賭博問題で開催自体も危ぶまれた大相撲名古屋場所が11日、愛知県体育館で初日を迎える。元大関琴光喜関と元大嶽親方(元関脇貴闘力)の2人が解雇され、十両以上の力士10人が謹慎して休場する。NHKが生中継を中止し、天皇賜杯授与などの表彰もない、異例ずくめの15日間が幕を開ける。
弟子が賭博に関与したことで日本相撲協会の武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)が千秋楽まで謹慎するため、外部理事の村山弘義氏が理事長代行として今場所を取り仕切り、初日の協会あいさつなどもこなす。武蔵川理事長は特例で初日だけ謹慎を解かれ、土俵上で謝罪する予定だったが、体調不良で取りやめた。
軽微な賭け事をして謝罪した横綱白鵬関を軸とした戦いが展開される。初日と2日目は十両と幕内で3番ずつ取組数が減る。
暴力団関係者の観戦問題もあり、相撲協会は警察と協力して警備体制を強化。監視カメラ設置や警察官の増員など、厳戒態勢での場所開催となる。
相撲協会は10日の臨時理事会で、賭博問題を調査する特別調査委員会の推薦をもとに、協会全般の改革を目的とする外部機関「ガバナンス(統治)の整備に関する独立委員会」を設置。奥島孝康・日本高野連会長(元早大総長)や外食や介護などの事業を展開するワタミの渡辺美樹会長ら外部有識者、11委員が協会改革に乗り出す。