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きょうのコラム「時鐘」 2010年7月12日
街頭演説などを分析して、言葉の特徴や使用頻度から政治家像を浮き彫りにする学者や評論家がいる。嵐山光三郎さんもその一人だ
菅直人首相(63)は全共闘世代が好んだ「まさに」や「ある意味で」を何度も使うといい、エッセーで菅首相を「全共闘世代の生き残り」(週刊朝日)とばっさり切った。反権力という名の権力志向をかぎ取っているようだった 「選挙演説の言語学」の著者、東照二さんは本紙で以前こんな指摘をしている。小沢一郎民主党前幹事長の「みなさま」との呼びかけや「それはそれとして」の言い回しから、古い政治家だと。嵐山さんと小沢前幹事長は同じ68歳。菅首相と5歳違う 両者の間には、戦中生まれと戦後世代という溝がある。年下の全共闘世代に「静かにしていた方がいい」と言われた古典的権力者・小沢前幹事長のはらわたは煮えくり返ったろう。選挙中の単独行動にそれがにじんでいた 参院選は民主党に厳しい結果で終わったが、菅首相と小沢前幹事長には次なる戦いが待っている。与党内の世代間闘争である。たかが5歳、されど5歳。メラメラと燃え上がる炎が見える。 |