【エルサレム花岡洋二】イスラエル政府は5日、パレスチナ自治区ガザ地区の封鎖を緩和する措置として、搬入禁止の具体的品目を発表した。これまでは搬入できる物資約100品目(非公表)を決めていた。
今回の発表は、武器や軍事転用可能な物資以外の「すべての民生品」搬入を許可する方針を先月下旬に決めていたのを受けたもの。
禁輸品は▽ミサイル関連資材▽(発射用燃料などに使われる)化学薬品▽(防護服などの)カーボンやガラス繊維▽船--など。また国連など国際機関が実施し、かつ自治政府が監視する事業で使われる資材は政府の許可を得て搬入が可能となる。対象はセメント、砂利、コンクリート製品、鉄鋼、アスファルト、四輪駆動車、厚さ2センチ以上の木板--など。
イスラエル軍は封鎖について、「ガザ地区はテロ組織(でイスラム原理主義組織)ハマスに支配されており、国民をテロから守るために必要」な措置だと説明している。
5月末のガザ支援船襲撃事件で、封鎖が国際的な批判を受けてから、政府が緩和措置を検討してきた。封鎖に厳しい姿勢をとるオバマ米大統領とネタニヤフ首相が6日に米ワシントンで会談するのを前に、発表されたとの見方も出ている。
一方、ガザ地区の再建には、▽民間建設事業用の資材搬入▽人の自由な移動▽輸出の再開--が必要だとされているが、今回は緩和対象とならなかった。
毎日新聞 2010年7月6日 東京夕刊