受刑者の楽しみが…大相撲中継中止で刑務所苦慮

　野球賭博問題をめぐりＮＨＫが生中継を中止した大相撲名古屋場所について、受刑者の自由時間にテレビ放映してきた刑務所は対応に苦慮している。

　法務省によると刑務所では通常夕食後の自由時間にテレビ視聴を許可。番組は各施設が決める。場所中は連日中継を放映してきた府中刑務所（東京都）では、ダイジェスト番組を録画して翌日放映することに決定。担当者は「娯楽として楽しみにしている受刑者も多い」と話す。また、名古屋刑務所（愛知県）はダイジェスト番組が視聴可能かを検討中で担当者は「もし視聴できなければ残念に思う受刑者もいるだろう」と心配する。

　大相撲ファンの多い高齢者施設も頭を悩ます。大阪府茨木市のデイサービス施設「癒す手」の生活相談員の女性（５１）は「通所者が楽しく語り合える人気番組だけに中止は残念」。ダイジェスト放映に「その分、面白い相撲特集を流すなどの工夫をしてほしい」と訴えた。

[ 2010年07月10日 ]