拳銃所持：参院選演説会場で　「右翼」容疑者逮捕　福岡

　福岡県警中央署は１０日、参院選福岡選挙区に立候補している民主党現職の大久保勉氏（４９）が街頭演説していた福岡市の会場で、拳銃を所持していたとして福岡県久留米市津福本町、無職、高瀬正二郎容疑者（７１）を銃刀法違反容疑で現行犯逮捕した。同署によると、高瀬容疑者は大久保氏の陣営関係者に取り押さえられ、けが人はいなかった。現場は商業施設が建ち並ぶ繁華街で、一時騒然となった。

　逮捕容疑は、同日午後５時５５分ごろ、福岡市中央区天神２の商業施設「福岡パルコ」前の路上で、自動式拳銃１丁と紙袋に入った弾丸十数発を所持していたとしている。

　同署によると、高瀬容疑者は拳銃をむき出しで持っていたところを陣営関係者の複数の男性に取り押さえられ、駆け付けた署員に現行犯逮捕された。容疑を認めており、今後動機を追及する。

　また、高瀬容疑者は、自らを右翼団体の関係者とほのめかす供述もしており、同署が背景を調べている。

　大久保氏の陣営関係者によると、パルコ前で街頭演説中の大久保氏の選挙カーに、男が近づき、「マイクを貸してくれないか」と尋ねたという。不審に思った男性秘書が男を選挙カーから離れたところに誘導。男の手に拳銃が見えたため、近くにいた警備員に警察へ通報するよう頼んだが、途中で男が拳銃を上げるようなそぶりをみせたため、男性秘書らが取り押さえたという。【関谷俊介】