2010年07月12日(月)
輿石氏、組織力でかわし3選果たす 党勢急落、守りに終始 宮川氏、猛追あと一歩
現新5氏が立候補した参院選山梨選挙区は、民主党の輿石東氏が自民党の宮川典子氏の猛追を振り切り、3選を果たした。ただ、終盤は守勢に立たされ続け、出身母体の山梨県教職員組合(山教組)を中心とする組織力でかろうじてかわした格好。「政治とカネ」の問題で国民の批判を受けた小沢一郎前幹事長らとともに党運営の中核を務め、「一体視」されたことや74歳という高齢がマイナスイメージとなった。政権交代の原動力となった無党派層の支持を固められず、苦戦を強いられた。民主党参院トップの輿石氏が、政治経験や地盤を持たない宮川氏に小差まで詰め寄られたことは、首相の消費税発言への反発や有権者の民主党政権への失望感が小さくないことを示しているとも言えそうだ。 輿石氏は今年1月に立候補を表明。県内市町村で視察を繰り返し、中央への影響力をアピールしながら体制づくりを進めた。だが、米軍普天間飛行場移設や「政治とカネ」の問題で、鳩山前内閣の支持率は低迷。菅内閣の誕生でV字回復した支持率も首相の消費税発言で急落し、終盤は「守りの選挙」を強いられた。 「政治とカネ」の問題で国民の強い批判にさらされた鳩山由紀夫前首相、小沢氏とともに、党運営を担っていたこともマイナスイメージにつながった。公示日に小沢氏が応援のため県内入りするなど「小沢色」を払拭ふっしょくできず、無党派層の支持を固めきれなかったとみられる。 自民党が山教組の選挙活動に批判を強める中、教職員OBが精力的に活動。最終盤には山教組組合員の現職教員による電話作戦も活発化し、最後は組織力で宮川氏の追い上げを振り切った。 一方、宮川氏は昨年12月に立候補を表明。「世代交代」を訴え、無党派層への浸透を図った。党本部も山梨選挙区を「重点区」と位置付け、谷垣禎一総裁や小泉進次郎衆院議員ら知名度の高い国会議員を投入するなど全面的にバックアップした。 ただ、県関係国会議員がゼロになり、県連の選挙戦術は大きく転換。組織的な後援会入会カード(個票)集めは行わず、街宣活動や電話作戦では県議や党員にボランティア的な協力を求める「カネをかけない選挙」に変化した。業界団体の「自民離れ」もあり組織の弱体化は否めなかった。21人の県議を擁しながら、過去の県議選で山教組の支援を受けた県議の動きは鈍く、活動量には差が見られた。 自民県連としては参院選3連敗で、同党の県選出国会議員はゼロのままとなった。堀内光雄会長は退任する見通しだが、県連内の主導権争いが絡み、新会長選びは難航しそうだ。 参院選が終わり、来年1月の知事選に向けた動きも活発化するとみられる。横内県政に「是々非々」のスタンスをとる民主党が県選出国会議員の全5議席を引き続き維持することで、県政界での発言力は増すとみられる。民主県連内には等距離対応を貫いた横内正明知事への不満もくすぶり、動向が注目される。
|
|
山日携帯サイト 県内ニュース ランキング トップ5
|
刃物2本を所持の疑い 甲府署が現 (12日 5:28)
|
悪質な違反、本格捜査へ 参院選で (12日 6:54)
|
みんなの党の小野次郎氏が当選 参 (12日 7:38)
|
輿石東氏が3選果たす 参院選山梨 (11日 23:32)
|
富士五湖や南アルプス市などに大雨 (12日 4:46)
|
|
→携帯サイトについて詳しくはこちら |
|
|