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2010-04-19 07:24:31

公共投資とクラウディングアウト

テーマ:日本経済関連

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 先日来、人気ブログランキングのバナーを(↑)トップにも載せています。何卒クリックのほどよろしくお願い致します。
 特に、今日のような超長文エントリーの場合、やっぱり下のバナーは埋もれちゃいますね。長文エントリーも良し悪しでございます。(でも、みんな長いのが好きでしょう?) 


 大阪で絵葉書等プレゼントして頂いた方、癒しグッズプレゼントして頂いた方、名古屋でお酒プレゼントして頂いた豊田支部長、ありがとうございました!


 後援会のHPの「各種連絡先」が格好良くなっていますので、是非、ご覧ください。
http://mitsuhashi-takaaki.jp/wordpress/?page_id=893


 また、イベントをクリアされた熊本、大阪、秋葉原の支部長及びボランティアでお手伝い下さった皆様。感想や困ったこと、その解決策などを、後援会のフォーラムに、どんどん書き込んで下さいますようお願いいたします。多対多のコミュニケーションこそが、今回の政治活動の肝になると思います。(大阪などはすでに沢山書き込みがあるようですが)



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 先日の大阪における県連のパーティで、金 美齢様とご一緒にお写真を撮らせて頂きました。


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 また、一昨日の論語の会では、小泉進次郎先生とご一緒にお写真を撮らせて頂きました。


 今週からはイベントが盛りだくさんですよ~。皆さま、ご地元のイベントには是非、ご参加ください。


4月22日(木)は仙台に行きます。
 仙台市内にて13時~16時30分に街頭演説を行います。仙台駅前を含む4箇所で、街頭演説をする予定です。
 また、18時30分から仙台市シルバーセンターにて講演を行います。(無料です。ぜひ、お越し下さい)
http://mitsuhashi-takaaki.jp/wordpress/?p=815


4月25日(日)、26日(月)は熊本に行きます。(以下、※熊本支部長からのメッセージ込み
 ★11:30~15:30 コスプレイベント「コスプレシャス2010~赤と黒の饗宴」+廣宮氏
 熊本市下通りアーケード街 ファインビル5F プレシャス熊本
  http://www.fifteen.jp/club/?num=32
 参加費 1000円(2ドリンク)
※コスプレで3人が揃う、恐らく最初で最後のイベントだろうと思います。
 ★17:00~17:30 街頭演説 山鹿市 湯の端公園にて  
※足湯につかりながらゆったりと三橋さんの演説を聞いてみませんか。
 ★18:30~20:30 講演会+親睦会(3000円) 山鹿市 横手会館にて 
※三橋貴明の生まれ故郷で素の三橋さんを見てみませんか?
※山鹿在住の演歌歌手、川瀬桂さんに曲を披露していただきます。

 詳しくはこちら(↓)

http://mitsuhashi-takaaki.jp/wordpress/?m=20100425&cat=12


4月30日(金) 福岡に行きます。
http://mitsuhashi-takaaki.jp/wordpress/?m=20100430&cat=12
 13:00- 街頭演説会 天神警固公園(天神1丁目、西鉄駅及び三越西側、ソラリアホテル南側、警固神社に隣接)
 14:30- 街頭演説会 博多駅博多口側 西日本シティ銀行本店前歩道上(博多駅前2丁目、郵便局の向かい、キャナルシティへの通り道)


5月1日(土)、横浜でイベントがあります。
 11:00- 横浜駅近くの猫カフェ『ねこっ茶』にて座談会。猫カフェって、何? 何?
 13:30- JR 桜木町駅ロータリーにて街頭演説会
 15:00- かながわ県民センターホールにて講演会
 18:00- 居酒屋 『月あかり』(横浜西口)にて懇親会
 ※詳しくはこちら(↓)
http://mitsuhashi-takaaki.jp/wordpress/?m=20100501&cat=12



 本日のメインも、ある方から頂いた大変興味深い「公共投資(事業)とクラウディングアウト」に関するご投稿です。
 本文に入る前に、公共投資の「効果」について整理しておきましょう。公共投資には、主にストック面(国家のバランスシート面)と、フロー面(GDP面)の二つの効果があると考えられています。


◇ストック面の効果:建設された施設がもたらす「施設効果」。

 たとえば、水道や下水道などは建設されたことにより「水道施設」「下水道施設」としての施設効果が発生するわけです。水道施設にしても下水道施設にしても、今後の日本国民に「水道サービス」や「下水道サービス」を提供することで、インフラストラクチャ-としての役割を果たしていくことになります。

 ちなみに、いつもわたくしが出している「国家のバランスシート」は、金融資産のみなので、この種の「施設」としてのストックは含まれていません。(国富の方には含まれています)


◇フロー面の効果:公共投資による雇用量の増加等の「事業効果」。ずばり、GDPを拡大させる(要は経済成長させる)ための効果です。「真水の政府支出」あるいは「真水の事業効果」として、直接的にGDP拡大に貢献するのはもちろん、乗数効果によりGDPの他支出項目を成長させる効果もあるわけです。
 さらに、国内の生産力強化を目的とした公共投資の場合、長期的な成長力を維持するという役割も果たします。これも「将来のGDP拡大に貢献」ということで、フロー面の効果に含めていいでしょう。


 ちなみに、細かい話ですが、不動産購入を伴う公共投資の場合、不動産購入金額は政府から地主への「所得移転」となり、直接的なGDP拡大効果は発生しません。(地主が土地を売ったお金を消費なり投資に費やしてくれれば、GDPは拡大しますが)


 上記を頭に入れて頂いた上で、以下のご投稿をどうぞ。


----------公共投資が無駄となる場合は、何なのか?--------------

 公共事業には効果がないとは、「施設効果」「乗数効果」「真水の事業効果」のいずれかが発生しない状況である。
 公共事業批判においては、日本国内ではしばしば乗数効果の低下が指摘される。しかし、乗数効果は、事業効果の言わばプレミアムに過ぎず、施設効果や、真水の事業効果があるのであれば、公共事業には経済効果はあるとしなければならない。 そこで、以下では、乗数効果の議論は除外して検討を進める。
 公共投資批判の中で最も有力なのは、クラウディング・アウトである。クラウディング・アウトについては、以下の三ケースがある。


 (1)無駄な公共事業


 最も俗流のクラウディング・アウト説は、政府が意味のない施設を乱立させているというものであり、言わば「施設効果」に乏しい公共事業である。この場合、財源に限界がある中で、公的資金が施設効果のない公共事業に使われるため、本来、支出されるべき分野、例えば社会保障や科学技術などの有望分野にお金が回らないことが懸念される。
 本来支出すべき分野に予算が回らないという意味で、言わば予算のクラウディング・アウトが起きる。
 その原因は、政治の利益誘導と政府の予算配分能力の無能である。よって、この問題の解決策は、政府の予算配分能力の強化(政治の利益誘導の影響を遮断するほど自律性が高く、マクロ経済運営に精通した優秀な官僚組織の確立)である。


 ただし、この無駄な公共事業であっても、「真水の事業効果」は存在する。


 (2)直接的なクラウディング・アウト


  「施設効果」が高い事業であっても、民間で可能な事業を、政府が実施する場合は、クラウディング・アウトが発生する。
 官による民業圧迫と言われるものが、これに該当するわけだ。 (1)の無駄な公共事業は、民業圧迫にはならないという意味で、この直接的なクラウディング・アウトよりましと言ってもいいかもしれない。
  直接的なクラウディング・アウトを回避するには、民間投資と代替的ではない事業を対象にする必要がある。更に、建設された社会資本が産業活動の活性化につながるならば、公共投資は民間投資と補完的になり、クラウディング・アウトではなく、民間投資を誘発する「クラウディング・イン」が起きる。


 この点に関し、政府系ファンドが論点になるケースがある。
 政府系ファンドが利益を上げることは、ビジネスとしては成功である。しかし、利益の上がる事業を民間金融機関から奪っているという意味では、クラウディング・アウトが起きているので、マクロ経済的には失敗である。
 従って、政府系ファンドは、利益が上がりにくく、かつ公共的な施設効果の高い事業に対し出資をしなければならない。その結果、政府系ファンドはビジネスとしては成功し得ない(利益が殆どない)が、政府系ファンドのあり方としては、それが適正と言える。ただし、利益の上がらない政府系ファンドが、納税者から理解を得るのは難しい。
 すなわち、政府系ファンドは、民間投資を代替しない公益的な事業であって、かつリターンが確実に上がるものに投資先を限定する必要がある。そのような投資先とは何か。民間投資を代替しない公益的な事業の典型は、社会資本関連であり、リターンが確実に上がる国債である。よって、政府系ファンドは、社会資本整備をファイナンスする国債を購入するのが最も望ましいということになる。


 (3)間接的なクラウディング・アウト


 マクロ経済学において最も指摘されるクラウディング・アウトは、公共投資が利子率の上昇を引き起こし、資金調達が厳しくなり、民間投資が抑制される現象のことである。この利子率の上昇を通じた間接的なクラウディング・アウトは、「事業効果」の弊害として起きる。


 間接的なクラウディング・アウトは、「需要=供給」で完全雇用が達成されている場合や、「需要>供給」のインフレ時に起きる。「施設効果」がある意味のある公共事業であっても、好況時に公共投資を行えば、利子率の上昇を通じて、クラウディング・アウトが発生してしまう。
 逆に言えば、不況時、特にデフレの時には、この間接的なクラウディング・アウトは起きえない


 (4)無駄な公共事業の条件


 以上を勘案すると、公共投資が「まったくの」無駄となる最大の条件は、
 ① 需要不足が起きていない(完全雇用が達成されている、インフレである等)状況下で実施すること
 ② 民間投資を代替するような投資を実施すること
 となる。


 逆に、現在のように需要不足にある場合には、民間投資と代替的ではない公共投資であれば、仮に施設効果のない公共投資であっても、「真水の事業効果」がある。このため、(1)の無駄な公共投資であっても、公共投資を行わない場合よりもよいということになる。


 もちろん、無駄な公共投資よりも、民間投資と補完的かつ「施設効果」の高い公共事業の方が望ましいのは言うまでもない。』


-----------------------ここまで----------------------

 おお・・・。公共投資を十把一絡げ(じっぱひとからげ)に批判する人が多い中、何てまともな論説を・・・・。素晴らしいです。


 要するに、環境や公共投資の種類により、「良い公共投資」と「悪い公共投資」に分類されるというわけですね。
 例えば、先の「水道」を例にとりますが、わたくし達の飲み水を提供するという「水道施設」を建設する場合であっても、「需要=供給」もしくは「需要>供給」の環境下においては、政府の資金調達(国債発行)が金利上昇を招いてしまい、民間の資金調達を困難にしてしまうケースがありうるわけです。この場合、
民間の資金調達を困難にし、民間の経済活動を阻害してでも、政府は国債発行をし、水道を建設するべきだ
 という論旨は、正しいのでしょうか。それとも間違っているのでしょうか。


 発展途上国などでは、政府がインフラ整備を目的に資金調達をした結果、長期金利(国債金利)が上昇してしまい、民間の経済活動が阻害されるということは普通にあり得ます。とはいえ、国内のインフラを充実させ、将来的な成長力を高めることも、途上国にとっては極めて重要なことになります。


 その際に、国内に十分な金融資産が蓄積されていなければ、政府が外国からお金を借りるという選択肢も、普通にあるわけです。日本は途上国の国債をそれほど買っていないでしょうが、ODAという形で、諸外国にインフラ整備用の資金を「融資」することを続けてきました。結果、台湾や韓国、それに中国や東南アジアは経済成長を遂げることができたわけです。


 これらの国々は、「間接的なクラウディングアウト」により金利が上昇してしまったこと許容できるはずです。もしも一時的なクラウディングアウトを容認しなければ、将来的な発展の芽を潰す羽目になりかねないわけですね。
 さらに、現在の日本のような「デフレ下」にある国の場合、施設効果がない公共事業(穴掘って、埋めるとか)ですら、フロー効果を追求した場合は正当化される可能性があることになります。
 とはいえ、その種の政策はなかなか国民の支持を得ることは難しいでしょうから、ここはやはり、
ストック面における施設効果が高く、デフレからの脱却に貢献する(フロー面の効果が高い)公共投資、特に民間投資と補完的になりうる公共投資が有効である
 というのが正解なのではないでしょうか。


 それは一体、どのような投資だ? という問いに対する回答(というか、わたくしからの提案)が、講談社から出版予定の「国家のグランドデザイン(仮)」になるわけです。


「この種の投稿を読むと、マスコミの報道が恐ろしく低レベルに感じられるなあ・・・」と思われた方は、

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  • 1 ブログタイトル:ガラス瓶に手紙を入れて
  • 記事タイトル:しろうの 「一阿さんの『ふとした思い出』に応えて」 4
  • 記事概要:この研究を始めた時、文部省が9月15日に発表した『新日本建設の教育方針』にはハッキリと「(高校・大学予科生徒の)学力不足を補うための<特別教育>を施すこと」と書き、「軍関係学校出身者にも同じ特別教育を行い、その修了者を大学へ入学させる」と書いているのを発