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“異例”力士も参加…土俵の神様に謝罪

土俵祭りを終え土俵に全員で頭をさげる日本相撲協会員
土俵祭りを終え土俵に全員で頭をさげる日本相撲協会員
Photo By スポニチ

 野球賭博問題に揺れ、開催自体が危ぶまれた名古屋場所は11日に初日を迎える。10日には会場の愛知県体育館で前日恒例の土俵祭りが行われた。謹慎者を除く十両以上の力士や親方ら約200人の協会員が集まり、土俵に向かって頭を下げて一連の不祥事を謝罪。その後、日本相撲協会の村山義弘理事長代行(73)が訓示を行った。大量の謹慎者を出し、NHKの生放送が中止されるなど異例ずくめの15日間が始まる。

 館内には厳粛な空気が満ちていた。午前10時、愛知県体育館。謹慎者を除く十両以上の力士、親方、呼び出し、床山ら約200人の協会員が向正面の土俵下から升席上段に集結した。

 約1000人の一般客が見守る中、一連の儀式が行われた後、「今回の件について先人と土俵に陳謝の意を表します」のアナウンスがあり、出席した協会員全員が一斉に頭を下げた。約15秒間、神聖な土俵に向かって謝罪した。向正面升席のほぼ中央の横綱・白鵬(宮城野)も、その両脇にいた大関・日馬富士(伊勢ケ浜)、把瑠都(尾上)も神妙な面持ちで深々と腰を折った。

 土俵祭りは新しい土俵の「地鎮祭」。行司が祭主となり15日間の無事を祈る儀式で、通常は協会理事長と審判委員の親方、行司らだけで行われる。力士らが参列するのは異例。客席は開放されているが、一般客が見ることも珍しい。4日の臨時評議員会で若手親方が中心となって提案したことが実現した。協会員が一丸となり一から出直すことを土俵に誓った。

 その後、村山理事長代行が協会員に対して訓示を行った。「一丸となって総力を挙げて立派な名古屋場所にしていただきたい」とゲキ。さらに「不祥事で理事長がみなさんに頭を下げておわびすることは、今回限りにしていただきたい。そう思いませんか?」と問いかけた。一般客からは拍手がわき起こった。土俵祭りで協会幹部が協会員に訓示を行うのはもちろん異例の出来事だ。

 終了後、白鵬は「いいんじゃないですか」とだけ語り会場を立ち去ったが、日馬富士は「自分のやるべきことをしっかりやっていきたい」と前を向いた。野球賭博以外の賭け事に関与していた関脇・稀勢の里(鳴戸)は「一丸となってという(理事長代行の)言葉が印象に残った。もっと自分も頑張っていかないと」と奮起を誓った。ファンの信頼を取り戻すには土俵の上で熱戦を繰り広げるしかない。決意を新たにした儀式だった。

 野球賭博問題で揺れに揺れ、一時は開催が危ぶまれ、番付発表も延期された名古屋場所。天皇賜杯の授与を含むすべての表彰を辞退し、NHKも初めて中継を中止にするなど、過去にない環境で迎える。初日からの十両以上の休場者は謹慎処分の10人が響いて計11人。異例ずくめの15日間が11日、幕を開ける。

 ▽土俵祭り 新しく作った土俵の地鎮祭にあたる儀式。本場所初日の前日、神官姿の立行司または三役行司が祭主となり、脇行司2人を従えて行う。最後に「洗米、するめ、昆布、塩、かやの実、かち栗」の6品からなる「鎮めもの」を土俵の中央に埋め、神酒をかけて15日間の無事を祈る。日本相撲協会の理事長、幹部役員、審判委員が列席。通常、親方や力士らは参加しない。一般客が見ることは可能だが、これまではほとんどいなかった。

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