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【主張】参院選あす投票 日本の迷走正す選択を 見極めたい国民の安全と繁栄

2010.7.10 03:19
このニュースのトピックス主張

 日本が危機的な状況を乗り越えることができるかどうかの岐路に立っている。あす11日に投票日を迎える参院選が持つ極めて重要な意味合いをこう指摘したい。

 鳩山由紀夫、菅直人の首相2代にわたる民主党主導政権による迷走と失政を是正するか、それとも継続を認めるかが問われているからである。

 有権者に直視してもらいたいのは、日本の生存と繁栄が危うさの中にあることだ。北朝鮮の攻撃による韓国の哨戒艦撃沈事件は、日本周辺の安全保障環境がいかに悪化しているかを示している。

 それなのに、鳩山前首相により米軍普天間飛行場移設問題は「解決不能」ともいえる状況に追い込まれてしまった。日米同盟が機能しないことは日本の安全が維持されないことを意味する。

 ◆議論から逃げた首相

 子ども手当や農家への戸別所得補償に代表されるばらまき政策は一部修正されたものの、基本的な考え方は変わっていない。

 菅首相が提唱した消費税増税も「腰だめ」のような発言が続いたことで信頼を大きく損なってしまっている。これ以上の政治の混乱や暴走は国を危うくしかねない。選挙結果が持つ意味を深くかみしめ、大切な一票を投じる眼力を持ちたい。

 迷走を一段と深刻化させているのは、首相の消費税増税をめぐる発言の軽さである。選挙戦直前に消費税増税に向けた議論の必要性を提起し、自民党が掲げる「当面10%」を「参考にする」と具体的な税率にも言及した。

 だが、与党や国民の間に増税論への反発が広がると「与野党協議を提案するところまでが公約だ」とトーンダウンし、低所得者対策の還付制度をめぐり200万円から400万円まで異なる所得水準を挙げた。

 発言の揺れを批判されると「1ミリたりともぶれていない」などと反論したが、終盤戦では反発を恐れて演説で消費税に触れない場面もあった。こうした姿勢が消費税増税をかえって遠ざける結果になるとすれば、きわめて残念だ。

 不可思議なのは民主党内で消費税上げに対する意見が割れ、いずれが党の見解なのかわからないことだ。小沢一郎前幹事長が首相の増税方針に強い異論を唱えていることである。

 小沢氏は鳩山前首相とともに政治とカネの問題で国民の信を失わせた張本人だ。しかし、菅首相は両氏とも辞任によって「一定のけじめがついた」と不問にした。中途半端な姿勢ではなかったか。

 首相が掲げる「第三の道」は、増税したとしても医療・介護などの成長分野に支出し、税収増で財政を再建できるというものだが、机上の計算を日本経済で実験するやり方は無責任だ。

 ◆「ねじれ」を恐れるな

 焦点の普天間問題も、首相は8月末に日米合意に基づき移設先の位置や工法を決定しなければならないが、その後、いかに沖縄側と協議していくのか。事態の解決に向けて動こうとしていない。

 選挙戦のさなか、ロシア軍が日本固有の領土である北方四島の択捉島で軍事演習を行ったほか、中国海軍のミサイル駆逐艦とフリゲート艦が沖縄本島西南西の公海上を東シナ海から太平洋に向け航行した。これらは日本の対処能力を見透かしたような行動と受け取れよう。だが、各党とも積極的に取り上げようとしないのは問題である。国家主権や安全保障への確固たる姿勢を示してもらいたい。

 首相は選挙中に「サミットに出る首相が毎年代わっていいのか」と訴え、政権が安定しなければ国際的信用を失い、国民生活も守れないと説明した。参院で与党が過半数割れすれば衆参両院の「ねじれ」が生じ、政権運営が困難になることを訴えたいのだろう。

 だが、「ねじれ」は政権の迷走と失政に歯止めをかけることでもある。国民が不利益を被ると決めつけるのは説得力に乏しい。

 自民党など野党は、参院で与党を過半数割れに追い込むことで「民主党政治にブレーキをかける」と訴えている。選挙後、現状の政治の是正にどのような姿勢で取り組もうとしているのかも明確にしてほしい。

 各党公約には、民主党が外国人参政権に言及していない問題などもある。投票前にきちんと読み返し、書かれていることの評価と、書かれていないことへの洞察が必要だ。日本の危機を克服することができる政党と政治家の真贋(しんがん)を見極めることが求められている。

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