◆口てい疫の問題を受けて

4月20日に、口てい疫への感染が疑われる牛が見つかって1か月半になります。その後、大型連休を挟んで、児湯郡を中心に感染が広がり、処分されることになった家畜の数は15万頭を超えました(5月27日現在)。

これに、感染拡大を抑えるためにワクチンの接種を受け、その後処分される家畜を加えると、30万頭近い牛や豚が犠牲になるといわれています。畜産王国宮崎にとっては、甚大な被害です。

宮崎県は、先月18日に「非常事態宣言」を出し、感染拡大を防ぐために、県民に対して、消毒への協力や、イベントや催しの中止や延期などを呼びかけています。口てい疫は人には感染しませんが、人や車がウイルスを運ぶ可能性があるからです。いまは、県民すべてが口てい疫に立ち向かう時です。

宮崎放送局でも、口てい疫の発生以降、東京をはじめ、全国から、ニュースデスクや記者、カメラマン、編集マンの応援をもらいながら、特別体制でニュースをお伝えしています。しかし、今後、口てい疫が終息しても、畜産農家への支援や、県内の畜産業の再生・復興という課題が待ち構えています。

家族のように育ててきた家畜を失う、畜産農家の方々。 家畜の処分や、処分された家畜を埋却する作業にあたっている方々。 雨の日も風の日も、消毒作業にあたっている方々。 来る日も来る日も、対策に走り回る現場の方々。 口てい疫の影響で仕事が激減した地元企業の方々・・・。

皆さんの心労、苦労、疲労は痛いほど分かるだけに、ニュースをお伝えするたびに心が痛み、こみあげてくるものを必死でこらえる時もあります。

「ニュースWAVE宮崎」のキャスターとして、宮崎県民のひとりとして何ができるのか、考え、悩む日々ですが、いまの自分にできることは、口てい疫に立ち向かう人たちのことを正確に伝えることだと、言い聞かせています。

今後とも、皆さんのご理解とご協力をどうぞよろしくお願いします。

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