菅直人首相は10日午前、福井県坂井市の街頭演説で「政治とカネとか普天間(飛行場移設)のことで少し心配をおかけしたがそれもクリアをして、いよいよこれから時計の針を進めようという時の選挙だ」と述べた。政権の出直し感を強調したかったようだが、両問題は「解決した」とは言い切れない状況だ。
政治とカネ問題は依然として野党側が追及の構えをみせ、普天間問題は8月末の移転先工法などの決定を控えて地元から合意を取り付ける見通しは立っていない。
また、首相は自身の消費税発言を巡る報道について「財政破綻(はたん)に陥らないため税制について議論する必要があると言った。そうしたら翌日の新聞が『菅直人が明日から消費税を上げるんじゃないか』と書いた」と釈明。「次の総選挙まで1円も上げない。このところだけ外して報道が流れた」と不満を漏らした。