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北ヤードの中核施設「ナレッジキャピタル」の実像が明らかに… (2/3ページ)
一方、日本総合研究所の寺島実郎会長は「今、世界の元気な地域に共通するのは産学官と国境を越えた連携だ。昔のように大型投資でドーンと箱物をつくるのではなく、ITでも、バイオでも最先端の技術をからめた知見がないと、地域を活性化する構想は生まれない」と話した。
ただ、世界的な景気後退が街づくりに微妙な影を落としていることも浮き彫りになった。
ナレッジキャピタル推進室の畚野(ふごの)信義室長は「何をやるかを決めてからテナントを選ぶ手順が世界の経済情勢からテナント獲得を優先しすぎるのでは」と苦言を呈した。そのうえで、開発主体となる12社について「存在感がないだけでなく足を引っ張っている企業もあり、ナレッジ・キャピタルがうまくいかなかったら共同責任だと自覚すべきだ」と話した。
長引く不況が開発に影響していることについて、下妻会長は「採算を優先してはうまくいかない。将来の関西に投資する気持ちで企業も損益計算書の中でちょっとくらい負担するというマインドが必要だ」と訴えた。
産学官の有識者らによる専門的な発言が相次ぎ、会場の聴衆からは「もっと夢とロマンを語ってほしい」という意見も。
これに対し、畚野室長は「将来の夢だけでは北ヤードの永続的な発展はない。ちょっと先の明日の夢を出して次々と更新していくことが大切だ。人は明日の夢には殺到する。例えば、iPad(アイパッド)がそうだ」と解説した。