潜水艦に対する監視を行うアメリカ海軍の哨戒機部隊の指揮官が青森県の三沢基地から神奈川県の厚木基地に活動拠点を移し、厚木基地にすでに同じような司令部を置いている海上自衛隊と作戦面の連携をいっそう深めていくものとみられます。
厚木基地に活動拠点を移したのは、P3C哨戒機などを使って上空から潜水艦などの監視に当たるアメリカ海軍の哨戒偵察部隊の指揮官です。厚木基地では9日、日米の関係者らおよそ400人が参加してショーン・バック司令官の着任を祝う式典が行われました。はじめにアジア太平洋地域に展開する海軍部隊を指揮する第7艦隊のバード司令官が「日米両国は同じ価値観の下で連携を続け、地域の安定と繁栄を支えてきた」と述べ、ことし50年を迎えた日米同盟の重要性をあらためて強調しました。続いて哨戒偵察部隊を指揮するバック司令官が「われわれは海上自衛隊と一つになるためにここに来た。われわれの連携はとぎれることはなくなるだろう」と述べました。バック司令官以外の要員の多くは三沢基地にとどまり、司令部そのものは移転しませんが、厚木基地には近く、日米が潜水艦の哨戒活動についての情報交換を行う新たな施設が開設されることになっており、アメリカ軍は、日本周辺で活動を活発化させている中国海軍なども視野に日米の作戦面の連携をいっそう深めていくものとみられます。