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【プロ野球】

ノムさん退院後初観戦 帰ったら因縁のリンデン逆転弾

2010年7月9日 紙面から

球場を後にする際に報道陣に囲まれる楽天の野村名誉監督(右)=午後8時58分、Kスタ宮城で

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◆楽天5−4ロッテ

 楽天ナインが快気祝いの大きな白星をささげた。この日は解離性大動脈瘤(りゅう)の疑いで入院していた野村克也名誉監督(75)が退院後、初めて視察に訪れた“御前試合”。4点のリードを見事にひっくり返し、4月30日〜5月2日のオリックス戦(Kスタ宮城)以来の3連戦3連勝を飾った。

 勝利の立役者は昨季、当時の野村監督とひともんちゃくがあったリンデンだ。1点を追う8回だ。1死二塁で、薮田からバックスクリーンに飛び込む逆転の4号2ランを放った。昨季はクライマックスシリーズ(CS)直前に首脳陣批判をしてノムさんを怒らせ、出場登録抹消されたリンデン。その後も軽装で謝罪に訪れ、さらに険悪なムードにもなった。そんなノムさんが観戦していたことを聞かれると「入院された後によくなったと聞いている。このホームランを野村さんにささげたい」とリンデン。因縁の相手を気遣うコメントをした。

 ただ、皮肉にもリンデンの逆転弾が飛び出したのは野村名誉監督が球場を後にした直後だった。最終の新幹線で帰京するために勝利の瞬間に立ち会うことができず。昨年対立したリンデンの劇弾も見ることができなかった。球団関係者によると、VIP席では劣勢の展開に「うーむ」と悩み続け、食事も取らなかったという。球場を離れる際に報道陣に囲まれると、「何とも言えない。複雑な試合で。景気のいい勝ち方を期待していたけど…。今後の課題? 投手陣の整備。守って勝つのが野球の基本ですから」とボヤいた。さらに、2年連続クライマックスシリーズ進出の可能性を聞かれると「あるの? 期待してます」。可能性はほとんどないと感じているような口ぶりだった。

 それでも、移動の新幹線で逆転勝ちを知ると、解説者として訪れた4月23日の日本ハム戦でも勝利したことに触れ「仙台では今年2戦2勝。オレが来て負けなくてよかった」と“御前試合”の連勝を喜んだという。

 何はともあれ、チームの借金は6に減った。日替わりでヒーローが飛び出す上昇ムードも生まれてきた。この調子で、さらに反撃といきたいところだ。 (鶴田真也)

 

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