マツダ工場暴走事件で、広島県警の捜査本部は10日、被害者や目撃者の立ち会いのもと、工場内の現場で実況見分を始めた。同社の社員12人がはねられた11カ所の現場ごとに当時の状況を再現し、容疑を裏付けていく。
午前9時ごろから、殺人未遂容疑などで逮捕された同社の元期間社員引寺(ひきじ)利明容疑者(42)=広島市安佐南区上安2丁目=が侵入したマツダ本社宇品工場(広島市南区)の東正門付近の最初の現場から始めた。
犯行に使われたとみられる車と同型の青い「ファミリア」を使い、引寺容疑者が東正門に入るまでの速度や侵入角度などについて、目撃していた社員2人に聞き取りながら再現した。侵入直後に2人がはねられた現場では、被害者に加え、そばで目撃していた社員に車と被害者の位置関係を聞き取った。
捜査本部は、亡くなった浜田博志さん(39)=東広島市高屋町=がはねられた現場でも当時の状況を詳しく調べる。
【写真説明】目撃者の証言に基づき、東正門からマツダ本社宇品工場内に入る車の経路などを確認する広島県警の捜査員(10日午前9時20分、広島市南区)
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