![展覧会の見どころ](/contents/040/636/787.mime1) |
本展は、全体を「印象派」「20世紀の具象美術」「20世紀の実験的美術」という3つのセクションに分け、モダンアートを理解する上でのポイントと結びつけながら、わかりやすく構成しています。さらにセクションとセクションの間には「間奏」としてふたつのコーナーを設け、緩急をつけた展示としました。 |
第1章 光との対話 ― 印象派の試み |
印象派、自分たちを取り巻く世界を描くことに関心を持ち、特に風景表現における光と大気の状態をとらえることに腐心しました。ここでは、ロンドン連作6点を含む8点のモネ、画業の様式変遷を伝える10点のピサロなどを中心に、モダンアートの出発点ともいえる印象派が、何に興味を抱き、それをどう表現したのかについて検証します。このセクションでは、モネの絵画だけの部屋を作りました。ロンドン連作に囲まれる静かで心地よい空間をお楽しみいただけます。
〈主要出品作家〉
モネ、ピサロ、シスレー、ルノアール、ロワゾー、セガンティーニ |
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カミーユ・ピサロ「チュイルリー公園の午後」
1900年 サントリーミュージアム[天保山]蔵 |
― 間奏1― 彫刻の小部屋 |
5階の展望ギャラリーでは、彫刻作品5点を展示します。大阪湾の眺望を背景にモダンアートの造形美を鑑賞していただけます。
〈主要出品作家〉
ヘップワース、マンズー、ジャコメッティ |
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第2章 具象の領域 ― 20世紀美術の一側面 |
ナビ派、野獣派、エコール・ド・パリ、素朴派など、19世紀末から20世紀にかけて、個性的な具象画家が数多く登場し、その系譜は現代にまで繋がっています。美術が純粋な抽象表現を目指して展開していく、という進歩史観的なモダンアート像からは、抜け落ちてしまいかねない作家たちの作品も含め、具象絵画という視点から20世紀美術を捉えなおします。
〈主要出品作家〉
ボナール、ヴュイヤール、ルドン、マルケ、ローランサン、キスリング、ルソー、ワイエス、モランディ、ボーシャン |
![](/contents/040/636/789.mime4)
アンリ・ルソー「パッシィの歩道橋」1895年
サントリーミュージアム[天保山]蔵 |
― 間奏2 ― 花束の回廊 |
「花束」という主題は、具象絵画でありながら、色や形を思うように配置できるという点で、抽象絵画の発想に近く、造形的な要素を色濃く持っています。具象表現に着目した第2章から、実験的な試みを紹介する第3章への導入として、11人の作家による花束の競演をご覧いただきます。
〈主要出品作家〉
ルドン、シャガール、スーチン、マティス、ビュフェ、ルオー、ローランサン、ボーシャン、デュフィ |
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オディロン・ルドン「花」
サントリーミュージアム[天保山]蔵 |
第3章 色と形の実験 ― 20世紀美術の新しい表現 |
20世紀美術では、様々な実験的試みが行われました。色や形を組み合わせてどういう形態を作り出すかという造形的な関心から、絵画とは何か、美術とは何か、といった根源的な問いにいたるまで、その状況は混沌としています。このセクションでは、モダンアートの根幹をなす造形性に焦点を当て、特にフォンターナの多様な「空間概念」を集めて展示し、2次元と3次元の狭間に生まれる造形の興味深い様相を提示します。
〈主要出品作家〉
ピカソ、レジェ、ミロ、フォンターナ、フランシス、ヴァザルリ、ホックニー |
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