名古屋場所が開幕、満員御礼ならず

大相撲名古屋場所が開幕した愛知県体育館

　力士らの賭博問題で開催自体も危ぶまれた大相撲名古屋場所が１１日、愛知県体育館で開幕し、日本相撲協会の村山弘義理事長代行（７３）が初日恒例の協会あいさつで「全国の大相撲ファンや、支えてくださる皆さまに多大なるご心配をおかけしましたことを理事長武蔵川に代わり、心よりおわび申し上げます」と謝罪し、頭を下げた。

　元東京高検検事長の村山理事長代行は紋付きはかま姿で土俵に上がり「協会員が一丸となって、この場所を再生に向けての改革の大相撲本場所とすべく取り組む所存でございます」と決意を口にし、拍手を浴びた。

　初日は大入りにならなかった。１９８５年以降、名古屋場所初日で満員御礼の垂れ幕が下がらなかったのは初めて。取組の数は幕内が１８番、十両は１１番で、５月の夏場所に比べて３番ずつ減った。ＮＨＫが生中継を中止し、天皇賜杯授与などの表彰もない、異例の場所となった。

　反社会的勢力排除のため場内放送で「暴力団関係者の入場は固くお断りします」と告知したり、体育館の入り口に監視カメラの設置など緊張感が漂った。