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【主張】官房長官発言 「解決済み」を蒸し返すな (1/2ページ)
このニュースのトピックス:主張
仙谷由人官房長官が東京都内の講演などで、昭和40(1965)年の日韓基本条約について「それだけで物事は済むのか。(日韓関係の)改善に向けて政治的な方針を作り、判断しなければいけないという案件もあるのではないか」と新たな個人補償を検討していく考えを示した。
日韓基本条約は、韓国に対する日本の戦後処理の枠組みを決めたものである。付属文書の日韓請求権・経済協力協定で、日本は無償供与3億ドルと政府借款2億ドルの経済協力などを約束し、双方の請求権が「完全かつ最終的に解決された」と明記されている。
法的には、個人補償も含め、韓国との賠償問題はすべて解決しているのである。その解決済みの問題を蒸し返すような発言は、官房長官として適切ではない。
仙谷氏は「当時の韓国は軍政下だった。法律的に正当性があると言って、それだけでいいのか」とも述べた。確かに、当時の韓国は朴正煕大統領の軍政下だった。だが、国家間の約束は厳然としてある。条約の効力を疑問視する発言は筋違いだ。
その後、韓国は日本からの5億ドルをインフラ整備などに使い、朴大統領の指導の下で、「漢江の奇跡」と呼ばれる目覚ましい経済発展を達成した。仙谷氏は、こうした韓国の人たちの努力をどうみているのだろうか。