トムの絵本で、親子で「うひひ」…作家デビュー

　「バブルガム・ブラザーズ」のブラザートム（５４）が、「月からおちたモモンガ」（８月４日発売）で絵本作家デビューする。俳優となった２人の息子が子供のころに聞かせていた自作の童話に、自ら絵をつけて完成させた。最近は俳優としても活躍しているトムだが、新たな肩書がまた一つ加わった。

　歌手、タレント、俳優とマルチな才能を発揮しているトムが、絵本作家になった。

　「月からおちたモモンガ」は、さまざまな動物と出会いながら、懸命に月を目指そうとするモモンガの物語。全４８ページで、やわらかいタッチの絵も自身がクレヨンで描き上げた。これまで絵を描いたことはなく、今回も文章だけの予定だったが、スタッフの勧めで挑戦。今では自宅でも絵を楽しんでいるという。

　「子供が笑い出す絵本、親が楽しめる絵本、子供が目をキラキラさせて、親がニヤニヤできる絵本。そして一緒に遊べる絵本。うひひ、そんな絵本作ってみました」。満足のいく仕上がりに、会心の笑みを見せる。

　長男・小柳心（２３）、次男・小柳友（２１）と２人の息子は成長してともに俳優になったが、子供たちが幼いころには自分が創作した物語を聞かせていたという。そのストックは１００本超。「旅行に行ったこと、たくさんおもちゃを買ってあげたこと。こんな大切なことを息子たちは何も覚えていません。ただ、ベッドで本を読んだ夜のことだけはしっかり覚えてくれているようです」。長男は父の影響を受けたのか、０８年に短編小説集「笑った顔が一番素敵。」を出版。今も兄弟のように仲が良い父と子の原点がここにある。

　「子供の笑い声が大好きです。その笑い声を聞くと癒やされます。頑張れます」。「お笑いスター誕生」でグランプリを獲得し、「ＷＯＮ’ＴＢＥＬＯＮＧ」の大ヒットを経て、最近は俳優としても活躍しているトムが、今度は親子の橋渡し役として世の中を明るくする。

　◆ブラザートム　１９５６年２月２３日、ハワイ・マウイ島生まれ。５４歳。８０年に日本テレビ系「お笑いスター誕生」に小柳トムの名前で出場し、５代目グランプリに。８３年にブラザーコーンとバブルガム・ブラザーズを結成し、９１年にＮＨＫ紅白歌合戦に出場。俳優としてＮＨＫ「純情きらり」、映画「食堂かたつむり」などに出演した。