兵庫県宝塚市の住宅で火事があり、この家に住む30代の男女と小学生の女の子の3人が全身にやけどをして、女性1人が死亡、2人が意識不明の重体となっています。警察は、この家に住む15歳の中学生の少女と、同級生の少女が火を付けたことを認めたため、殺人や放火などの疑いで2人を逮捕する方針です。
9日午前3時前、宝塚市の木造2階建ての住宅から火が出て、2階などが焼け、この家に住む39歳の男性と31歳の女性それに小学4年生の9歳の女の子が全身にやけどをしました。3人は病院に運ばれましたが、女性が死亡したほか、男性と女の子がいずれも重体となっています。警察によりますと、この家にはいずれもブラジル人の4人が住んでいて、このうち中学3年生の15歳の少女は、火事のあと、同じ中学校の同級生で14歳の少女の家で見つかり、警察が事情を聴いた結果、2人で火を付けたことを認めたということです。少女は「3人に不満があった。殺害するため家の中に着火剤をまいて火を付けた」などと話したということで、警察は、殺人や放火の疑いで2人を逮捕する方針です。また、14歳の少女の家の中にも油のようなものがまかれていたということで、警察は2人がこの家にも火を付けようとしていた疑いがあるとみて、詳しいいきさつや動機を聴いています。少女2人が殺人や放火などの疑いで警察から事情を聴かれていることについて、2人が通う中学校が、宝塚市役所で記者会見を開きました。この中で、中学校の荻野勝彦校長は、1年半ほど前に、火の出た住宅に住む少女から家庭内で虐待を受けているという相談があり、学校が家族から話を聞いたところ、「しつけの一環だ」と話し、その後、少女からの相談はなかったということです。また、もう1人の少女は「成績のことで親から口うるさく注意される」と日常的に担任の教師に打ち明けていたということです。そのうえで、荻野校長は「2人は元気で明るい生徒で、今回の事件にはびっくりしている。ほかの生徒たちは動揺すると思うので、子どもたちの心のケアに努めたい」と話していました。