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参院選:11日投開票 菅首相「消費税発言が影響」と釈明

菅直人首相=首相官邸で2010年6月8日、梅村直承撮影
菅直人首相=首相官邸で2010年6月8日、梅村直承撮影

 第22回参院選は11日投開票され、昨年9月に発足した民主党政権が初めて国民の審判を受ける。国民新党などとの連立与党で過半数を維持できる56議席に達するかが焦点。民主党にとっては毎日新聞が7、8日実施した全国世論調査で内閣支持率が43%に急落する厳しい情勢で、過半数割れを見越した与野党間で「連立組み替え」の駆け引きも始まる中、選挙戦最終日の10日を迎えた。

 菅直人首相は9日、山形県天童市で記者団に「私が消費税に触れたことが、すぐに引き上げるのではないかという心配につながったのかもしれない」と語り、自らの発言が選挙情勢に影響を与えていることを認めた。街頭では「次の衆院選までは消費税は1円たりとも上げないと言ったつもりだった。残念ながら伝わりきらなかった」と演説するなど、消費税問題の釈明に追われる形になっている。

 参院の定数は242で、3年ごとに半数の121議席が改選される。全国に12ある改選数2の選挙区(2人区)は民主、自民が1議席ずつ分け合う「すみ分け」傾向が今回も続く情勢で、主戦場は29ある1人区。沖縄を除く28選挙区で民主、自民両党の公認・推薦候補が激突する。

 消費税発言への反発は都市部より地方で強まっており、山形など1人区の民主党候補は影響に神経をとがらせる。菅首相は同日、青森にも入り、八戸市で「政権交代を10カ月で逆戻りさせるのか、もっと前に進めるのか」と訴えた。選挙戦終盤は「安定か、混乱か」の選択を呼びかける演説が目立っている。

 連立与党の非改選議席は66。今回、菅首相は改選議席の54以上を目標に掲げるが、1人区で自民党に負け越すようだと、その達成も難しい。国民新党は1議席の獲得も微妙な情勢。民主党内では小沢一郎前幹事長らが首相の消費税発言を公然と批判しており、目標を割り込めば首相や党執行部の責任論が出ることも予想される。

 民主党の枝野幸男幹事長は9日、高知市で記者団に「憲法では首相を選ぶのは衆院。300を超える方に指名をいただいた基本は変わらない」と述べ、参院選の結果にかかわらず首相は続投すべきだとの考えを強調。厳しい情勢認識を背景に、党内をけん制した発言と言えそうだ。

 「与党を過半数割れに追い込めなければ辞任する」と明言してきた自民党の谷垣禎一総裁は9日、千葉市で記者団に「ちょっと油断すると一遍に押し返されてしまう」と述べ、党内の緩みを警戒。同党は「消費税10%」を公約しており、街頭演説では「菅さんは自民党との差をなくして争点をつぶすために消費税を提起した。こういう手練手管の姿勢では日本をリードする政治は生まれない」と民主党批判を強めた。

 公明党や新党改革、たちあがれ日本も消費税引き上げは否定していないが、みんなの党や共産、社民両党に加え与党の国民新党も消費増税反対を訴え、それぞれ民主党批判票の取り込みを図っている。【野原大輔、山田夢留】

毎日新聞 2010年7月9日 21時46分(最終更新 7月10日 0時17分)

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