<シリーズ アフガニスタンは今>復興資金はどこに消えた |
2008年6月、パリでアフガニスタンの復興に向けた支援国会議が開かれ、200億ドルの支援が約束された。タリバンによる反政府活動を阻止し、拡大する貧困に歯止めをかけるのが目的だった。復興が始まって9年が経過する中、いっこうに国民の生活は豊かにならず、首都カブールでさえ飢えで亡くなる人が後を絶たない。こうした事態を打開するためだ。 しかし、巨額な国際資金援助は、助けを必要とする人々の元に届いていていない。支援の最優先に掲げられている教育機関の整備は遅れ、一方で高級住宅街では次々と豪邸が建てられている。邸宅の所有者は警視総監や高級官僚たちだが、彼らの月給ではとても建てられない豪華さだ。援助をもとに作られた道路や病院を対象に行われた調査では、さまざまな不正や汚職が発覚している。 貧困が深刻化する一方で、まん延する汚職。やるかたない貧富の差のかげで、アメリカなど支援国に対する人々の不満がくすぶり続けている。番組は、それが民主化や復興を妨げ、さらにタリバン復活の追い風となりかねないと警鐘を鳴らす。 原題: Afghanistan, On the Dollars Trail 制作: Premieres Lignes Television/ AMIP(Canal + / Planète) (フランス 2009年) |