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[18835] 【ネタ】Wheel of Fortune‐運命の輪‐【Fate】
Name: 蓮◆80582eec ID:c98e0068
Date: 2010/07/10 23:50
こんにちは、初めましての方は初めまして。蓮といいます。まだまだ拙い所が多いので、アドバイス等よろしくお願いします。
無駄な増加を抑えるためにコメントは四回おきに返させて頂きます。

この小説は以下の要素を含みます。


◆鬱展開

◆構成の都合上一話一話話の長さがばらばら

◆戦闘?何それ美味しいの?

◆恋愛?何それ美味しいの?

◆鬱展開





苦手な方はお気をつけ下さい。

――――――――――――――――――――――――












「そうだな、一月程か」


「言峰、貴様嘗めているのか?英雄王たる我(オレ)がいるのだ。一週間もかからぬわ」


「ふむ、そうか。…エン、一週間程したら迎えに来る。それまでここを出るな」




ボクの家族は、これから「せいはいせんそう」をしに行かなければならないそうだ。


なのでエンは、この部屋で留守番をしなければならなかった。十一歳の子供に一週間ひとりぼっちで過ごさなくてはならないことは辛く、エンは不安でいっぱいだった。





「うん、わかった。気をつけてね…」


「ああ、行ってくる」

「ふん、我が負ける訳などない」




そう言って父と兄はエンに背を向けた。
その背中を見て、エンは気づいた。自分が感じている不安は、一人ぼっちの留守番のせいだけではないと。

父と兄を、何故か引き止めなければならない気がした。




「待っ………!

  …行ってらっしゃい…………」






エンが口を開いた時には既に扉は閉まっており、声は一人ぼっちの部屋に虚しく響いた。



































一週間が経った。
迎えは来ない。

















































二週間が経った。
迎えは来ない。







































































一ヶ月が経った。
迎えは来ない。













それから何日経っても、迎えは来なかった。


―――――――――
いきなり鬱ですみません。
携帯で書き溜めしてたんですがPCで見ると短いですね…。
ループものって何番煎じなんだろう。



[18835] いっかいめ 「バッドエンド2」
Name: 蓮◆80582eec ID:c98e0068
Date: 2010/07/10 20:19
父さんも、兄さんも迎えに来てくれない。



一週間を過ぎた辺りから、エンは不安で夜も眠れなくなった。一ヶ月を過ぎてからは日を数えてすらいない。
約束の時は、とうに過ぎ去っていた。







「ボク、捨てられちゃったの?」



そう言葉に出してしまったが、ここは協会の一室。エンの父も兄も、エンを捨てるためだけに態々引っ越すような性格では無いが、それでは父と兄が迎えに来てくれない訳が思いつかない。
結局幾ら考えようと、何かを推測するにはエンは何もかもを知らな過ぎた。


やがて不安も我慢も限界に達し。エンは怒られても良いから二人に会いに行こうと思った。




















扉を押す。長くエンを閉じ込めた蓋は、驚くほど簡単に開いた。

身を滑り出すと、廊下に出た。廊下は暗く、長い。

廊下を走り抜けると、中庭に出た。見上げた空は蒼く、エンは久しぶりの空に暫く魅入った。心地よい開放感があった。

聖堂に出た。ステンドグラスから漏れる日光は眩しいが、静寂を貫くそこは、無人だった。

そして更に扉を開けようとすると、








「なんでガキがこんなとこにいるんだ?」






不意に後ろから男の声がした。





「…地下からか?んなわけねえか。言峰は出てるしなあ…」




振り返ると、先程は居なかった筈の青い男。男は時代錯誤な長槍を肩にかけ、気だるそうな表情でこちらを見下ろしていた。
沈黙が続く。一方は人見知りゆえ、他方は思案に沈むゆえに。


沈黙の中、エンは見知らぬ男に怯えながらも、家族の事を思っていた。




帰ってこない家族。

無人の教会。

そこに現れた男。





何らかの関係があってもおかしくはない。

しかし、そう思ったエンが勇気を出して声をかけるよりも男が思案から戻ってくるほうが早かった。









「悪いな坊主。運が悪かったと思え」






その言葉の意味を理解する前にエンの視界に赤が過ぎり―

















気づいたらエンは最初の部屋に居た。


――――――――――――――――――
かなり短いですけど一応一話ということで。
お気づきの方もいるかと思いますが、この話では主人公が新しい死に方をする度に次の話に行きます。
それと、描写はないですがプロローグと一話の間の部屋待機時にエンは何度か餓死(衰弱死?)してます。


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