一躍表舞台、「民主党らしさ」の真価問われる玄葉氏
2010/06/26 13:12更新
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【松本浩史の政界走り書き】
「民主党らしさとか、闊達な気風とか、一人一人をもっと生かすようなシステムとか、そういうものをつくりあげていこうと少し動き出しています」
菅政権の誕生を受け、党政調会長とともに公務員制度改革担当相に就任した玄葉光一郎氏は、「味の手帖」(6月号)で、キッコーマンの茂木友三郎会長と対談し、民主党がこれからどうあるべきか、自身の考え方の一端を明かしている。
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記事本文の続き 「民主党らしさ」とは何か。「子ども手当」や高校無償化など有権者にバラマキ政策一辺倒ではなく、市場主義を取り入れて、規制緩和による経済の活性化を図る改革路線に舵を切る。党の風通しをよくし、民主的な意思決定ができるような環境醸成-といったところだろう。前幹事長だった小沢一郎氏の政治姿勢とは一線を画しているところが、玄葉氏ならではの立ち位置である。
県政史上最年少の26歳で初当選を飾った福島県議のときは、自民党に所属していた。このため、平成5年、衆院選に初出馬した際は、自民党からの出馬を模索した。
自民党古賀派(宏池会)の関係者は、若き日の玄葉氏を覚えている。
「『派閥幹部が連れてきたが、自民党にはすでに公認候補がいて出馬はかなわなかった」
それでも国政への夢断ち難く無所属で立候補し当選を果たす。政界で「もし」は禁句だが、巡り合わせとは分からないとつくづく感じる。そのとき自民党から出馬していれば、今のような枢要なポストにはおらず、「閣僚適齢期」とされる当選6回でありながら、野党暮らしに甘んじていたことになる。
枝野幸男幹事長とは同年齢に当たり、前原誠司国土交通相とは松下政経塾の同期だが、2つ年下になる。ちなみに、前原氏とは政経塾では同部屋で、その縁で前原氏を「兄貴分として慕っている」(周辺)といい、前原氏を支える議員グループ「凌雲(りよううん)会」の名付け親でもある。
3人とも新党さきがけ出身。30歳前後から自社さ政権下で政治の動かし方を目の当たりにしてきた。だが、外交・安全保障問題で頭角をあらわした前原氏、薬害エイズ事件の解決に尽力し脚光を浴びた枝野氏と比べ、玄葉氏はやや地味な印象だった感は否めない。
ライフワークとして取り組んでいる地域主権改革というテーマが、国民の関心をそれほど集めていない事情もあるだろう。岡田克也外相が代表当時に選挙対策委員長を務めるなど裏方の党務に汗を流してきたこともある。
今回、重責を担う役職に抜擢(ばつてき)されたのは、菅直人首相から厚い信頼を得ていたためだ。もっとも、さきがけ当時、べつだん菅氏と親しかったわけではなく、急接近したのは、最近になってからだ。
民主党関係者によると、玄葉氏は今年に入り、財務相だった菅氏に成長戦略の重要性と消費税論議を避けないよう訴え続け、そのやり取りを通し、菅氏が玄葉氏の能力を認めたという。成長戦略と財政規律の両立を目指し、衆参両院の国会議員115人による「国家財政を考える会」を立ち上げたのはこのころだ。
玄葉氏が政調会長就任後の記者会見で、消費税率の引き上げについて、「まずは成長戦略の実現で自然増収を目指すことが何より大事だ」と指摘。そのうえで、「(歳出削減努力が)目標額に到達しなければ、別の形で財源を確保する」と説いた。この経済政策は、菅氏が首相に就く前から腹合わせができていたとみてよい。
日の目はみなかったが、玄葉氏が菅氏と頻繁に接触していたころ、成長戦略を担当する立場で政府入りする人事が検討されたほどだ。だが、玄葉氏は、衆院財政金融委員長を務めていたため、常任委員長が政府の役職を兼務することはできないと定めた国会法の規定により、見送られている。
参院選では、民主党の優勢が伝えられ、菅政権は存続する見通しだ。玄葉氏の真価が問われるのは、そこからである。選挙後には平成23年度予算の概算要求が本格化し、その中で、マニフェスト(政権公約)で掲げた各種政策をどう落とし込んでいくのか。超党派による消費税協議にも道筋をつける必要がある。
ましてや鳩山政権下で廃止した政調を復活させたとなれば、政府・与党内調整の責任が重くのしかかる。自民党政権下で暗躍した「族議員」の台頭で、身動きが取れない窮地に追い込まれないともかぎらない。
玄葉氏に近い民主党中堅は、早くも気をもんでいる。
「若手議員が多数を占める民主党にあって、霞が関や業界団体と接触する機会が増えれば、すぐに取り込まれてしまうかもしれない。そうなれば、民主党政権の金看板である『政治主導』が色あせてしまう」
玄葉氏の実家は、約200年続く造り酒屋で、現在は、大手商社を退職した実弟が8代目として、地元・福島で切り盛りしている。長男の玄葉氏に家業を継がせたかった両親は、政治の道に入ることには否定的だった。
「人生二度なし」。玄葉氏は、政治にかける自身の志をこう語る。鳩山由紀夫前首相の退陣を受けた菅政権は、いわば民主党政権の第2幕。主役の一人となった玄葉氏の言動は、陰に陽に政権基盤を左右する。
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