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[20127] 【ネタ】黒い太陽が聖杯戦争に割り込むようです【短編】 (仮面ライダーBLACK RX×fate)
Name: BBB◆e494c1dd ID:2903859b
Date: 2010/07/09 04:42

「何をしている!」

 人の来ない薄暗い裏路地、魔力の補給を行っていたら背後から声が掛かった。
 振り返れば白を基調とした襟と袖が黒い上着、その下には黒と白のボーダーのシャツ。
 そして白一色のズボンを履いている、成人を迎えているだろう大柄な男が居た。
 その顔は険しく、ただの人間にしては力強さを感じさせる。

「おい、何やってるんだよ! 誰か近づけば分かるって言ってたのはお前だろ! まったく、本当にお前は使えないな! さっさとそいつを殺せよ!」

 私を挟んで男とは反対側、口煩く喚く仮のマスター。
 小さくため息を吐きながら仕方なく腕の内の女性を下ろして、男へと向き直る。

「そう言う訳ですので、死んでもらいます」
「お前たち……!」

 杭にも似た鎖付きの短剣、擦れる金音を鳴らして取り出し。

「それでは、さようなら」

 投擲した。
 風を切って走る鎖付きの短剣は男の胸へと直進し。

「!」

 飛び込み前転で短剣を潜り抜け、その勢いのまま飛び上がり。

「ハッ!」

 空中で体勢を変えながらの飛び蹴り。
 それなりの速度、ただの人間ならば簡単に蹴り飛ばされるような威力。

「あなたは、本当にただの人間ですか?」

 だがこの身はサーヴァント、人間程度に遅れを取るほど弱くは無い。
 その蹴りを掴み、引っ張ってシンジが居るほうへと放り投げる。

「うわっ!? おまえっ!」
「邪魔です、シンジ」

 シンジの頭上を越えて男が飛び、路地裏の地面に転がる。
 慌てて私の隣を通り過ぎて、男から離れるシンジ。
 手に持つ鎖を引き、立ち上がろうとしている男へと狙いを定めて投擲。

「くっ!」

 男は苦声を漏らして転がり、短剣に当たる事を拒む。
 そうして目を覆っている自己封印・暗黒神殿の下、眉を顰める。
 やはりこの男、ただの人間ではないと判断した。
 手を抜いているとは言え短剣の投擲を、ただの人間に避けれる物ではない。
 それなのに二度、来る事を認識しての回避。

 それ以前に、本当にただの人間ならば接近に気が付かない訳が無い。
 この男は人間としての反応が弱すぎる、気配断絶の能力を持つサーヴァントかと思ったがそれも違う。
 サーヴァントとしての気配は一切無く、人間としての気配も薄い。
 では一体何か? 正体は分からないが、ただの人間と侮ってはいけない気がした。

「見た目よりも軽捷ですね」
「おい! ライダー! 何してるんだよ! さっさと殺せ!」

 煩わしい、桜の願いが無ければ捨て置くと言うのに。

「シンジ、この男はただの人間ではないでしょう」
「な、魔術師か!?」
「それとも違う、魔力と言ったものも感じません」

 生気を吸い取る吸血の対象と成り得るかと言えば、この男は全く持ってそそられない。
 趣味趣向の問題ではなく、単純にこの存在の生気が薄すぎて吸い取るほどあるとは思えない。
 人間の形をした無機物を見ているような気さえする、もしこの感覚が正しければこの男は『人間に似た何か』。

「……一つ聞く!」

 男はすばやく起き上がりながら、私を指差して口を開いた。

「その子をどうする気だ!」

 シンジに襲えと言われて、仕方なく血を吸った所予想以上に美味しかった。
 名は確か『ミツヅリ アヤコ』、また機会があれば血を吸いたい。
 とりあえずこの存在を消し去ってから、もう一度死なない程度に吸いましょうか。

「あなたには関係無いことでしょう、そもそも知った所で何の意味も無い」
「……何を企んでいる!」
「……話の分からないモノですね」
「お、おい! やばそうならさっさと殺せ!」

 言われなくとも。

「……そうですね、冥土の土産と言うのですか。 これから死に逝くあなたに教えてあげましょう」

 笑うように口端を吊り上げ、足をまっすぐ伸ばしたまま肩幅に開き両手を地面に付いての前傾姿勢。

「血を吸うのですよ、死なない程度にじっくりと」
「なにっ!?」

 男が驚くと同時に跳躍、狭い路地裏の壁を跳ねながら鎖付き短剣の投擲。
 擦れる音を鳴らしながら鎖が螺旋を描き、短剣が空を駆ける。

「!」

 それは怪力のスキルを用いた投擲、数倍に跳ね上がった飛翔速度は避けるのが精一杯であった男を貫くはずだった。

「罪の無い女の子を傷つけるとは……」

 だが男は短剣を掴み取り、壁へと投げ付けて突き刺す。
 その顔には怒りの形相が焼きついたように、鋭い視線を向けてきていた。

「許さんッ!」

 男は軽く力を抜いた左手を腰に据え、右手を高く上げる。
 そして天へと向けた手のひらを水平に左九十度捻り、ゆっくりと腰の高さまで下ろしていく。

「ヘンッ……」

 右腕を左から右へと水平に振るい、続けて左腕を右から左へと水平に振るう。

「シンッ!」

 拳を作った右手を腰に、拳を握った左手を肩の高さに。
 それと同時に、男の腰から光を放ちながらベルトのような物が現れた。

「何を……ッ!」

 そう言い掛けて、瞬きよりも早く男が変化した。
 一瞬の閃光、男は得体の知れない何かに変質していた。
 有機的な鎧とでも言えばいいのか、黒と緑を基調として全身を包み。
 腹部には六角形に近い水晶のような物と、その下に赤い円が二つ横並びとなって金色に彩られたベルト。
 そして頭部の前面には、顔の半分を占めるほどの大きな赤い複眼。

 その姿を見て、多くのものが想像するだろうイメージは『飛蝗(バッタ)』。
 人型のバッタ、そう表現して差し支えない存在。

「なっ、なぁ!? そ、そんな……!」

 奇妙な存在、警戒するに値する何か。
 壁の突起に手を掛け張り付いたまま、その存在を見下ろし動向に注意を払う。

「俺は太陽の子! 仮面ライダッ! ブラックッ! アールッエックスッ!!」
「か、仮面ライダー!?」

 まるで決めポーズのように腕を動かし、ビタリと静止する。
 カメンライダー、そう奇妙な存在が名乗りを上げ、下でシンジがまるで知っているような声を上げる。
 ポーズを解きながら、カメンライダーと名乗った存在は右腕を向けて指刺してくる。

「お前たちが一体何者かは知らない、だが罪無き人たちを傷つけるのは見過ごせない!」
「許さない、見過ごさない、ならばどうすると?」

 カメンライダーは腕を下ろし。

「罪無き人たちを傷つけられないよう、ここでお前を倒す!」
「………」

 カメンライダーはそう宣言して。

「トウッ!」

 変化する前とは比べ物にならない速度、跳躍力を見せ。
 一気に飛び上がり、私の元まで向かってくる。
 同時に私も壁を蹴りながら、下のほうで壁に突き刺さる短剣を引き抜き。
 叩きつけるように鎖をカメンライダーへと放つが。

「トアッ!」

 迫る鎖を左腕で払いながら、右腕を引き絞る。

「RXパンチッ!」
「クッ!」

 赤く燃え上がる右手に脅威を感じ、壁を蹴って避ける。
 飛び降りるように落下し、シンジの近くへと着地。

「なんで、なんでだよ!?」
「シンジ、引きましょう」

 あの存在とまともに戦って得るものは無いと判断し、シンジに撤退を提案するが。
 当のシンジは顔を青くして恐慌していた、こちらの話を聞いていないと判断して首根っこを掴んで走り出す。

「逃がさん!」

 続いてカメンライダーも着地して、膝を着いて腕を胸の前に交差させていた。
 何かをする気だと、右手で短剣を投げ付ける。

「! 卑怯な!」

 鎖付きの短剣は弧を描いてカメンライダーの後方、地面に倒れ付すアヤコへと投げる。
 それが分かったのかカメンライダーは飛び上がって短剣を叩き落す。
 身を挺して守ると計算通り、その隙に大きく飛び上がりビルの屋上へと逃げ延びた。









「待て!」

 逃げ出した女と少年を追いかけようと、バイオライダーに変身しようとした所で動きを止める。

「……ぅ」

 あの女から血を吸われていた少女が声を発した。
 このまま捨て置く事は出来ず、周囲をマクロアイの透視能力で確認し、他に誰も居ない事を確認して変身を解く。

「大丈夫か!」

 倒れている少女、学生服に身を包んだ、肩で揃えられた栗色の髪の少女を起こす。
 だが少女は小さく声を漏らすだけで、眼を覚ます気配が無い。

「……あの動き、人間に出来る動きじゃない」

 とりあえず病院に運ぼうと少女を背負い上げる。

「一体この街で何が起こっているんだ……!」







 その日、運命は変わる。
 この街で起こる『戦争』に関わる多くの者の運命が複雑に絡み合い、来るべき未来を大きく変える。
 そうして黒き太陽は、『世界』について多く知る事となる。













*あとがき*

書きたいから書いたのでチラ裏。
一応続くけど、書きたいところだけを書くので多分あと1~2話で終わる短編。

イメージはディケイドのてつをじゃなくて、RX本編のてつをで。
めちゃくちゃかっこよすぎ、ディケイドのてつをもかっこよかったけど。



[20127] その2
Name: BBB◆e494c1dd ID:d1278d24
Date: 2010/07/09 04:53
「てめぇ、本当にアーチャーか?」

 血のように赤い槍を一度振るい、首から下を包む青い軽装の鎧。
 短めの青い髪を立て、向かいに居る男を見る。

「さあな、セイバーかも知れんしキャスターかも知れんぞ。 はたまたアサシンかも知れんな」

 浅黒い肌に白の髪、赤い外套の下には黒。
 手には二本一対と思わしき短めの剣を握っている。

「抜かせ」

 つまらない冗談は嫌いだと言わんばかり、槍を持った男は構えなおす。
 対して二本一対の剣を握る赤い男は、ニヒルな笑みを浮かべて腕を下げたまま変わらずの構え。
 場所は学校のグラウンド、日は疾うに落ちて人気は無い。
 居るのは青の男と赤の男、そして一人の少女。
 赤い上着に黒のスカート、艶やかな黒髪をツインテールにして分けている。

「……そんな話、聞いてないんだけど?」

 ニコっと笑いつつも、怒りの雰囲気を漂わせて赤い男へと少女は声を掛ける。

「なに、基本的な戦い方は問題無い」
「それのどこが基本的なのよ!」
「二十七飛ばしてまだ持ってるなんざ、基本的とは言えねぇよな」

 赤い男と少女で一組、仲間だと言うのに形勢は青い男と少女に突っ込まれる赤い男。

「戦いに尋常など早々あるまいよ、増して英霊とあればな」

 そう赤い男が言えば、少女は苦しそうに声を漏らし、青い男は笑い声を漏らす。
 先だって少女が見た、青い男と赤い男の攻防は魔術師とは言え人間が踏み込める領域ではなかった。
 お互いに振るう得物は音速を超え、それでもなお互いに無傷。
 生身で音速を超える人間などこの世に存在しない、それを可能とするのは『英霊』と呼ばれる存在。
 人の限界を超え、讃えられるほどの優れた者たちが死して英霊の座に上った者たち。

 青い男と赤い男、共に英霊と呼ばれる人霊。
 故に音速などと言う馬鹿げた速度で攻撃を繰り出せる。
 その上各々の英霊には特色と言えるべき『宝具』を所有している。
 中には物理法則など易々と超越した効果を持つ物まである為に、尋常という言葉は英霊にとって似つかわしくない。

「……もう良いだろ? あまりだらだらと喋ってるのも面白くねぇ」
「だろうな、戦いを好みそうな顔をしている」

 そこからは無言、膨れ上がる重圧は少女の体を蝕み、意図しない声を漏らす。
 青い男は穂先を赤い男に向け、赤い男は穂先を向けられて腕を下げたまま。
 先の光景の焼き増しが起こる、少女はそう確信して。

「ランサーを打ち倒す貴方の姿、見せてもらうわよ」
「クッ……」
「……良い女になるぜ、うちのマスターを交換して欲しいくらいだ」

 この会話は合図などではない、そもそも既に戦いは始まっている。
 再度火蓋を切って落とす事は無い、大きく足を踏み込み槍を突き出す青い男。
 腕を翻らせて、槍の穂先に宿る死を剣で払い落とす赤い男。
 金属と金属がぶつかり合うような甲高い音、それを瞬く間に何十何百と鳴り合わせて、唐突に二人は同時に飛び退いて攻防を終わらせる。

「……おい、ちっとばかし手休めにしねぇか?」
「良いだろう、あまり見せられた物ではないしな」

 赤い男と青い男、ほぼ同時に視線をグラウンドの端へと向ける。

「……一般人、じゃなさそうね」

 二人が向けた視線の先、それに続いて少女が視線を向ければ男が居た。
 白を基調として襟と袖が黒の上着、下には白と黒のボーダー。
 ズボンは白一色、険しい表情を浮かべた男がこちらに歩いてきていた。

「どうするよ嬢ちゃん、あれを消すってんなら待つが?」
「……そう上手く行かんようだが」

 どう見ても普通ではない、二人の尋常ではない戦いを見ていたはずなのに、勇壮に見えるほどしっかりとした足取りで向かってきている。

「………」

 少女が無言で歩み寄ってくる男へと向き直り、赤い男は少女の背後に立つ。

「あまり待たせんじゃねぇぞ」

 それを見ていた青い男は赤い槍を地面に突き刺して手を離す、約束のつもりだろう。
 隙を晒してまで青い男は腕組みして待っていた。
 随分と軽そうに見えて義理堅い英雄ね、少女はそう考えて歩き出す。
 一メートル、ニメートルと距離が詰まり、十メートルほどの間を置いて少女と男が向き合う。

「……凛」

 赤い男が少女の斜め前に立つ、そうして少女は口を開いた。

「悪いけど、見られたからには記憶を弄らせて貰うわよ」

 魔術師にとって神秘と何も関係ない一般人に見られたら、その一般人に対して処置を施さなければならない。
 記憶を消したり、その命を奪ったり、方法はいくつかに分けられるが、結果として見られたことに関して喋れないようにする事。
 心の贅肉ね、わざわざ宣言する理由なんて無いのにそう言ってしまった自分に呆れつつ、少女は右手を上げるが。

「最近この街でおかしなことが起こっている」

 男の一言で少女は動きを止めた。

「俺が出会ったのは一人の少女が襲われているところだった。 襲った犯人は少女の血を吸い、人間には出来ないスピードで動き回った」

 男は少女から斜め前に立つ赤い男に、そして奥で少女と赤い男を待つ青い男へと向けられた。

「壁を跳ね回り、恐ろしい速度で鎖付きの剣を投げてきた」

 まさか、この男が遭遇したのはサーヴァント? 少女はそう考えて一つの疑問が浮き上がる。

「だから俺は考えた、あの存在と同じような者が他に居ないかと」
「……凛」

 赤い男、少女のサーヴァントである『アーチャー』の手には、二本一対の夫婦剣『干将・莫耶』がいつの間にか握られていた。
 そう、おそらくこの男が出会ったのはサーヴァント、そしてそのサーヴァントは敏捷性に優れた存在。
 敏捷に優れたサーヴァントと言えば向こうに居るランサーかアサシン、あるいは高い平均を持つ最良のサーヴァントであるセイバーくらい。

「……聞かせてもらうぞ、その男と向こうに居る男。 お前たちは一体何者なんだ!」

 何故この男はここに居るのか、何故サーヴァントと遭遇してまだ生きているのか。

「お前こそ一体何者だ、人を襲うサーヴァントと遭遇して無事で居られる筈は無かろう」

 アーチャーが言う通り、見逃される訳は無いはず。
 記憶を操作されるか、殺されているはず。
 だと言うのに、見る限り怪我はなさそうな男はしっかりと記憶し、話している。
 つまり、敏捷に優れたサーヴァント相手に逃げ切ったか、撃退したかのどちらか。
 それに思い至った少女の警戒心が見る間に跳ね上がる。

「サーヴァント、それがお前たちの正体か」

 男はアーチャーの問いを聞き、拳を握り締める。

「……罪無き少女を傷つけ、それを目撃した相手を軽々しく殺そうとするサーヴァントはこの俺が許さん!」
「待ちなさい!」

 サーヴァントと遭遇して生き残れると言う事は、相応の能力があると言う事。
 それは規格外を意味し、人間を超えていても不思議ではない存在。

「勘違いしないで、そんなルールも何も無いマスターとサーヴァントとと同列に見ないで欲しいわ」

(アーチャー、この男はサーヴァントじゃ無いわよね)
(ああ、近くに居るサーヴァントはランサーだけだ。 よってこの男はサーヴァントではない)

 口とは別に、アーチャーと念話で話す。

「お前たちが誰かを傷つけないと約束は出来るのか」
「少なくとも私は関係者以外傷つける心算は無いわ、それに無闇矢鱈に誰かを傷つければ教会から制裁が下る事になるし、そんなのはごめんよ」

(……どう思う?)
(少なくとも一般人ではあるまい、それに……)
(それに?)
(この男は人間の気配が弱い、おそらく魔術師でもあるまい)
(人間の気配?)
(………)

「誰も傷つけないと、約束は出来ないか」
「それは出来ないわ、この戦いの中でいつかはマスターの誰かを傷つける事になるから」

(いや、この男。 人間ではない)
(……まさか、死徒?)
(違う、この男は……!)

「……ならば!」

 男は意を決したように声を上げる。

「凛! 下がれ!!」
「変ッ、身ッ!!」

 男は飛び上がると同時に、一瞬だけ眩い閃光を放つ。
 目が眩むほどではあったが、すぐに視界が戻り、少女とアーチャーを飛び越えて着地する姿を見る。

「たとえどんな理由があろうとも、誰かを傷つけるようなサーヴァントはこの仮面ライダーBLACK RXが打ち倒す!」

 そこに奇妙な存在が居た、全身を黒と濃緑のスーツのようなもので包み。
 顔には大きく赤い、蜻蛉や飛蝗のような複眼。
 その二つの大きな複眼の間には触覚のような物が立ち、口元は銀色のマスクのような物で覆われている。

「うそ、本当に……」
「お前が仮面ライダーか」

 少女が霊体化したアーチャーを連れて登校した際に聞いた噂、この深山町に仮面ライダーが現れたと言う話。
 少女としてはどうでもいい話、いつもの猫を被って聞き流し、聖杯戦争の邪魔にならなければ良いのだけどと考えていた。

 『現代に生きる英雄』。
 『正義の味方』。

 世界を何度も守ってきた者たちの一人、眉唾物の大法螺話とも言われる。
 魔術師に置いてそのような話は信じるに値しない物、世間一般に知られる仮面ライダーの活躍が本当ならいくつもの矛盾点が浮き上がるからだ。
 特に大きな、世界の危機なら何故悪の秘密結社などと言う物を『抑止力』が滅ぼさないのかという議論が起きたりする。
 上がる答えとして『世界の危機と言うのはただ声が大きいだけ』、『抑止力が出張るほどでもなかった』とそれで決着が付く。
 ごく僅かに『彼らが抑止力が出張る前に事を収めた』と肯定的な魔術師も居るが、その者たちは大抵は歴史の浅い家系だったりするらしい。

「……どんな理由があろうともと言ったな。 ならばその人間を殺さなければ世界が滅ぶとしたら、どちらを取る気だ?」

 アーチャーは仮面ライダーを見据え、問い掛ける。
 その人間を助ければ世界が滅び、世界を救うためにはその人間を殺さなくてはいけない。
 悪辣な問い、理性か感情か、どちらかで返ってくるだろう答え。
 それを前にして、仮面ライダーは力強く第三の答えを選んだ。

「だったら俺はその原因を破壊しよう! どちらも犠牲にする事無く、誰もが幸せに笑っていられるように!」
「……貴様も溺れた存在か!」

 止めるより早く、睨む様に表情を歪めたアーチャーが駆ける、両手に干将・莫耶を持って。
 時速百キロを超える速度で迫るアーチャーを前に、仮面ライダーは構える。
 そうしてアーチャーが繰り出す攻撃、干将・莫耶の切っ先が容易く音速を超えて仮面ライダーを切り裂こうとするが。

「そんな攻撃で俺を傷つける事は出来んぞ!」

 鋏のように迫る斬撃を、アーチャーの腕を脇に挟むように平然と受け止める。

「トアッ!」

 仮面ライダーは上半身を捻り、そのままアーチャーを投げ飛ばす。
 それを見て不味いと少女は思った、『サーヴァントの攻撃に反応できる』。
 それは超常の戦いに割り込めると言う事を意味し、下手をすればサーヴァントすら倒しかねない。

「クッ」

 アーチャーは着地して体勢を立て直しながらも干将・莫耶を構えようとするが。
 それよりも早く仮面ライダーは飛び上がり、赤熱する右拳を引き絞る。
 アーチャーは体勢の立て直しには間に合うが、攻撃を避ける事が出来ないと判断して干将・莫耶を交差させて防御の体勢。

「RXパンチッ!」

 仮面ライダーの高速で放たれる拳が干将・莫耶に接触。

「グァッ!」

 パンチを受けた干将・莫耶は砕け散り、凄まじい衝撃を逃がしきれなかったアーチャーは激しく吹き飛ぶ。

「ッ、なんてでたらめ!」

 仮にもサーヴァントが扱う武器をただのパンチで砕く?
 それは武器に含まれる神秘が、ただの物理的衝撃によって破壊された事に他ならない。
 今までの常識を覆す、神秘はさらなる神秘によって覆されるというのに。
 無理やりな理由付けをするとしたら、あのパンチにアーチャーが使っている剣の神秘以上に強力な神秘が込められている、とか。
 ランサーの赤い槍がアーチャーの剣を破壊したのなら納得できる、実際相当な神秘が込められた宝具と思える。
 だが現実はただのパンチによって破壊された、凄まじい威力なのは理解できるがあれで宝具を破壊できるとは思えないと少女、『遠坂 凛』は考える。

 そうしてアーチャーを援護しようとして、おかしな状況に気が付く。
 浮かんだのはランサー、好戦的にしか見えないランサーが、仮面ライダーとアーチャーの戦いをただ見守るだけで済ますか。
 嬉々として割り込んできそうなのに、声の一つすら掛けないと、ランサーが居た方向を見ればこっちとは逆方向に駆け出していた。
 まさか仮面ライダーの能力を見て逃げ出した!? そう考えて間違いだと思い直す。

「あいつッ!」

 ランサーは逃げ出したのではなく、新たな『五人目』を排除しようとしていたのだ。
 校舎側の影、建物の影からこちらを見ていた人物。
 ランサーはそれに気が付き、仮面ライダーと戦うより先に目撃者を消しに掛かっていた。
 その誰かは間違いなく殺される、召還されるサーヴァントの中で一二を争うほど俊敏性に長けるランサーに、比ぶべきもないほど遅い人間が追いつけるわけが無い。
 絶対に間に合わない、それが分かっているのに駆け出した所で。

「そんな事はさせん!」

 仮面ライダーがおかしな構えを取った瞬間、全身から青い光を放ち、一瞬の光が収まった時にはランサーの前に立ち塞がっていた。

「……はぁ?」

 訳が分からない、今そこに居たはずの仮面ライダーが青く光った瞬間にはランサーの前に立ち塞がっていた。
 足を止めたランサーもその光景に多少困惑しているような、そんな印象を受けた。
 よく分からないけど、とりあえずアーチャーを……。
 遠坂 凛は立ち上がろうとしているアーチャーの元へ駆け出した。








「……てめぇ、一体何しやがった」

 ランサーはゲイ・ボルグの穂先を仮面ライダーに向けて問い質す。
 ランサー本人からして見たら、半透明の青い何かが視界内に入ってきたと思ったら仮面ライダーが進行方向に立ち塞がっていた。
 瞬間移動や空間転移、そう言って差し支えない速度でランサーの前に立ち塞がった。

「早く逃げるんだ!」

 目撃者、赤毛の少年は強く頷いて駆け出す。
 それを見てランサーは舌打ち、おそらく仮面ライダーを抜き去って追いかけたとしても、また自身の前に一瞬で現れるだろうと勘が囁いていた。
 故に行動は迅速に、ランサーは遠慮無しに槍を突き出し、仮面ライダーは反応するも完全に避けきれずに肩に浅い傷が出来る。

「速い!」
「てめぇはサーヴァントじゃねぇ、手加減無しで行くぜッ!」

 足を踏み込み槍を突く、その速度はアーチャーに放った時の比ではない。
 もとよりランサーは手加減せざるを得なかった。
 マスターの令呪による『お前は全員と戦え、だが倒すな。 一度目の相手からは必ず生還しろ』と言う強制命令に逆らう事が出来ず、サーヴァント相手に全力を出す事が出来なかった。
 だがサーヴァントではない仮面ライダーにその命令は効果を発揮しない、故にランサーは己の全力を持って槍を突く。

「グワッ!?」
「チィッ!」

 まるで数十の槍を同時に突き出しているかのように見える速度、槍衾を思わせる攻撃を仮面ライダーは受け続ける。
 その槍、ゲイ・ボルグの威力は強力だが、かつてのリプラスフォーム以上の硬度を持つRXフォームにより致命傷を防いでいたのだ。

「ヴアッ!」

 だがRXフォームは無敵ではない、次々に放たれる攻撃にRXは傷付き突き飛ばされる。
 ごろごろと転がりながらも立ち上がり、ゲイ・ボルグを構えるランサーを見る。

「……いや、てめぇに会えて良かったかもな」

 一度大きくゲイ・ボルグを振り払い、もう一度構えなおす。

「つまらねぇ命令でサーヴァント相手じゃ俺は全力を出せねぇ、命令の対象外だと俺とやり合えるほどの奴はいねぇ」

 そう言ってランサーは獰猛な笑みを浮かべてRXを見つめる。

「俺の望みは全力で──ッ!」

 ランサーは途中で声を止め、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。

「クソヤロウが!」

 RXへと向けていた穂先を収め、一気に飛び退いて離れていく。

「待てッ!」
「俺を追いかけていいのかよ、さっきの赤いコンビがあの小僧を追いかけて行ってるぜ」

 殺すかもな、とランサーは呟いて学校のグラウンドを横断し、塀を越えて闇に消えていく。
 RXはランサーを追い掛けようとしたのを止め、膝を突いて胸の前で腕を交差させた。
 瞬く間にRXから光が溢れ、その次の瞬間には別の存在が居た。

「どいつもこいつも、人間をなんだと思っているんだ!」

 RXは多段変身形態の一つ、バイオライダーに変身していた。
 RXと比べて小さくなった赤い複眼、そして青を基調として白の肩当てや腿当て。
 間接部分には赤で彩られた怒りの王子、空中に飛び上がると同時にバイオライダーの能力の一つ、体の一部ないし全身を液体化しての高速移動。
 ランサーに一瞬で追いつき立ち塞がったのもこの能力のおかげ、今度はそれを使ってあの赤いサーヴァントと少女を追いかけるバイオライダーだった。













*あとがき+

あと1~2話で終わると言ったな、あれは嘘だ。
あと2~3話で終わる短編だ。

基本整合性はあんまり考えていません、書きたいところだけ書いてるので話が飛び飛び。
と言うかFateの記憶が古くなってるんで、口調とか違うかも。
てつをも同じく。


目撃者の士郎をランサーが殺しに掛かる場面でRXが液体化で追いつき立ち塞がる、と言うのをやりたくてこんなになった。
つまりそのシーンに至る七割くらいが適当だったんだよ!

後ランサー関連でやりたいのが一つ、BLACK RXとFateを大体知ってる人には簡単に思いつくあれですが。
ライダーのも一つある、こっちは是非ともやりたい。




Question?

Fateの神秘ってより強い神秘によってしか打倒できないんじゃ?


Answer!

太陽の神秘!




[20127] その3
Name: BBB◆e494c1dd ID:d1278d24
Date: 2010/07/10 02:34
「チィッ! またてめぇか!」
「何度来ようとこの少年を傷つけさせはしない!」

 土倉の扉の前で、赤毛の少年が座り込んで青い槍兵と仮面ライダーの戦いを見つめていた。

「う゛ッ!?」

 やはり高速で繰り出される槍の突きは、RXの反応速度を超えて迫りRXを躍らせる。
 何度も繰り出されるゲイ・ボルグの穂先がRXの強化皮膚に傷を付けていく。
 そうしてRXは悟った、BLACK RXではこの男の槍捌きに勝てないと。
 さらに強化皮膚を切り裂かれ、屋敷の縁側の前に転がるRX。

「……手を抜いてるんじゃねぇだろうな、一瞬で俺の前に回りこんだスピードを何故見せねぇ!」

 ランサーからすれば、自身を上回るスピードを見せ付けたRXが手加減しているのかと、怒りの形相を見せるランサー。
 呻き声を漏らしながら立ち上がるRXは、その形相を見ながら問い掛けた。

「お前は……、お前たちはなぜそんなに非道になれる! 未だ大人にもなっていない子供たちを、なぜ簡単に殺そうとするんだ!」
「……答えりゃ、てめぇは全力を出すのか?」
「……ああ! 俺の全てで相手をしよう!」
「チッ、やっぱり手加減してやがったか。 良いぜ、答えてやる」

 穂先を向け槍を構えたまま、ランサーはRXの問いに簡潔に答えた。

「胸糞悪いが、命令だからな」
「なにっ!? 命令だからと言って殺すのか!」
「でなけりゃ好き好んで殺すかよ。 俺は殺すために戦うんじゃねぇ、死力を尽くした戦いをしたいが為に召喚に応じただけだ」

 だがそれも禁じられてるがな、とランサーは語る。

「……そうか、わかった! お前の願い、俺が受け止めてやる!」
「ッRX!」

 仁王立ちのように佇むRXを見て、赤毛の少年が叫んだ。
 魔術など扱えぬし魔力を感じ取れないRXに代わって、赤毛の少年が感じ取った。
 死力を尽くした戦いではなく、障害物として即座に殺す事を選んだ攻撃をランサーは放つ。
 切羽詰ったその警告を聞き取ったRXは全力で飛び上がり、突き出された槍を避けようとするが。

「そうもいかねぇけどな」

 まるで追尾するかのように、不自然に槍の軌道が跳ね上がってRXへと直進する。
 その異常はランサーが己の宝具、『刺し穿つ死棘の槍<ゲイ・ボルグ>』によって引き起こされたのだ。
 それは因果逆転の魔槍、『敵の心臓に命中している』と言う『結果』を作り、先に来るべき『過程』を後追いさせると言う、物理法則を覆す宝具。
 如何に素早く動き迫る槍から逃げようとも、既に『敵の心臓に命中している』と言う事実があるために、逃げる速度より速く迫り突き刺さる。
 心臓を貫かれても死ななかったり蘇生したりするか、槍の魔力を防ぐだけの障壁を展開するか、決定された運命を捻じ曲げるほどの強運を持つか。
 その三つの方法で逃れるしかない攻撃を、RXは四つ目の方法で迫る穂先を防いだ。

「……なんだそりゃ!?」

 赤い魔槍の穂先がRXの命、心臓とも言えるベルトのサンライザーに収められている『キングストーン』に向かって空を走る。
 だが当たる瞬間、RXが全身から青い水晶の輝きを放ってゲイ・ボルグの穂先がRXを貫いた。
 驚愕を浮かべたのはランサー、確かにゲイ・ボルグはRXを貫いた。
 貫いたのだが、貫かれた当のRXは全身が溶け出し、青い液体のようになって空を旋回。
 高速のスピードを持ってランサーにバイオアタック、ランサーは咄嗟に槍を盾としたがすさまじい衝撃を受けて飛ばされ。
 勢い余って塀を壊して道路に飛ばされたランサーは立ち上がり、穴が開いた塀の向こう側、青い液体が人型を取って着地する存在を見る。

「アールエックスッ! バイオライダッ!」

 青と白、そして一部の赤で彩られた多段変身形態の一つ、バイオライダーがそこに居た。
 そう、バイオライダーはランサーが放った『刺し穿つ死棘の槍<ゲイ・ボルグ>』を、全身を液体化して『心臓を無くす』と言うとんでもない方法で避けたのだ。

「何て恐ろしい攻撃だ、だがそれはもう効かんぞ!」
「……そりゃこっちの台詞だ!」

 あまりの驚き、5メートルほど離れた塀沿いに居た赤いコンビに気が付かず、ランサーは槍を構えバイオライダーに向かって走りこむ。

「それがてめぇの全力か!」
「バイオブレードッ!」

 向かってくるランサーを見てバイオライダーは左腰付近で光を結晶化させ、作り出した細身の剣で槍と打ち合う。
 先ほどまでランサーのその速過ぎる槍捌きを前にただ防御するしかなかったRXが、バイオライダーに変化してからまったく見劣りしない速度でバイオブレードを振るい対抗する。
 打ち合うごとに火花が散り、熾烈すぎる攻防を演じる。

「お前の全力、受けきってやるぞ!」
「やってみろッ!」

 学校で演じられたランサーとアーチャーの攻防、それを遥かに凌ぐ。
 人間どころか生半可な英霊でも決して踏み込めない神速の領域、何度も何度も火花を散らせて槍と剣が打ち合う。

「ッ、やりやがる!」

 一瞬で百の打ち合いを紡ぎながらも、ランサーにとって許容しにくい事実をバイオライダーは作り上げる。
 それは水平に降る槍の雨のような攻撃を前に、バイオライダーは悉く打ち弾きながら前進すると言う事実。
 そうして槍のアドバンテージ、剣より長いリーチが少しずつ埋められていく。

 この時、ランサーは自身の敗北を悟った。
 目の前で突き出す槍を叩き落しつつ接近してくるバイオライダーの異常性を、その特性を使わず剣だけで打ち合っている事に。
 ランサーの全力を受けきると断言したバイオライダーは、律儀に液体化を使わずに戦う事に。
 宝具ではなく、自身が信頼を置く槍捌きの技術を持ってして、剣を弾き飛ばせず貫けないバイオライダーに負けを認めていた。
 だからと言って攻撃を止めるなどと言う行動は見せない、最後の最後まで死力を尽くす戦いを望むランサーはバイオライダーに打ち倒されるまで槍を振るう。

 ……無論、それを認めない者が居なければの話だが。

「!? 逃げるのか!」
「下衆が! てめぇだけは絶対に殺してやる! 絶対にだ!!」

 バイオライダーの言葉を聞かず周囲に絶叫するように、猛烈な怒りに顔を歪ませてランサーは飛び退き屋敷から離れていく。
 あまりの形相に、その行動がランサーの本意ではないとバイオライダーは悟って追いかけようとしたのを止める。

「……一体何が起こったんだ」

 とりあえずバイオライダーはこの屋敷の子供であろう赤毛の少年に走り寄る。

「怪我はないか!」
「な、ないです……」
「それは良かった」

 バイオライダーは安堵して、赤毛の少年を見る。
 一方見られる赤毛の少年は、バイオライダーに隅々と視線を向けて一言。

「やっぱり本物、仮面ライダー……!」

 それは歓喜の声、欲しい物をプレゼントされて喜ぶ子供のような。
 バイオライダーは赤毛の少年を立たせて。

「すまないがまだ終わっていない、もう少しここで待っててくれ」
「終わってない……?」

 バイオライダーは振り返り、壊れていない塀の向こう側を見て。

「そこに居るのはわかっているぞ!」

 バイオライダーが指を刺して、塀の向こう側に居る存在を声を掛ける。
 向けた指差しは少しずつ動き、ランサーがぶつかって穴を空けた塀から姿を見せる存在。

「こんばんは、衛宮君。 それと、仮面ライダー」
「また狙いにきたのか!」
「と、遠坂……?」

 現れたのは遠坂 凛と、RXが殴り飛ばしたアーチャーだった。
 衛宮と呼ばれた赤毛の少年の前に、壁になるように立つバイオライダー。
 同じように遠坂 凛の壁になるように立つアーチャー、その表情は眉を顰めてバイオライダーと少年を見ていた。

「いえ、誤解があるようだから話に来たの」
「誤解だと!?」
「その通りよ、確かにあの時傷つけることになると言ったわ。 でもそれは敵のマスターが抵抗した時の話、素直に令呪を放棄するなら何の危害も加えないわ」

 そう言って遠坂 凛は右手の甲を、バイオライダーに見せ付ける。

「これが令呪、己のサーヴァントに対しての絶対命令権。 これを所有している限り、自身が召喚したサーヴァントが負けて消滅しても、同じくマスターを倒されたサーヴァントと契約でき……」

 バイオライダーは途中で止まった遠坂 凛を訝しむが、向けられている視線がバイオライダーではなく後ろの少年。

「令呪……!」

 そう言った遠坂 凛の声と同時に、バイオライダーは少年の左手の甲に刻まれた令呪を目撃する。

「……そう、衛宮君も魔術師だったわけね。 まんまと騙されたわ」
「いや、俺は魔術師なんかじゃないぞ」
「それじゃあ、魔術師になれる素質があるわけね……」
「いや、素質は無いと思う」
「なわけないでしょう! 令呪は魔術師か、魔術師になれる才能がある者にしか現れないのよ!」

 猫を被る事を忘れてカァーッ! と口を開けて言うが衛宮と呼ばれた少年は淡々と否定する。

「俺は魔術師と言うか、半人前で魔術使いって言った方が良いと思うんだ」

 そう言った所でバイオライダーが割り込む。

「ちょっと待て! 魔術とか魔術師とか、あんなものが人間に使えるはずが無いだろう!」

 無論バイオライダー、と言うか南 光太郎にとって魔術と言う不可思議な物に苦しい思いをさせられ、あんなものを人間が使えるとは思えなかった。

「……良いわ、余計な誤解を解くためにもしっかり話し合いましょう。 衛宮君にとっても関係ある話だから」

 遠坂 凛はにっこりとバイオライダーと赤毛の少年、『衛宮 士郎』に含みのある笑顔を向けるのであった。












*あとがきぇ*

何処にでも現れる男! 仮面ライダッ!

感想でそれっぽくないと指摘いただきましたが、fateは疾うの昔に手放して持っておりませぬ!
と言うわけで○○もどきになってる可能性がかなり大きいのです、と言うわけですみません!

いやまぁ、思いついたシーンを書いてるだけなので。
今回は刺し穿つ死棘の槍を液体化で避けさせたかっただけですので、軽く「チートライダーwww」的な感じで見ていただけると。
つまり話の9割以上適当なのです、時系列とか話の前後などもうぐちゃぐちゃよ!


……ピンチに駆けつけるのが仮面ライダーだから、いよいよやばくなって召喚されるセイバーさん涙目。
もしかしたらアルトリアさん出番なかったりして、ライドロンもあるしなぁ……。


次はライダー関連か。
ライダー、ライダー、仮面ライダー。
アクロバッター見たら乗りたがるか……?


『追記』
魔術知らねぇとかありえませんでしたね、ちょこっと修正。


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