リーグトップタイの11勝を挙げている広島・前田健太投手(22)が9日、ヤクルト戦雨天中止決定後、球宴までの残り先発2試合2勝で折り返す強気の姿勢を見せた。この日の雨で残り11試合のローテは組み替えられたが、マエケンだけは不動。エースの仕事で、82年の北別府以来の13勝ターンを目指す。
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試合開始前に雨脚が強くなり、午後5時45分に中止が決まった。マエケンは雨を遮るように駆け足でチームバスへと乗り込みながらも、前半戦の残りの登板2試合の目標をはっきりと口にした。
「すごい雨ですねえ」と笑いながらも目標について聞かれると、目の色を変え「残り試合いっぱい勝てるように頑張ります」と全勝での折り返しへ、並々ならぬ意気込みを示した。
4年目の今季は開幕前から、勝利数への強いこだわりがあった。現在、巨人・東野と並び11勝。開幕前から公言していた最多勝の初タイトル奪取へ前半戦で少しでも多く勝ち数を増やしたい思いがある。さらに、普段から「チームが上に行くためにも自分の勝ち星を増やしていきたい」と言っており、チームの上位進出のためにも先発登板日は負けられないという思いは人一倍強い。
2戦2勝し、13勝で折り返せば、82年の北別府以来の快挙。08年のルイスが挙げた前半戦11勝も超える偉大な記録だ。
この日の雨天中止後、大野ヘッド兼投手コーチは「雨で流れてどうしようかを考えている。スライドする投手がいれば、変えない投手もいる」とローテ再編を示唆する一方で、前田健については動かさない方針。この日の先発、ジオと10日先発予定の篠田のスライド先発が有力だが、「うちの角じゃなくて王だ」というマエケンは不動で戦うプランを描いている。
前回7日の巨人戦では7回2失点に抑え、11勝目を挙げた。次回は13日の横浜戦で先発。さらに19日の阪神戦初戦での先発が有力だ。そして中3日で23日のオールスター初戦に先発する。
「うちの一番、若い投手が頑張ってるんだから、ほかの投手も刺激を受けてほしい」と大野コーチ。球宴まで残りは11試合。ローテの中心は、もちろんマエケン。本人も自覚十分だ。