日向で豚出荷再開 南日本ハム操業開始

(2010年7月5日付)

 日向市で口蹄疫発生に伴う家畜の移動・搬出制限が解除され、移動制限区域に含まれ操業を停止していた食肉処理施設の南日本ハム(同市財光寺)が4日、豚の受け入れを再開した。市内では養豚農家9戸すべてが約3週間ぶりに計400頭ほどを出荷。「餌代もかかっていたので正直ほっとした」といった声が聞かれた。同施設の処理能力は1日当たり豚1200頭で、5日から処理を行う。

 JA日向肉豚部会長の黒木章夫さん(53)=同市塩見=の農場では4日、出荷適期を迎えた80頭を南日本ハムへ運んだ。黒木さんは週50頭ほどを出荷していたが、市内農場で口蹄疫が発生した6月10日以降は出荷が停止。餌代はかさみ、豚舎は頭数が増えたことで窮屈になり成育にも影響が出始めていたという。

 出荷再開に「正直ほっとしている」と胸をなで下ろす一方、「まだ県全体の制限は解除されておらず、気は抜けない。原因を究明して二度とこういうことが起きないようにしてほしい」と話していた。

 市対策本部によると、市内では畜産農家176戸が依然として都農町の発生農場を中心とする搬出制限区域に含まれている。また、競り市は再開されておらず、和牛繁殖農家などへの影響が続いている。

【写真】家畜の移動・搬出制限が解除され、受け入れを再開した南日本ハムへ豚を出荷する農家=4日午後、日向市塩見