1日早くチームの全体練習に合流し、フルメニューをこなした楢崎=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで
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夏季キャンプを終えた名古屋グランパスは9日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで約1時間、練習した。日本代表GK楢崎正剛(34)と、オーストラリア代表FWケネディ(27)が10日の予定を1日繰り上げて、全体練習に合流した。
W杯南アフリカ大会を戦い終えた楢崎とケネディに、チームメートからは拍手がわき起こった。髪を短く切り、約50日ぶりにチームに戻った楢崎は、激しい雨の中、フォーメーション練習を含めフルメニューをこなした。
長丁場のW杯を、「長いと言えば長いが、試合が始まったら早かった」と振り返った。日本の決勝トーナメント進出は、「自国開催の大会でしか勝っていない日本にとって少なくとも1つの扉を開けた。歴史に残る勝利だった」と喜んだ。海外移籍への道を開いた選手や、新たに注目される選手が現れたことも、日本のサッカー界にとって良かったと思っている。
ただ、正GKとして臨んだ大会で試合に出られず、悔しい思いもした。体調も悪くなかったし、けがや違和感もなかった。「親善試合で結果が出ていなかったが、スイス合宿に行って気持ちを入れ直す段階でメンバーを外れたことは残念。自分が1番スタメンに近いところにいたのは事実だからショックだった。ただ、それは監督の選択だったと理解はしている」
消化不良の部分もあるが、4年後については今は考えられない。「これが最後と前回(06年ドイツ大会)でも思ったが、年齢も重ねた今大会はそれ以上。やるべきことをすべてやろうと思って臨んだ大会だった」。ただ、慌てて結論を出す必要も感じていない。
練習合流は10日の予定だったが、17日に迫ったJ1再開の大宮戦を逆算して、1日早めた。十分な休養を与えてくれたストイコビッチ監督にも感謝している。「ほかのチームのことを考えると配慮してくれて、本当にありがたい。監督のその気持ちに応えたい」
次のW杯までは考えられないが、代表とグランパスは別物と考えている。「ここでは、やり残していることがいっぱいある」。悲願のJ1タイトルに向けた情熱は、一切冷めていない。 (伊東朋子)
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