書き~~~
ハートフルなストーリーを描きたかった。
それだけです。
続きません。
読んでくれたかた、ありがとうございました。
長いですが、あえて一話にまとめました。
ちなみに、もう一本の方は、まだ、続き一文字もできてないです。
今週から忙しくなるので、待っているひとがおられたら、申し訳ありません。遅くなります。
頑張って書きますのでよろしくお願いします。