台風18号の影響を受けながらも無事閉幕したエレクトロニクスショー「CEATEC JAPAN 2009」。新聞やテレビでは3Dテレビが大きく取り上げられた(画像クリックで拡大)

 千葉県幕張メッセで開催された世界3大エレクトロニクスショーの一つである「CEATEC JAPAN 2009」が10月10日に閉幕した。

 新聞各紙やニュースサイトでは、3Dテレビの展示が相次いだことに話題が集中した。各社とも、3Dテレビを2010年以降に製品化する予定だ。これほど出そろうのは今回が初めて。まさに「3Dテレビ元年」と言える盛り上がりぶりだった。

 環境展示が注目されたのも今年の特徴だ。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンITパビリオン」や、同時開催された「グリーンITシンポジウム」「アジアグリーンITフォーラム」なども、環境技術先進国の日本らしいイベントとなった。

 一方で、村田製作所の「ムラタセイサク君」「ムラタセイコちゃん」は今年も大人気だった。ほかのステージに比べて来場者数の少ない電子部品・デバイス&装置ステージのなかで、黒山の人だかりとなった。その注目の集め方は、いまや、CEATECの小林幸子、美川憲一的存在になっている。

今年も大盛況だった村田製作所ブース。お目当てはCEATECの小林幸子的存在の「ムラタセイコちゃん」(写真)(画像クリックで拡大)

 パソコンの分野では、2007年、2008年と出展していたマイクロソフトが、今年は「Windows 7」という大きな商材を持っていながらも、出展を取りやめたのはパソコン業界にとってはマイナスだったとも言える。ただインテルと日経BP社による次世代コンピューティングパビリオンなどで、発売間近のWindows 7の一端に触れることができたのは幸いだ。

 次世代コンピューティングパビリオンブースに出展したパソコンメーカーの担当者からは、「Windows XPユーザーも、Windows Vistaユーザーも、Windows 7に対する関心が高く、展示されている実機を使って、その良さを体感していたようだ。XPユーザーのなかには、Atom搭載、メモリー1GBのパソコンで、Windows 7が軽快に動作する様子を見て、完成度に驚き、その場でWindows 7への移行を決める例もあった」という。

 また、Windows 7の展示を求めて、「マイクロソフトブースはどこにあるのか、といった問い合わせも少なくなかった」という。

 こうした声があるだけにマイクロソフトが、展示ブースを構えなかったのは残念だといわざるを得ない。展示をしていれば、Windows 7普及の追い風になったのは間違いない。

次世代コンピューティングパビリオンブースでは、Windows 7に触れてみようという来場者が後を絶たなかった(画像クリックで拡大)