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最終更新:2010年7月10日(土) 8時47分

哨戒艦沈没、韓国人科学者らが矛盾点指摘

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 韓国の哨戒艦沈没事件について国際合同調査団が「北朝鮮製の魚雷による攻撃」との報告書を5月に発表しましたが、これについて、韓国人の科学者らが9日、都内で会見し、「証拠を示していない」として、報告書の矛盾点を指摘しました。

 「合同調査団は、気泡の影響があったという証拠を1つも示せていないのです」(米ジョンズホプキンス大学 ソ・ジェジョン教授)

 都内の外国特派員協会で会見を行ったアメリカ・ジョンズホプキンス大学のソ・ジェジョン教授は「報告書は、気泡が哨戒艦をどのように2つに切断できたかを示せていないだけでなく、調査団が行ったシミュレーションは実際の被害状況と矛盾している」と説明。

 その上で、250キロの爆薬が爆発した際の衝動波から予測される被害程度と、実際の船体の破損状態は一致しないとして、「船外で爆発が起きた」ことが実証されていないと述べました。

 また、固体物理学が専門のバージニア大学のイ・スンホン教授は、報告書が北朝鮮の関与の「決定的証拠」とする現場で回収した魚雷の部品に記された「1番」を意味する文字について、爆発の熱にさらされ、塗料は焼け落ちたにもかかわらず、インクで書かれた文字がそのまま残っていることなど矛盾点を指摘。

 さらに、魚雷と哨戒艦から発見された白い化合物についても、教授らの科学的分析の結果、爆発によって生成された化合物であることを示していないとして、合同調査団は爆発の事実を証明していないと述べました。

 2人の教授は、この検証結果を6月半ばに国連安全保障理事会に提出していて、朝鮮半島と東アジアの平和と安定のためにも、韓国政府に改めて調査を行うことと、客観的な調査を行うチームを作るよう求めるとしています。(09日20:17)

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