原爆によって亡くなり、いまだに遺骨の引き取り手が見つかっていない817人の遺族を捜すため、広島市は、全国の自治体などに名前や当時の年齢を載せた名簿を発送しました。全国の自治体などで今月16日からことしの10月末まで閲覧できるということです。
広島市の平和公園にある原爆供養塔には、原爆で亡くなった人のうち、引き取り手が見つからなかったり、名前がわからなかったりしたおよそ7万人の遺骨が納められています。広島市では、このうち、名前が確認されている人の遺族を捜すため、毎年名簿を作り、全国の自治体や被爆者団体に送っています。9日、あわせて817人の名前や当時の年齢、それに亡くなった場所などを載せた名簿が1900か所余りに発送されました。広島市によりますと、このところ遺族が見つかるケースは少なくなっていて、この1年間では当時、旧制中学校に通っていた男子生徒の遺族1人だけだったということです。広島市原爆被害対策部調査課の大森温美さんは「戦後65年がたち、いまだに遺族が見つかっていない方がいます。1人でも多く、遺族が名のり出てくれることを願っています」と話していました。この名簿は、全国の自治体などで今月16日からことしの10月末まで閲覧できるということです。