飛行船、Blimpものつくり(26) 日本飛行船、、本日の飛行船、、また飛ぶ日が その3
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飛行船は温度に敏感です。ツエッペリンNTはエンベロープ容積がトータル8400㎥あり、バローネ ットが15%の時ヘリウムの容積は約7200㎥ですので、ヘリウムが外気温と1度C違うと30Kgの浮力が異なります。
この計器をEPI-TUと呼びます。左がヘリウムのスーパーヒート(外気温から何度高いか低いか)を表し、右がOAT,すなわち外気温です。
どこにあるかというと、2009年2月25日の記事でも示した写真の左機長の右腕付近、、
小さい計器ですがこれが示す数値は、今から飛ぶペイロード(乗客、水バラスト、燃料、荷物)で飛行ができるかどうかの判断になる重要な計器です。ウエイトアンドバランスといい、バラストの水、燃料、ヘリウムの量などでちょうど良いスタティックヘビネス(静重量)、350Kg程度に調整します。
飛行中にも注意しましょう。地上にいるときは太陽光などでヘリウムは暖められますが、飛行中は高度も有り、冷やされます。もしスーパーヒートがかなり小さくなると浮力がなくなるのでパイロットは焦るのです。でも、燃料も消費するし、水バラストもあるのでバランスはできます。スーパーヒートが小さくなってそれから大きくなるともっと焦るかもしれません。飛行船が浮いちゃいます。でも最後はエンジン(左右のプロペラの)マイナス推力でカバーしますのでご安心を。これはツエッペリンNTがプロペラのスイベル機構を有するから可能になっています。
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比較的最近の飛行船です。晴海埠頭での着陸態勢を捉えています。
着陸モードにセットし、ホバリングしながら周囲の風を読み感じて船体を徐々に着陸地点にコントロールしていきます。
カメラのビデオモードからキャプチャーした連続写真です。慎重に着陸していきます。
パラモーターもそうですが、周囲の木や橋、丘などで風が変化し、それを予測し、できればそれを避けることが鉄則です。主にローターと呼んでいます(障害物の後方にできる不規則な渦)。読み間違えると空飛ぶバイクのようなパラモーターではケガの元です。一方、長さ75mの船体は小さな変化にも反応します、それは操縦でカバーしますが、大きな変化に対応するためにそれなりのマージンを持って着陸体制に入ります。
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三本の桁(ロンジェロン)が前で一つになります。このノーズの部分で一つの構造になることにより、マストに係留中にマストからの力を飛行船全体構造へ均等に伝え、分散することができます。このことにより、台風に近い風の中でもモアリングとフライオン(マストに係留されたまま風の中に漂うこと)することが可能になります。
手前下に見えるのが前に配置されたバローネットです。
バローネットには5つの主な機能があります。
一つ目は飛行船の前後のトリム(ピッチトリム)を取るためにあります。すなわち飛行船の前後アンバランスを補正します。これはパイロットがそのバルブを開閉することでバランスを取ります。なお、圧力は一定である必要があるため一方に空気を送り込めば一方は自動的にバルブを開いて、空気を大気に逃がします。
二つ目はヘリウム容積の増減を吸収するためにあります。すなわち、船体の形状を維持するためにエンベロープ全体の容積はほぼ一定である必要があります。ヘリウムが少ない場合はバローネットを空気でふくらませて全体として同じ容積を保ちます。
三つめは、ヘリウムが閉じこめられている部分が圧力や温度で容積が変化しますのでそれを吸収するためにあります。上昇すれば確実にふくらみます。これの補正を行います。
飛行船がどんどん上昇すればバローネットがどんどん小さくなり、最後は前後のどちらかがペッタンコになります。この時が飛行船の上昇限界高度になります。標準大気条件での仕様(カタログでの数値)は決まっていますが、実際は低気圧や高気圧の中を飛んでいるし、気温は違う、太陽光の当たり方、雲、昼夜、雨、湿度、ヘリウム純度、スーパーヒートなど、様々な条件で上昇限度は刻々と変化します。
四つ目は、エンベロープ全体の圧力を制御する役目があります。だいたい200~600パスカルくらいの範囲ですが、これはエアーバルブの開閉圧力を指示することで行います。自動制御モードもあります。
もちろん5つ目としては少し趣が違いますが、空気バリアーおよびヘリウムバリアーでなければなりません。また、形状がしょっちゅう変わるので、耐久性も要求されます。
(注記:写真は飛行船の構造などを説明するためにAirship Ventures Inc.の web siteの写真を引用しました。)
Note:This photo shows the internal structure of Zeppelin-NT, partially taken from Airship Ventures Inc. web site. Explanation here is original but contents are known at public publications such as magazines, papers, Zeppelin web site, etc. If anything for comment, please send it via comment column. I will respond.)
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