2010参院選 開票速報

文字サイズ変更
はてなブックマークに登録
Yahoo!ブックマークに登録
Buzzurlブックマークに登録
livedoor Clipに登録
この記事を印刷

参院選:「民主党に大打撃」海外メディアが速報

 11日の参院選について、海外メディアは与党の過半数割れを速報し、「民主党が大敗を喫した」(AP通信)などと伝えた。鳩山政権下でこじれた日米同盟の再構築を期待する米政府や、対日関係の安定を目指す中国政府にとっても憂慮すべき結果となった。

 ◇普天間への影響懸念 米国

 【ワシントン古本陽荘】米政府は参院選後に日本の政治が安定することを期待してきた。与党の過半数割れが確実になったことで、菅首相の求心力が低下し、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題で指導力を発揮できない事態に陥ることに懸念が広がっている。

 米国内では菅首相が就任直後から日米同盟を重視する姿勢を鮮明にしていたため、「外交や安全保障の経験はほとんどないが、(鳩山政権の)過ちを修正することに熱心だ」(マイケル・グリーン前国家安全保障会議アジア上級部長)などと期待が高まっていた。

 9月には菅首相のワシントン訪問、11月にはオバマ大統領の訪日が想定され、本来であれば、今年後半は日米同盟強化には恵まれた環境にある。

 だが、その前には日米両国が「8月末まで」と期限を決めた普天間飛行場の具体的な移設場所や工法に関する協議が横たわる。両政府が合意するには、相当な政治的エネルギーが必要で、米側は、菅政権の同盟重視の姿勢が本物であるか確認する場と位置づけている。

 ◇今後の政局注視 中国

 【北京・浦松丈二】中国は参院選で与党が過半数割れに追い込まれた影響を懸念している。中国は民主党や菅首相の対中姿勢を高く評価しており、日本政局の流動化を望んではいないからだ。

 中国中央テレビは11日夜のニュースで、与党の獲得議席によっては「首相ポストにも影響する」との見通しを伝えた。中国ニュースサイト・大衆ネットは「菅政権は税制改革という地獄の入り口を突破できるか」などと消費税増税の議論が政権批判につながっていると分析した。

 北京の外交関係者は「日本政局が安定を維持することが、両国の関係発展にはプラスとなる」と指摘し、政局を注視している。

 ◇対北協調不安も 韓国

 【ソウル大澤文護】韓国政府は政権交代に直結しない参院選の結果を静かに見守る一方、聯合ニュースは11日、民主党政権が過半数獲得に失敗したことで、特別永住権を持つ外国人への地方選挙権付与など、両国間の外交懸案解決が遠のくとの懸念を示した。

 一方、今後、対北朝鮮政策での日韓協調への不安が浮上する可能性もある。韓国海軍哨戒艦「天安(チョンアン)」沈没事件をめぐり国連安保理は9日、北朝鮮の名指し非難を避ける議長声明を出したが、北朝鮮国連代表部は名指しされなかったことで「外交的勝利」だと強調。民主党政権がこの先、混乱状態に陥れば、北朝鮮は日韓分断を狙い、対日非難攻勢を強めるとみられる。

 ◇領土問題を憂慮 ロシア

 【モスクワ大前仁】東京発のタス通信は11日、参院選の結果について「民主党は敗北し、国会内の立場が厳しくなった」と報じた。ロシア政府は民主党の政権運営が不安定化する状況について、北方領土問題進展や経済協力へ影響を与えると懸念している模様だ。

 メドベージェフ大統領は菅首相を9月にロシア・ヤロスラブリで開く国際会議へ招待する見通しのほか、自らも11月に横浜で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席して、それぞれ日露間の首脳会談に臨む。しかし、不安定化した菅政権では領土問題などで大胆な決定が難しくなるだけに、ロシア側も関係拡大に厳しい見方を強めているとみられる。

毎日新聞 2010年7月11日 23時35分(最終更新 7月12日 1時55分)

2010参院選 開票速報一覧

PR情報