【ソウル】韓国政府と国際通貨基金(IMF)は12日、世界経済におけるアジアの重要性をテーマにした会議を当地で共同開催する。
この会議は、12年前に金融支援を受けた韓国におけるIMFのイメージを回復するという目的もある。この金融支援は当時の韓国にとって必要で、その後の成功をもたらしたにもかかわらず、韓国民の多くからは批判的な評価を受けている。
1997~98年のアジア金融危機に際してIMFはアジア諸国に金融支援を行ったが、IMFは各国の慣習にほとんど注意を払わず財政規律を押しつけたとのイメージを植え付けてしまった。韓国民の間では、アジア金融危機は「IMF危機」と呼ばれている。韓国民は、対外債務のデフォルト(返済不履行)を回避するため600億ドルのIMF融資を受ける代わりに、IMFが同国経済に強いた変革に目を向けているのだ。
韓国では当時、多くの企業がリストラ、銀行からの借り入れ縮小、それに従業員の削減を余儀なくされた。当時は、政府当局者も、財政破綻(はたん)の瀬戸際に国家を追いやった自らの役割から国民の注意をそらすため、IMFバッシングに加担した。
しかし最近、韓国政府の当局者は同国内のIMFのイメージにより、金融問題への対処の柔軟性が損なわれていることを理解し始めた。2008年の金融危機では、国内でのIMFの悪評により、韓国政府はIMFが提供した融資の機会を見送るほかなかった。