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【主張】対北議長声明 実効なく極めて不十分だ

2010.7.11 03:01
このニュースのトピックス主張

 韓国哨戒艦撃沈事件について国連安全保障理事会が採択した議長声明は極めて不十分といわざるを得ない。全会一致とはいえ、北朝鮮の犯行と断定できず、具体的な責任追及や制裁措置も含まれていないからだ。

 46人の犠牲を出した哨戒艦事件は北の不法な軍事攻撃であり、集団安全保障を通じて国際平和と安全の維持を担う安保理に対する重大な挑戦である。にもかかわらず、実効ある決議を実現できなかった中露など常任理事国の責任は厳しくとがめられるべきだ。これで一件落着としてはならない。

 日米韓に問われるのは、粘り強く安保理の行動を促しつつ、独自制裁や共同行動を通じて北への圧力を高めていくことだ。そのための連携を深めてもらいたい。

 韓国政府は事件後、安保理の断固たる対応を求めてきた。だが、中露などが拘束力のある制裁決議や非難決議に同調しないため、先月下旬以降、北の名指し非難と謝罪要求▽責任者の処罰▽犠牲者への補償−などの実質的内容が盛り込まれれば、「議長声明でも受け入れる」としてきた。

 ところが、採択された声明は北の名指し非難を回避した。責任者の処罰や補償、謝罪も盛り込まれず、さらに「事件に無関係」とする北の主張に留意している。

 先月、カナダで開かれた主要国(G8)首脳会議の首脳宣言と比べても大きく後退し、安保理の役割と権威を自ら貶(おとし)める声明と言わざるを得ない。

 こうなった直接の責任は、北への厳しい対応に難色を示してきた中露にあるといえる。一方で「無謀な行動に報いを受けさせる」としながら、両国に決断を迫れなかったオバマ米政権も説得外交のあり方を深く反省すべきだろう。

 米韓の「愚かな誤算」と呼び、「外交的勝利」(国連大使)とする北の対応をこのまま放置してはならない。当面の焦点は米国が検討中の金融制裁や月内にも黄海で行われる米韓合同軍事演習だ。

 中国は演習に「断固反対」(外務省)としているが、北の暴発に備える共同訓練に反対するのは筋が通らない。北の犯罪的行動をかばうのでなく、国際ルールに従うよう説得し、圧力を加えることが責任ある大国のとるべき行動だ。そのことを中国には強く認識してもらいたい。

 日本政府も独自制裁など可能なあらゆる手段で臨むべきだ。

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