武蔵川理事長、入院で謝罪断念

　大相撲名古屋場所の初日の土俵で謝罪することが決まっていた武蔵川理事長（元横綱・三重ノ海）が１０日、体調不良を理由に謝罪を断念した。協会内外の複数の関係者によると「過労による高血圧が原因で、都内の病院に入院している」という。２５日の千秋楽までの謹慎中は、退院しても都内の自宅で静養することになる模様だ。ただ、謹慎明けの理事長職復帰には支障はないようで、順調に回復すれば、２６日の横綱審議委員会から職務に戻る。

　武蔵川理事長は先月２９日に高血圧で体調を崩し３日間にわたり自宅で静養した。２日に名古屋へ移動し、４日の臨時理事会に出席。５日には自宅からＮＨＫの検証番組に出演したが、その後、再び高血圧で体調を悪化させたという。

　この日、名古屋市内の臨時理事会後、村山弘義理事長代行（７３）が「自ら土俵に上がっておわびをしたいと言っていたが体調を悪化させ、かなわなくなりました」と発表。武蔵川理事長のおわびは、村山理事長代行が初日恒例の「協会ごあいさつ」で代読することになる。理事長も希望していたファンに対する直接の謝罪は秋場所以降になりそうだ。

　静養中の理事長だが、関係者によるとファクスなどで協会の動向は、把握しているという。体を休めながら少し協会と距離を置いて再発防止策を練ることになる。