石川のニュース 【7月1日03時44分更新】

古文書整理の人手不足 金沢の玉川図書館

古文書専門の派遣職員が確保できなくなった金沢市立玉川図書館近世史料館=同市玉川町
 金沢市立玉川図書館と契約した市内の人材派遣会社が、同館に7月から派遣する予定だ った古文書のファイリング経験者を確保できず、古文書整理の人手が不足する事態となっ ている。当面は正規職員が兼務するが、同館では「業務が滞らないようにしたい」として 新たに派遣業者選定へ入札を実施する方針だ。

 同館では近世史料館での古文書のファイリング業務で、3人の派遣職員を雇用している 。契約期間は3年。今年6月末に契約が終了することから、新たに派遣業者を選定するた め、5月に制約付き一般競争入札を行い、市内の4業者が応札した。

 派遣職員は、古文書のファイリング経験が1年以上あることが前提で、かつ図書館司書 または公立・大学図書館で3年以上の勤務経験が条件だった。しかし、落札した業者は当 初、条件を満たす契約社員の確保にめどがついていたものの、その後本人の都合で勤務で きなくなるなどし、6月に入って図書館側に契約の辞退を申し入れた。

 落札業者によると、玉川図書館での仕事に対し、25人ほどの応募があったが、図書館 司書の資格は有していても、古文書のファイリング経験がある人は少なく、確保が難しか ったという。市では今回の契約解除が、指名停止の対象となる「不誠実な行為」に当たる か今後判断するとしている。

 市では再度の入札を検討しており、玉川図書館の森田勝館長は「古文書のファイリング は専門性の高い仕事。早く経験のある人に来てほしい」と話している。


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