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【口蹄疫】種牛エースも殺処分へ
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口蹄疫拡大で、宮崎県は22日未明に記者会見し、避難させた種牛6頭のうち1頭について、2回の遺伝子検査で陽性となり、感染疑いを確認したと明らかにした。6頭の中でも精液の供給量が最も多いエース「忠富士」で、同日中に殺処分する。
残り5頭は、宮崎牛ブランドを支える種牛を守るために農林水産省と協議の上、例外措置として、約1週間、経過観察することを決めた。
本来、疑い例と同じ場所で飼育中の牛や豚はすべて処分することになっている。5頭も今後発症するなどして殺処分となった場合、宮崎県は計55頭いた種牛すべてを失うことになり、畜産王国は大きな危機を迎える。「松阪牛」で知られる三重県など子牛の出荷先への影響も必至だ。
政府の現地対策本部は22日、川南町などの発生農家から半径10キロ圏内の牛や豚全頭へのワクチン接種開始に向け、準備を進めた。接種対象は約20万頭で、接種後は全頭を殺処分する。
県によると、6頭は人工繁殖用の精子提供の9割を担い、13日に高鍋町の県家畜改良事業団から西都市の仮設牛舎に避難させていた。19日と20日に忠富士から採取した検体が陽性となった。
忠富士を含め、県内12カ所で牛と豚計21頭が感染疑いとなり、被害地域は西都市と木城町を合わせ2市5町に拡大。発生農場などでの処分対象は計約13万3千頭に上る。事業団に残った種牛49頭は既に処分方針を決めている。
殺処分された牛や豚の埋却地について山田正彦農水副大臣は21日、同県新富町の航空自衛隊新田原基地も「候補の一つとして考えている」と述べた。